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株式会社コンピューター・ビジネス(旭川リサーチパーク)

業界が転換期を迎える中、老舗IT企業が考える信頼性

 日本で卓上電卓の普及が始まったばかりの時代、1963年に創業の株式会社コンピューター・ビジネス(以下、(株)コンピューター・ビジネス)は、2013年に創業50周年を迎える老舗IT企業だ。バス運行などの公共機関のシステム開発・導入、運用支援を皮切りに業務を拡大し、官公庁の納税システムやクレジットオンラインシステムなどを手がけている。その実績が評価され、顧客は道内に留まらず首都圏を中心に日本全土に広がっている。

システム機器が変わっても、変わらない顧客第一の姿勢

 (株)コンピューター・ビジネスの主力業務は、自治体や公共機関、民間、金融クレジットに向けたワンストップ・サービスだ。その内訳は基幹業務からシステム運用支援、サーバー管理など幅広いサービスがある。たとえば請求書の作成業務では、印刷から封入、発送まで全て社内で行うシステムだ。他業界にまたがる業務を一貫して行うことで、顧客の管理コストを削減でき、既存のIT企業とは一味違ったアプローチを行なっている。
 代表取締役社長の村山篤史氏は、その違いを次のように語る。「IT企業と聞くと変化が多いと思われるかもしれませんが、基本的に当社の根幹は変わりません。システム開発ありきのサービスではなく、お客様のご要望に応えるためにリニューアルも必要であり、それが現在のIT化なのだと考えています。」扱うシステム機器が変わっても、この姿勢は変わらない。そんな一貫性が顧客の信頼につながり、成果として表れている。
 その最も顕著な例が、官公庁や首都圏の顧客数である。設立当初は2つしかなかった市町村の顧客も、現在では16にまで増えている。「アフターサービスの充実と、お客様に満足していただけるサポートを実施してきたことが、成果として現れていると考えています。官公庁のようなお客さまの基幹業務に携わるには、確かな実績と信頼がなければできません」と村山氏は語る。
 首都圏の顧客に関してもこれは同様である。長年の業務で蓄えたノウハウと長距離間でもおろそかにならないサービスが評価されている。ITの進化によって、汎用機を管理する時代から、クラウドをはじめとしたネットサービスが主流になった現代も、“顧客サービスを第一に”という姿勢は揺るがない。

(左)村山篤史代表取締役社長。/(右)社屋の外観。
(左)村山篤史代表取締役社長。/(右)社屋の外観。

IT業界における、震災以降のデータセンター最適の立地

 一方で、現在IT業界は大きな転換期を迎えている。その要因の一つがクラウド対応であり、(株)コンピューター・ビジネスにとっても大きな変革の要因となった。
「私たちがこれまで提供していたサービスは、どのような形であれ受託する形で製品や半製品を作り、それを納品することが主な業務でした。それが現在は、お客さまに求められるスパン・範囲内でサービスを提供することが主流の時代に変わっています」と村山氏は語る。大手企業では数年前からクラウドを取り入れ、コスト削減などの成果が出ている。この成功例に倣って中小企業でも導入、検討がされるなど、ビジネスに欠かせないサービスとして定着しつつある。
 もう一つ、転換の要因となったのが東日本大震災である。震災によって各地のデータセンター機能にも支障が発生した。これによって、奇しくもクラウドのリスクまでもが顕在化することになった。
 このような転換期の中、2012年4月にデータセンターの稼働が始まった。以前から計画は進められていたが、旭川という地が地震の被害もほとんどなく、津波や台風などの影響も少ない土地であることから要望も高まり、計画から1年前倒しで稼働された。
「クラウド参入を模索する最中に東日本大震災があり、基幹業務をお預かりする道内外の企業や自治体の方々から多くのお問い合わせがありました。この事によって、私たちは安全なバックアップ機能を備えたデータセンターの重要性が高まっていることを実感しました。旭川は災害に強いという信頼性の高さに加え、温度が上がらないので空調コストが削減できるなどのメリットもあります。原発からは100km以上の距離があり、震災以降見直されることになったデータ管理に最適の立地と言えると思います」と村山氏は語る。
 クラウド事業への参入は、大きなチャンスとなった。これまで行なってきた企業サーバーを預かるハウジングサービスやレンタルするホスティングサービスに加え、クラウドサービスを提供するにあたり、災害に強い旭川に立地していることはさらなる信頼を積み重ね大きな強みとなる。

(左)DM封入封緘機。/(右)オフィスの様子。
(左)DM封入封緘機。/(右)オフィスの様子。

IT企業だから行える、地域活性に向けた取り組みへ

 全国に顧客を持つ(株)コンピューター・ビジネスは、1998年に旭川リサーチパークに本社を移転して以降、その活動は道北のIT企業のリーダーとして地域を牽引する役目も担ってきた。マイクロソフトとの共同セミナー開催や地域内での異業種交流、産学官での交流も盛んに行なっている。
「自治体や中小機構の皆様にサポートしていただき、旭川地域内での交流は多くあります。また、旭川工業高等専門学校及び北方建築総合研究所と総務省の戦略的情報通信研究開発推進制度『SCOPE』にて共同依託研究を実施するなど、産学官連携も行なっています。旭川は35万都市と規模としては大きくありませんが、その分コンパクトに連携しやすく、発想を実行に移しやすいのが良い点です」と村山氏は語る。これに加え、観光産業が盛んな北海道への貢献ということで旭山動物園への協力や、北海道内の放射線量の測定・結果の国内外への公開に関わるなど、積極的に地域活性に向けて活動している。
 今後は、IT企業ならではの方法でさらなる地域貢献ができないか模索中だ。「当社のデータセンターには、お客様からお預かりするデータが多く集まります。このデータを有効活用できるような方向に持っていければ、それが地域貢献につながるのではないかと考えています。情報漏えいやセキュリティの問題もありますので一筋縄ではいかないとは思いますが、業種を越えた様々なデータをまとめて有用なデータとして公開できるようになれば、地場産業の発展など、さらに地域に貢献できると考えています」と村山氏。これまでに培われたノウハウに加え、ITの利便性が旭川地域の活性につながっていく。(2012年9月取材)

(左)データセンター。/(右)セキュリティ体制も万全。
(左)データセンター。/(右)セキュリティ体制も万全。

▼団地の詳細情報
旭川リサーチパーク

 

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