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株式会社アクリフーズ 夕張工場(夕張緑陽団地)

全国の消費を支えながら、地域を作っていく喜びを感じられる場所

炭坑の町として栄えた夕張のなだらかな丘陵に位置する夕張緑陽団地にあり、北海道で採れる牛の乳や農産物を取り入れた冷凍食品づくりを行っている株式会社アクリフーズ<以下、(株)アクリフーズ>の夕張工場。全国の消費をカバーできる大規模な製造ラインを持ち、不況の現代にありながら生産量は増加傾向で推移している。中国からの研修生などを含め、働く社員は雄大な自然に囲まれた環境で生活を送り、会社として地域おこしのイベントなどにも参加。夕張を、土地のメリットを業務に最大限活かしながら町の活性化に貢献する喜びも得られる立地ととらえ、積極的に地域づくりに参加している。

苫小牧港への好アクセスで、出荷と原料調達の物流コストを大幅に削減

(株)アクリフーズ夕張工場の前身は、夕張緑陽団地への進出第一号として網走から移転したほくれい株式会社<以下、ほくれい(株)>夕張工場。「網走工場の老朽化に伴い建て直しを検討する際、当社の出荷や原料調達の基点となる苫小牧港に近い場所に移転すれば物流コストの削減も図れるのではないかとの考えから、夕張への進出を決めたそうです」と語るのは、入佐豊(株)アクリフーズ夕張工場長。ほくれい(株)と(株)アクリフーズが合併したのは平成19年。平成21年は冷凍食品への国産需要やお弁当商材の伸びもあり、夕張工場での生産量は増加している。夕張工場では乳やかぼちゃなど原料の約6割に北海道の農産物を使用、立地を活かした調達を行っているが「北海道産以外から調達する原料についても、ここ夕張なら苫小牧港が利用できるため輸送時間が短く、網走と比較するとリードタイムが1日ほど違ってきます」。また(株)アクリフーズにとってこの立地は”北の生産拠点”としてもメリットがあるという。入佐氏は「以前、あるグラタン商材が神戸工場でしか作られておらず、阪神淡路大震災の際に工場の稼働がストップするという事態に。その教訓を活かし、製造拠点は北と南、東と西などに分散させる方針になりました」。全国規模の生産を行うメーカーにとって、北海道に拠点を持つことはリスクヘッジの点から重要であると語る。

(左)入佐豊工場長。/(右)(株)アクリフーズ夕張工場の外観。
(左)入佐豊工場長。/(右)(株)アクリフーズ夕張工場の外観。

ゆとりある立地を活かし、工程がスムーズなHACCP対応工場を実現

中国にある合弁事業会社工場から平成22年度に夕張に異動となった入佐氏。「平成元年の(株)ほくれい夕張工場の操業時は群馬の工場にいましたが、最新のHACCP対応工場が夕張にできたというので見学に来ました。原料の入荷、加工、成型、冷凍、包装に至るまで、工程を上流から下流まで通して効率よく行える設備になっていると感じました」。HACCP対応のため、各工程において余裕のあるラインづくりが行われていることを実感したという。夕張工場では近々にも増産が計画されているが、その対応方法の難しさについて入佐氏は、「時流によって生産品目は変更されます。同じグラタンでも仕様が変われば原料の加工工程も変わり、ラインのある部分だけに以前より人手が多く必要になって狭くなることもある。ライン自体は大幅な変更ができないので、商品の必要性に応じてうまくレイアウトする必要があります」と語る。どんな食品についても10年後に製造しているものを予想するのは難しく、ラインのアンバランスは必至なのだとか。現在は「工場の増床までいかずとも、機器を部分的に増やしたり、能力のあるものに置き換えていく作業が必要と考えています」とのことだが、「ある工程で増産が可能になると、次の工程の設備も対応する必要が出てくる。常に追いかけっこなのです」。こうした状況に応じた対応が必要になる食品製造ラインは、(株)アクリフーズ夕張工場のように、最初からある程度余裕を持った土地を取得していることが必要のようだ。
夕張緑陽団地の設備については、特に食品製造に欠かせない水について「飲んでも美味しい水」と高く評価。使用量が一定量を越えると割安になる制度もメリットと感じているそうだ。

夕張工場では北海道産の農産物を取り入れたグラタンを製造。
夕張工場では北海道産の農産物を取り入れたグラタンを製造。

夕張市は、企業活動を通じて地域に貢献できる喜びが感じられる場所

夕張市は特に今、企業として地域参加を望まれている場所。この地に工場を持つことは、(株)アクリフーズにとって大きな意義のあることだった。「この地域に来て、地域と一緒になって産業を作っていくことが企業の重要な役割であることを改めて認識しました。実際にイベント参加や雇用創出を通して、企業も地域づくりに貢献できるんだということを感じています」と入佐氏。市内で行うさくらまつり、メロンまつり、紅葉まつりなどのイベントや、全国からファンが集まる夕張国際映画祭においては、出店で商品の販売などを行い、収益金を地域づくりの資金へと寄付する活動を行っている。また雇用については、新聞の折り込みチラシを利用した募集活動や、近隣の高校を訪ね進路指導教員との懇談を実施。日本全国に出荷する商品をこの夕張で生産し送り出すという仕事の誇りを伝えているという。こうした活動が評価され、平成21年には「ふるさと企業大賞(総務大臣賞)」※を受賞。これからも(株)アクリフーズ夕張工場では、地域と一体となって夕張市の発展を推進していく方針だ。
「札幌などの都市にも車で一時間ほどの距離で、町にはコンビニもある。生活の不便は感じず、何よりも美しい自然に恵まれている。本当にいい所だと思います」と夕張を評価する入佐氏。社員の福利厚生の一環として行っているイベントでも、ゴルフやスキーなど自然の中で楽しむレジャーには事欠かない。今後は「進出する企業が増えてくれれば、生活環境の改善・拡充も進展する。多くの企業の進出を私たちも待っています」とのことだ。夕張緑陽団地への進出はどんな企業にとっても、地域貢献という企業の使命を実感できるという大きな意義を持つ場所であると言えるだろう。

 

※財団法人地域整備総合財団のふるさと融資を利用した民間事業者から、地域経済や雇用への貢献、地域のイメージアップ、魅力あるふるさとづくりに貢献していると認められた企業に対し、有識者からなる審査委員会の審議を経て決定される賞。(2010年7月取材)

(左)地域のイベントであるさくらまつりに出店。/(右)工場近くの紅葉山の紅葉。
(左)地域のイベントであるさくらまつりに出店。/(右)工場近くの紅葉山の紅葉。

▼団地の詳細情報
夕張緑陽団地

 

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