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株式会社テクノマシーン(米沢オフィス・アルカディア)

機械工業の集積地で、日本の製造業の未来を形に

カセットテープから半導体まで、様々なものを自動的に製造する産業用省力機械の設計・制作を行う株式会社テクノマシーン<以下、(株)テクノマシーン>は、入社条件が「機械が大好きなこと」という機械に特化したプロ集団。米沢で創業して20年以上が経ち、大手メーカーとも厚い信頼関係を構築。現在では東北地方はもちろん日本全国、海外まで納入先が拡大している。平成21年に米沢オフィス・アルカディアに移転し敷地を拡張。製作に集中できる静かな環境のもと、今後は新たな分野にも挑戦していく計画だ。

企業と産業を支え続ける“機械屋”の情熱

日進月歩の工業製品を支える産業用省力機械。(株)テクノマシーン代表取締役の嘉規浩二氏はその仕事の醍醐味について「鉄の塊だったものが形を変え役立つ機械になっていく。それが動き出す瞬間が、いちばん面白い」と語る。自分たちが力を合わせて作り上げたものが、これから製品を生み出し続けていく。その最初の瞬間は、機械好きにとってはこの上ない幸せを感じるのだろう。「思惑通りに動かず、試行錯誤し、テストを重ねて。出来上がるまでがとても楽しい」。情熱と苦労の結晶ともいえる省力機械を納品した後は、メンテナンスのために納入先の海外にも出向く。「メンテナンスは必須です。納品先からはもう少し動きが早くならないか、違う向きのものができないか等、次の要望も出てきます」。一度納品した機械は長期にわたり生産を担う。その体制を支えているというプライドが、嘉規氏の言葉からは感じられる。
(株)テクノマシーン創業当時の主力は、ビデオテープやカセットテープの組立機。時代の変遷とともに半導体製造機器、バッテリー製造機器の製作も手がけていった。「お客様と打ち合わせをしながら設計・製作を進め、1台を作り上げるのに半年から1年はかかる。基本的に取引は一業種一社ですから、同じものを作るのは1度だけです」と嘉規氏。大手メーカーが大手の機械製造会社ではなく小規模な機械製作会社との取引を望むのは「大人数・短期間で製作する場合、どうしても汎用化された機能になる」ため。時には極秘となる生産計画や仕様を託せるのは、信用第一で深く付き合う取引関係があってこそ。「最近では製造ラインにもロボットが導入され、活躍の場面は少なくなってきている」と語る嘉規氏だが、「機械について、ここをああしたら、こうしたらと考えていて眠れず、夜の2時、3時に会社に来てしまう。そうすると、不思議とひらめく時があるんですよ」と、やはり常に“機械屋”の情熱を傾け続けているようだ。

(左)嘉規浩二代表取締役。/(右)社屋の外観。
(左)嘉規浩二代表取締役。/(右)社屋の外観。

工業の集積地・米沢でこそ実現した、密な連携体制

「機械を作るには、米沢は本当に便利な場所」と語る嘉規氏。機械加工の工程で「図面に基づいた部品が必要になり、当社で間に合わないときは、お願いできる加工屋さんが米沢、山形など周囲にたくさんあります」。またバッテリーなどの製造機械は「製造工程が長いため、当社だけではその一部しかできない。そこで工程を区切っていくつかの会社が連携します。米沢地区の中では、協同できるグループがどこにいるかという地図が見えています」と嘉規氏。しかし連携する場合も「やりとりそのものはあっても、それぞれの範囲に口出しはしない」と、互いの技術を認め合うプロの進め方だ。米沢市にある山形大学工学部との交流もあり、互いに連携し、難しい案件にも取り組んでいる。
本社移転の目的はスペースの拡張だったが「移転前は国道沿いの土地で、振動や騒音も気になっていました」。米沢オフィス・アルカディアは静かで作業に打ち込める環境。「電気や水道、インターネット環境も整っていて、すぐにでも操業できる状況だったため、即決しました。取得にあたっての助成金や補助もいろいろとあり、助かりました」と嘉規氏。地元・米沢での新展開に向け立地を決めた際には、地元の新聞などにも取り上げられ、期待が寄せられた。「最近、立地企業も増えてきましたので、団地内の企業とは協議会を発足しようと話し合っています」と嘉規氏。既に団地内の印刷会社との取引もある。数々の納品先も、もとをたどれば同級生や知り合いの紹介など、密な関係を積み重ねてきた結果。地域を牽引する存在として、交流の機会も増えているようだ。

設計から検査、納品まで全工程に対応する一貫生産体制を構築。
設計から検査、納品まで全工程に対応する一貫生産体制を構築。

顧客の思いに沿い、企業と産業の未来を形に

製作する機械によっては「水道、窒素ガス、バキューム、受電設備、エアーコンプレッサーなどの設備を全て揃えなくてはならないことも」と苦労を語る嘉規氏。「機械製作とはいえ、その機械が製造するものによっては物理学や化学の知識も必要。受託はもちろん、今後はオリジナル商品の開発の必要性も感じていますので、新たな知識を取り入れていかなくては」と、今後の新展開も視野に入れている。新工場には、高さのある機械の製作に対応できるよう、吊り下げ高さ10mのクレーンを備え付けた作業場も設置。広々とした環境でそれぞれの作業に没頭する従業員が印象的だが、敷地内には手作りのベンチを備えた休憩所や寝泊まりできるキャンピングカーがあったり、嘉規氏自身も趣味のパラグライダーを楽しみ「この地の造成時には、空から写真を取ったりしていました」とのこと。ここ数年は確かに景気も厳しく「受注して設計が終わり、部品もそろえた段階で、キャンセルできないかというお客様もいました。しかし今キャンセルしてもメリットがないからと、製作し納品したところ、現在そのお客様は受注が増え、作っておいて本当によかったとのことです」と嘉規氏。不況だからと割り切ることのできない深い付き合いを続けたからこそ得られた嬉しい声だ。「お客様が一生懸命開発した製品、それを製造するための機械を開発するのが我々」と嘉規氏。顧客の思いを形にすることに全力を尽くす(株)テクノマシーンは、ようやく元気を回復しつつある日本の産業を支える原動力とも言えるだろう。(2010年9月取材)

部品の加工や高さのある機械の組立にも対応可能な工場内の設備。
部品の加工や高さのある機械の組立にも対応可能な工場内の設備。

▼団地の詳細情報
米沢オフィス・アルカディア

 

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