中小企業のための海外リスクマネジメントマニュアル詳細版
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- 30 - 海外進出計画段階 海外進出手続段階 海外拠点操業段階 【事業再編を行う場合に留意すべきリスクとは?】 海外事業を運営していく中で、事業環境の変化等により事業再編を行う場合があります。事業再編に際しての代表的な課題として以下のものが挙げられます。専門的な知識やノウハウが必要となるため、無理に自社で完結しようとせず、弁護士等の専門家のサポートを得るようにしましょう。 (1)事業再編手法の選択 事業再編の手法は、国ごとにさまざまな法規制があります。進出先や自社の状況を踏まえ、最適な方法を選択することが重要です。 (2)現地パートナーとの交渉 再編を行う場合は、合弁先のパートナーとの交渉が不可欠ですが、交渉が難航し、再編対応がなかなか進まないケースがよく見られます。日頃からパートナーとの信頼関係を築いておくとともに、交渉に際しては複数の選択肢を検討しておくことが重要です。 (3)再編費用の見積もり 事業再編には、原状復旧費用、従業員を解雇する場合の補償費用、補助金の返済等、さまざまな費用がかかるうえ、想定外の高額に上るケースもあります。どのような費用がかかるのか、あらかじめ調査しておきましょう。 (4)現地従業員への対応 縮小・撤退、第三国等への移転により、現地従業員の雇用継続は困難となります。しかし、国によっては解雇に対する規制が厳しく、また、地域社会からの反発も想定されるため、慎重な対応が求められます。退職金の支払いや再就職先の斡旋など、現地従業員の処遇について十分な検討を行いましょう。また、処遇の詳細が決まるまでは現地従業員に情報が漏れないよう留意することも重要です。 (5)商標権の取扱い 再編により、合弁会社の商標権の取扱いが問題となります。特に自社ブランド名を含む商標の場合、商標権は自社からのライセンスとする、合弁契約終了後は相手企業が商標を使用できない旨を契約に定めるなどの対応を合弁契約の段階から実施しておくことが重要です。 また、事業再編を行ううえでは、過去の再編対応のノウハウが非常に役立ちます。中小企業庁「中小企業の海外事業再編事例集(事業の安定継続のために)」をご活用ください。 ココにも注目

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