中小企業のための海外リスクマネジメントマニュアル詳細版
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- 42 - 4 技術流出・情報漏えい 従業員などの内部者による技術情報の漏えい・紛失や、外部からの不正アクセスによる機密情報の漏えいなどのリスクです。 ■想定事例 現地企業に製造を委託し、必要な技術を供与していたが、現地での特許出願はしていなかった。ところが、製造委託先のメーカーは無断で当該技術を自国内で特許出願し、登録が認められるや、製造委託契約を解除し、今後は自社単独で当該製品を製造販売すると通告してきた。 日本企業の有する技術・機密情報が海外の競合他社に流出したり、パートナーに不正利用されるケースは年々増えています。技術流出・情報漏えいを防止するには、組織としての情報管理体制を整備することが効率的かつ効果的です。以下のような対策を講じておきましょう。 計画段階 ■合弁先・提携先を調査しよう • 合弁会社の設立、業務提携等の方法で海外に進出する場合、技術流出のリスクに留意が必要です。国によっては、日本のように機密情報保護に関する法制度が整っておらず、企業の情報管理に関する意識が低い場合があるため、合弁先・提携先を選定する際には、事前に相手企業が信頼できるパートナーになり得るかどうか、また適切な情報管理体制が整備されているかを調査しましょう。 (合弁先・提携先の調査のポイントは「2.現地パートナー・提携先とのトラブル」のページをご参照ください。) ■情報管理体制を整備しよう • 自社の海外拠点や日本本社においても情報管理体制を整備しておくことは重要です。以下の事項が実施されているかを確認し、不備がある場合には改善しましょう。 • 情報管理に関する基本方針、規程等の整備 • 情報管理責任者の選定とその権限の明確化 • 従業員に対する管理方針等の周知・徹底 • ルール遵守状況に関する定期/不定期の監査やモニタリングの実施 手続段階 ■合弁契約書に機密情報保持に関する項目を盛り込もう • 合弁契約書には、当該進出先の実務や国際取引に精通した弁護士等の協力を得ながら、対象とする機密情報の特定や秘密保持義務、目的外使用の禁止、万が一漏えいしたときの損害賠償に関する項目を盛り込みましょう。 操業段階 ■情報を分類・管理しよう • 情報の重要性に応じて機密レベル(関係者外秘、社外秘 等)を設定し、情報を分類します。そのうえで、海外拠点においても、設定された機密レベルに応じた管理体制を整備しましょう。また、現地パートナーや取引先に開示できる情報の範囲も機密レベルにあわせて検討しましょう。

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