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株式会社アール・ケー・イー(柏崎フロンティアパーク)

地域社会の発展が企業の成長を支える

 建設・施工などの建築事業から設備工事、営繕などの事業を行う株式会社アール・ケー・イー(以下、(株)アール・ケー・イー)は、株式会社リケンのグループ会社として、1988年に新潟県柏崎市で創業。美しい環境を創造し、地域社会に貢献するエンジニアリング会社として成長を目指すという経営方針のもと、主にリケングループ内の総合建設・総合環境分野を柱に事業を展開してきた。現在、事業内容はさらに拡大し、産業廃棄物処理や環境整備業など幅広い分野で活動している。

新規事業展開に向けた取り組み

 社名である「R・K・E」は、リケン・柏崎・エンジニアリングの頭文字をとって命名したことからも、創業当初はリケングループ内の建築や設備メンテナンスが主な事業内容だった。それから徐々にグループ外の顧客を拡大し、現在は売上の6割以上を占めるまでになった。また、事業内容も1997年に開始された太陽光発電事業をはじめ、産業廃棄物処理や公園整備など、低炭素社会に向けた環境事業を中心に幅広く展開している。その経緯を、環境事業部長の秋山錦也氏は次のように語る。
「創業以来、当社のビジネスの基本姿勢は、何事にも挑戦していくということで一貫しています。また、当社では社員に『一級市民であれ』ということを求めています。企業の社会貢献を考えていくと、事業内容も低炭素社会に向けた環境分野に広がっていくのは、ある意味では自然な流れだったと考えます。」
もちろん、社会貢献とは言ってもビジネスとして成り立つことが第一であり、新事業に進出する際には事業の見通しについて綿密な計画が立てられる。2011年より開始された木質ペレット製造事業は、2008年より事業計画が進められたものだ。
「木質ペレット事業は、当社で行なっている公園などの整備事業で出てくる大量の材木の再利用について考え始めたのが一つのきっかけです。事業計画は、まず利用可能性調査から開始しました。地元の温泉宿泊施設や福祉施設など、木質ペレットの需要がどの程度あるのか。また、今後どの程度の需要が見込めるのかを調べ、林野庁や自治体との調整や製造ラインの確保など、現実的な事業展開に向けて一つずつ具体的な課題をクリアしていくプロセスがありました」と秋山氏は語る。
新潟県柏崎市は原子力発電所があることで知られるが、同時にバイオマスエネルギーを街づくりに取り入れる取り組みを行っている。地元企業や福祉施設においてもバイオマスを活用しようという意識が高く、自治体によるサポートもあり、事業展開は進められた。

(左)秋山錦也環境事業部長。/(右)木質ペレット工場外観。
(左)秋山錦也環境事業部長。/(右)木質ペレット工場外観。

木質ペレットにおける品質の決め手

 2011年4月、柏崎フロンティアパーク内に木質ペレット工場が開設され、木質ペレット事業が開始した。事業計画では、最低で年間2,000トンの製造を確保し、売り上げなければ成り立たないと見込まれており、実際にクリアできるか当初は不安視されていたが、その不安は杞憂のものだったと秋山氏は次のように語る。
「製造業の課題は、シンプルに言えば量と質です。ここは、実際に稼働してみなければわからない部分も多くありましたが、現在、1日8時間稼働で、年間2,500トン製造するペースを確保できております。また、品質の面でも非常に高品質のペレットを製造できているという自負があります」
 木質ペレットには、長く燃え続ける燃費と破損しない強度が求められる。そのため、品質管理には水分のバランスや材料内の繊維など、かなり細かな調整が必要だ。
「ペレットの品質は、原材料と製造工程によって決まります。たとえば、スギとマツでは繊維の性質が違うために仕上がりに大きな違いが出ますので、原材料となるオガ粉の配分はとても重要です。当社は、天然由来の間伐材のみ使用していますが、それは不純物の混合や、材料が安定しないことによる品質低下のリスクが高いためです。木質ペレットは温度と圧力のみによって固めますが、この際にも材料が安定しないと様々なリスクがあります」と秋山氏は語る。材料が安定しないことで、ペレットが固まらなくなったり、割れやすくなると、暖房設備などで使用する上ではもちろん、製造工程においてもメンテナンスに費やすデメリットが大きい。
「設定はかなりの苦労がありましたが、この工場ラインは自信作です。当初想定していたのとは多少計算違いの部分もありましたが、量と質の面で予想を上回る成果を出せていると思います」と秋山氏は語る。この木質ペレット工場の評判は、同業他社にも伝わり、現在は同業他社からの見学依頼が数多く舞い込んでいる。

こだわりの工場設備(左)。/原材料であるオガ粉(右)
こだわりの工場設備(左)。/原材料であるオガ粉(右)

地域貢献に向けた今後の取り組み

 柏崎フロンティアパークに立地した大きな要因は、地元との連携がとりやすかった点にある。元々、手がけていた環境整備事業や地域で取り組むバイオマスタウン構想、それに伴う充実した補助金など、複合的に考えられた結果、最適の地として選ばれた。
「当初から、地産地消の観点から地元企業として市内周辺を検討しました。柏崎市のバイオマスタウン構想の実現に貢献できることや、各種優遇支援が受けられる事によって事業の目処が立ったことがやはり大きかったです」と秋山氏は当時を振り返る。また、二校の大学が隣接するなど、産学官連携に適した立地であるとの判断もあった。
「柏崎市のバイオマスタウン構想や当社のペレット工場は、いわば産官連携無しには成し得ないことでした。そのベクトルは地域社会への貢献ということで一致しています。そういった意味で、今後は産「学」官連携に向けての取り組みも行なっていきたいと考えています。現在は、共同で製品開発するといったような具体的な取り組みを行なっているわけではありませんが、小中学校の課外授業を受け入れするなどの取り組みは行っています。私たち企業は地域の一員であり、地域の発展が最終的には私たちの発展につながるわけですから、今後も地域の人材育成など、少しでも貢献できればと考えています」
ただの生産工場だけではなく、自然と再生可能エネルギーの重要性を認識するのに役立つ工場。時代と社会が求める一流市民が行う製造業の姿が、(株)アール・ケー・イーの木質ペレット工場にはある。(2012年11月取材)

工場内の様子(左)。/製造されたばかりの木質ペレット(右)
工場内の様子(左)。/製造されたばかりの木質ペレット(右)

▼団地の詳細情報
柏崎フロンティアパーク

 

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