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トヨタウッドユーホーム株式会社(宇都宮西中核工業団地)

住宅製造・販売における、工場の現代化と地域密着を目指す営業戦略

 1969年に宇都宮産業開発株式会社として創業され、土地売買から営業を開始したトヨタウッドユーホーム株式会社(以後、トヨタウッドユーホーム(株))。1975年の住宅部門の立ち上げ、1997年のトヨタ自動車株式会社(以後、トヨタ自動車(株))との企業提携などを通じ、着実に業務を拡張してきた。現在は土地開拓から住宅建築、材料調達、販売、アフターメンテナンスまで一貫した業務を手がけ、協力業者で組織されたメンバー企業や関連部署と連携し、関東圏内に広いシェアを持っている。

技術力と効率化がもたらした、顧客ニーズに応える工場

 トヨタウッドユーホーム(株)の主な業務は、戸建を中心とした製造販売で、宇都宮を中心に体験型のショールーム『すまいるプラザ』や住宅展示場を展開、個人の顧客に対して直接営業を行なっている。東日本大震災という未曾有の災害を受けて、これまでは安さを求められていた住宅市場は、加えて安心と安全が強く求められるように変わっている。トヨタウッドユーホーム(株)の取締役副社長、茂木邦夫氏は、このような顧客ニーズの変化に、臨機応変に応えられる万全の体制が整っていると話す。
「当社は、これまでも高品質なものを低価格でお客様に提供することで一貫しており、1986年以降は建築方法としてツーバイフォー(以降、2×4)を採用し、そのご要望に応えてきました。宇都宮西工場は、現場で作業しづらい工程、住宅に悪影響が出る工程などを工場内で行えるのが特徴です。特に屋根パネルを作れるのは大きな強みです。屋根は壁パネルと違い立体ですので、大工さんにおまかせなのが2×4だと考えられています。屋根が着くのが遅ければ、気候によって住宅に悪影響が出るリスクが高まります。これは2×4の大きなデメリットと考えられていました。当社では工場で3D作業を行えるため、大工さんが2〜3日かかる屋根工程を2時間で行えます。この技術を持っているのは、全国で2×4を手がける企業でも3社程しかありません。」
 高品質かつ低価格という顧客ニーズに応えられる、優れた生産力を持つ宇都宮西工場は、1997年に宇都宮西中核団地内に開設された。住宅建築における作業行程が機械化されている当工場は、開設直前に行われたトヨタ自動車(株)との企業連携もあいまって、工場運営が徹底的に近代化されている。培った技術に加えて、工場運営にトヨタ方式を取り入れることで、作業効率が稼動からわずか1年で20%以上も上がった。以降も着実に効率化を進め、現在では作業効率の向上に向けて秒単位での改善に努めている。現在では、約2時間半で家一棟分の建築パネルを製造するまで効率化され、価格の高い材料を使いながらも、コストを低く抑えることができるようになった。

(右)茂木邦夫取締役副社長。/(左)工場の外観。
(右)茂木邦夫取締役副社長。/(左)工場の外観。

宇都宮西工場が果たす、経営面における役割

 宇都宮西工場は、計画段階では全国展開までを視野に入れたものだった。「当初は本社周辺なども検討しましたが、材料搬入やパネルなどの搬出も考えれば、ある程度の広さとアクセス面の考慮が必要でした」と茂木氏は語る。この条件に加え、時間帯を気にしないで24時間作業が行えることや、本社との距離、首都圏及び全国へつながる日本海や太平洋の港までのアクセス、土地面積、インフラの充実度などから宇都宮西中核工業団地は最適の地とされた。全国展開に向けた具体的なプロジェクトは経営方針の転換によって無くなったが、地域密着型の方針においても宇都宮西工場は大きく貢献することになっていると、茂木氏は次のように語る。
「お客様を工場にお招きする場合、宇都宮西中核工業団地はとても静かで自然に恵まれながらも、並木道や環境緑地帯が整備されるなど足を運びやすい環境が整っています。当工場で春と秋に行っている大規模な見学会には一度に1000名近いお客様が足を運んで下さいます。工場はものづくりの場所としてだけでなく、言葉だけでは伝えきれない技術とそれに基づく安心や信頼をお客様に感じていただける場所となります。そのため、お客様を招きやすい環境条件は、営業的な意味合いでもとても重要です」
 2×4におけるこだわりや、他社にはない技術を目で見て確認してもらうことで、見学後のアンケートなどでは顧客の信頼度にも大きな変化があるという。 拠点が増えたことによる単純な営業エリア、雇用エリアの拡大などのメリットの他に、宇都宮西工場では当社の営業戦略において重要視する、顧客との直接会話『ダイレクトミーティング』の機会を新たに創り出している。

効率化が進む工場内の様子。
効率化が進む工場内の様子。

低・常温を併設する最先端物流センターの意義

 トヨタウッドユーホーム(株)が拠点を置く栃木県は、輸出産業を手がける大手企業が数多くあり、県外からの移住者も多い。そのため、顧客で一番割合が多いのは30代の家族だ。
「当社ではこれまでに、お客様から多くのご意見、ご要望をお伺いしております。これを集約させ、サービスに反映し、お客様に還元することが私達の仕事であり、ご満足頂いているという自負もあります。購入頂いたお客様の入居後のアンケートでは、暖房費が低減したなどのコスト面から、間取りが広く感じられるといった建築デザイン面までお褒めの言葉を頂いています」と茂木氏は語る。『ダイレクトミーティング』重視の方針は、このような顧客の要望をしっかり受け止めるためでもある。
 住宅展示にも地域を大切にするこだわりがある。以前は総合住宅展示場などにもモデルルームを出展していたが、現在では当社が提示したい形態や、規模で展示を行える場を自ら設けるようにしている。情報発信型の施設『すまいるプラザ』は、インテリアギャラリーやシアター、レストランが併設。住宅の専門家によるアドバイスが受けられるほか、セミナー、演奏会などが行われる地域密着型の拠点となっている。
「地元密着型の企業ですので、地域貢献には積極的に取り組んでいます。当社の社長は、現在Jリーグに加盟する地元のフットボールクラブ・栃木SCの代表を務め、スポーツ振興及び青少年育成に取り組んでいることをはじめ、地域の未来を考えるプロジェクトへの積極的な参加と提案などを行っています。また、宇都宮大学では客員教授を努め、経営工学講座で教鞭を執っています」と茂木氏は語る。
 地域とのふれあいを大切にするトヨタウッドユーホーム(株)は、高品質な住宅を提供することで地域の暮らしの安全を支えことはもちろん、今後もこのモットーに則って地域の大きな活力となっていく。(2012年9月取材)

(左)機械化された工場の様子。/(右)後工程にも配慮された出荷方法。
(左)機械化された工場の様子。/(右)後工程にも配慮された出荷方法。

▼団地の詳細情報
宇都宮西中核工業団地

 

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