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左希子化粧株式会社(空知団地)

自然の力を尊び、顧客を第一に考えた化粧品製造に向けて

 生まれ持った自然治癒力によって女性の肌を健康にし、それを支える化粧品の普及に努めてきた左希子化粧株式会社(以降、左希子化粧(株))。1972年、時代に先駆けて札幌にスキンケア専門のエステティックサロンを開設し、「洗う」と「つける」だけのシンプルな美容法を推進。1985年の創業以降は、全国に30カ所の販売所を展開するなど、北海道内だけでなく幅広い女性に支持されている。

顧客を第一に考えた化粧品づくり

 現在の化粧品や洗顔用品は、肌の健康や美容において欠かせないものとなっている。その一方で、化粧品に対しての正しい知識を持たず、思い込みや誤った認識から使用することで健康被害が起きているのも事実である。化粧品による健康被害は幾度となく社会問題になっており、近年も洗顔用品による健康被害が大きくとりあげられたことは記憶に新しい。
 左希子化粧株式会社(以下、左希子化粧(株))の代表取締役社長三宅雅登氏は、このような事態が起こってしまう根本には、提供する側と、使う側に正しい知識が周知されていないことが問題と話す。
「洗顔用品では泡立ちが多いほど良いイメージがあるかと思いますが、その認識には大きな誤解があります。泡が多く立つということは、アルカリ性が強いということです。アルカリ性の洗顔は確かに汚れをよく落としますが、弱酸性の肌の潤いやバリア層まで取り除いてしまうのです。」また、肌のpHもアルカリ性に近づくために、相対的に雑菌への抵抗力が弱くなるなど、肌の健康を考えた場合あまり良いことはないという。ここには化粧品業界が抱えるジレンマがあると三宅氏は語る。「化粧品は本来使わなければ価値がわからない製品ですので、初めてのお客様に手にとってもらうためのイメージ戦略は大切です。また、できるだけ売り上げを増やすために、化粧品の種類を増やすことはビジネスとして一つの方法になっています。たとえば、アルカリ性の強い洗顔も、化粧水や乳液、栄養クリームなどの追加のケアでpHを整えることはできます。ただ、お客様にすれば本来化粧品の数は少ないに越したことはないのです。」
 また、このような外的作用によって肌をケアし続けることは、自然の自浄作用を妨げるおそれがある。左希子化粧(株)ではユーザーのためを第一に考え、化粧品の数は少なくし、自然治癒力によって肌健康を向上させることに、本来の化粧品の役割があると考えている。

(左)三宅雅登代表取締役社長。/(右)美唄工場の外観。
(左)三宅雅登代表取締役社長。/(右)美唄工場の外観。

全国の女性に支持される、一貫した創業理念

 左希子化粧(株)の創業のきっかけを、三宅氏は次のように語る。
「今から40年以上前になりますが、当社の創業者は化粧品会社のセールスマンでした。化粧品の使い方をお客様に指導していたのですが、当時は化粧品をたくさん使うことが良いこととされ、本人もそれに倣っていました。しかし、次第に肌がボロボロになり、病院でも治らないほど肌が痛んでしまったのです。手の施しようがなく、なにもせずに放っておいたところ、自然治癒力によって少しずつ肌の状態が良くなっていったのです。それが、人間の持つ自然治癒力に初めて気がついた瞬間でした。」
 この経験をきっかけに会社を辞め、札幌で立ち上げたのが化粧品製造会社と、道内で初めてのスキンケア専門エステティックサロンだった。「自分たちで理想の化粧品をつくって、その使い方を正しく知ってもらうこと。これが私達にとっては自然な考え方だったのです。幸いなことに、出会いにも恵まれ、望む化粧品をつくることができました」と三宅氏は語る。
 この左希子化粧(株)の考え方は、創業以来変わらない。そのため、製品ラインナップは、中身の改良はあっても基本的には変わっていない。「ビジネスとしては製品数を増やすことも必要だが、それは私達にはできない」と三宅氏は話す。「たとえば、地域の素材からコラーゲンやヒアルロン酸を抽出して、配合した製品を販売するなどの方法も昨今では注目されています。ただ、今使っているものに比べると成分が落ちます。それを土地のものだからといってお客様に勧めて良いかといえば、それは私達の考えとは違うのです。」
 足し算の化粧が一般的な時代の中で、引き算の化粧を提唱した当社の自負がここにもある。顧客にとって一番いいものとは何なのか。それは、土地のものや素材、成分の珍しさではなく、肌に一番良いものなのであるという考えが徹底されている。

工場では主に瓶詰め、箱詰めの工程が行われている。
工場では主に瓶詰め、箱詰めの工程が行われている。

地域活動などの取り組みにも反映される企業の考え方

 1993年、化粧品製造業許可取得と同時に空知団地に設置された美唄工場は、当社の考えを広めていくための大きな一歩となった。工場開設によって、当社の理念に賛同する他社のOEM(Original Equipment Manufacturing 供給先ブランド名で販売される受注生産)化粧品を手がけるなど、新たな広がりを見せることになる。また、これまで社外で行っていた製造行程を、一部社内で行うことが可能になりコスト削減にも寄与している。
 美唄工場開設のきっかけとしては、地元からの熱心な勧誘があったと三宅氏は話す。「当社は札幌に本社がありますので、本社とのアクセスが第一条件でしたが、住居の場所や手続き上の問題など、自治体の方々に細かなところまでサポートして頂き、その熱意に押され決定しました。」また、美唄が創業者の故郷ということもあり、地元に貢献したいという考えも後押しした。
 そして、この空知団地には、当社の理念にも合致する素晴らしい気風があると三宅氏は話す。「空知団地企業クラブという親睦会をつくらせて頂き、雪解けの季節にはゴミ拾いなどの地域活動を行っているほか、工業団地内では雪の冷熱を使った冷房や食料備蓄に利用するなどの取り組みを行っています。美唄は米どころですし、原発が停止している中で石炭採掘も増産されるなど、日本の生活を支えている地です。この空知団地には私達が考える助け合いの文化があります。私達も地域での試みを通じて少しでも力になれればと思います。」
 自然エネルギーの活用などは、化粧品に対する取り組みに通じる。社会貢献活動においてもその一貫性は変わらない。化粧品に限らず、大量生産・大量消費が豊かさだという感覚が現在の日本にも少なからずある中で、左希子化粧(株)は自然の力を大切にし、本当に必要とされる物だけを造り出していく。(2012年10月取材)

(左)品質検査室。/(右)左希子ブランドの数々。
(左)品質検査室。/(右)左希子ブランドの数々。

▼団地の詳細情報
空知団地

 

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