中小企業のための海外リスクマネジメントマニュアル詳細版
37/114

- 37 - 手続段階 <交渉すべき事項(例)> • 経営権 :出資比率だけではなく、経営実務をどちらが行うのか、重要事項についてはだれがどのように決めるかについても明確にしましょう。仮に経営実務を相手方企業が担う場合には、自社の意向を無視した経営がなされないよう、必要に応じて拒否権等の権利を盛り込みましょう。 • 業務内容 :合弁会社の業務が、自社のグループ会社と競合する等の可能性を踏まえ、必要に応じて競業避止義務を盛り込みましょう。 • 技術協力 :支援する技術の範囲と内容を明確にしましょう。曖昧なままでは、対価なしに追加の技術支援を余儀なくされる可能性があります。 • 解消条件 :どのような場合に合弁契約を解消するのか、解消方法(株式の先買権を規定するのか等)について事前に決めておきましょう。 ■契約書を作成しよう • 交渉で合意した内容に基づき、契約書を作成しましょう。当該進出先の実務や、国際取引に精通した弁護士等の協力を得ながら、自社と合弁先の双方が納得できる内容で締結するように努めましょう。また、概ねの条件が決まった段階で基本合意書を締結し、それをベースに詳細な合弁契約書を作成することが一般的です。 • 契約書に用いることのできる言語は、国によってルールが異なります。当該国の言語で契約書を作成するルールの国もありますが、進出先が複数言語で契約書が作成できるルールの場合は、自社に有利な言語の契約書を優先させるよう合弁先と交渉しましょう。 操業段階 ■合弁先との関係を構築しよう • 合弁会社設立後もさまざまなトラブルが想定されるため、常に合弁先の方針や動向を把握しておきましょう。また、問題を発見した場合に速やかに合弁先と交渉できるよう、定期的に合弁先と意見交換・協議の機会をもちましょう。 ■信頼できる取引先を確保しよう • 進出先におけるサプライヤー等取引先選定の失敗は、事業運営に重大な支障をきたします。主要な取引先の選定に際しては、合弁先の見解を鵜呑みにするのではなく、自社としても企業信用調査資料や業界情報、周辺情報を入手し、信用度の判断を行いましょう。 • そのうえで、現地の商慣習や法制度を十分に踏まえつつ、取引条件や問題発生時の責任分担等を含め、契約書に具体的に落とし込み、取引を行いましょう。 (現地商慣習等の留意点は「9.商慣習・風俗・宗教に関するトラブル」をご参照ください。) ■専門家を確保しよう • 問題や課題が顕在化したときにすぐ相談できるよう、現地の事情に精通した信頼できる専門家(弁護士、会計士など)とのネットワークを、日頃から構築しておきましょう。 <対策実施に際して支援が可能な外部機関> 相談内容 支援可能な外部機関 合弁先・提携先との交渉について相談したい。 弁護士、会計士 契約手続き、契約書の内容について相談したい。 弁護士 ※P.103「海外進出支援を行う公的機関等」もあわせてご確認ください。

元のページ  ../index.html#37

このブックを見る