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日本クラウンコルク株式会社岡山工場(新勝央中核工業団地)

「密封」のトップ企業がこだわる、効率向上と技術革新

飲料や調味料など、ペットボトルや瓶などに入った内容物を新鮮かつ安全に保つためには、“クロージャー”すなわち密封装置の存在が欠かせない。日本クラウンコルク株式会社<以下、日本クラウンコルク(株)>はクロージャー製品の専門メーカーとしてトップシェアを誇る企業。瓶用の王冠に始まり、清涼飲料用のアルミPPキャップ、ペットボトル用の樹脂キャップなど、時代のニーズに合わせて製品を変え、新たな技術にも挑戦してきた。現在は新勝央中核工業団地に立地した岡山工場で岡山に縁のある飲料・食品メーカーの要望にも応えるなど、西日本を網羅しながら全国に出荷をし、日本の飲料・食文化を担う存在として成長を続けている。

「密封」を貫き、原料も生産技術も異なる製品に挑戦

現在、飲料の容器としておなじみのペットボトルは、実はボトル本体とキャップでは生産メーカーが異なっている。日本クラウンコルク(株)の主力商品はペットボトル用の樹脂キャップ。「弊社は、ペットボトルのほかガラス容器、紙コップ、段ボールなど様々な容器を作る東洋製罐株式会社グループの一員です」と岡山工場長の小池盛彦氏は語る。「当社の創業は昭和16年、王冠からスタートし、昭和40年代、瓶入りのビールや清涼飲料が流行した際には、年間で数十億個もの王冠を製造しました。その後、アルミPPキャップの全盛時代があり、近年はペットボトルの需要が大幅に伸び、現在はそのキャップが主力商品です」。ブリキの王冠と、アルミPPキャップ、樹脂製のペットボトル用キャップでは、材料も製造方法も全く異なるが「当社が蓄積した技術は“密封する”こと。姿や材質が変わっても、この技術に徹底してこだわるという方針で進んできたのです」。500mlペットボトルの普及によって、樹脂キャップの需要が急増。「それまでもクロージャー製品のシェアはトップを維持していましたが、この変化には社内で全力をかけて取り組みました」と小池氏。その際に強みとなったのが岡山工場だったという。「ペットボトルキャップの増産が必至の状況下。しかし、それまでの西日本の生産拠点であった大阪工場は昭和33年操業開始で老朽化も激しく、近隣は住宅街化して拡張や改築が難しかったのです。そこで新たにキャップを生産できる生産拠点を探すことになりました」。工業団地に絞り込んで複数の候補を検討した結果、最新設備を投入し最大限の生産性・効率性を求められるスペースが確保できること、中国自動車道に約10分でアクセス可能と物流面でのメリットがあること、隣接の勝央中核工業団地に大手取引先が進出していることから、この地に決定したとのことだ。

(左)小池盛彦岡山工場長。/(右)社屋の外観。
(左)小池盛彦岡山工場長。/(右)社屋の外観。

全自動物流倉庫を増築、4億個のキャップを保管

西日本の生産拠点としてはもちろん、新勝央中核工業団地への進出は製品づくりにも役立っている。「近隣にある大手調味料メーカー様の要望に応えて、力をかけずに瓶から外すことができ分別しやすいキャップも開発されました。食品・飲料のメーカー様からキャップに対する消費者の声が聞こえてきますから、それを共有できるという点でもメーカーの近くに立地するのは大きなメリットです」と岡山工場総務課長の長谷川直樹氏も語る。近年では岡山や鳥取の牛乳メーカーにキャップを採用された実績も。全社で190億個(平成21年度実績)ものクロージャー製品を出荷するというトップシェアの企業ながら、日本クラウンコルク(株)は現在も変化・進化を続けている。
岡山工場は平成10年に竣工。自動化された工場では整備以外には人手が少なく、最新の生産設備で次々にキャップがラインを流れていく。竣工5年後の平成15年には、敷地内に4億個のキャップ保管能力を持つ全自動物流倉庫(ラック倉庫)を増築。製造後のキャップが詰まった箱が自動で整然と納められていく様子は近未来的だ。こうしてさらなる効率化を実現した。
原材料となる樹脂に関しては「原材料の輸送面でこの地は便利。特に岡山県、広島県など瀬戸内から運ばれてくるものが多い」とのこと。量産化に万全の立地で、さらなる効率化を目指して行くこととなりそうだ。

(左)樹脂製やアルミ製のキャップを製造。/(右)外しやすく工夫された調味料のキャップ。
(左)樹脂製やアルミ製のキャップを製造。/(右)外しやすく工夫された調味料のキャップ。

勝央・新勝央、2つの産業用地が連合会で連携

新勝央中核工業団地は、昭和55年に造成が完了した勝央中核工業団地に隣接している。日本クラウンコルク(株)にとっては取引先である大手製薬会社が立地しており、安心感のある土地でもあった。「人材面では勝央町のほか、近隣の津山市などからも優秀な人材が採用できるため、苦労したことはありません。地元の高校とは交流があり、当社から求める人材を伝えたり、学校からも生徒の状況について連絡があります」と長谷川氏。大手企業の西日本拠点としての立地も多い勝央・新勝央中核工業団地は安定した就職先として地域内での知名度が高く、見学者も多いという。勝央・新勝央中核工業団地内の立地企業で組織している企業連合会では、「安全委員会など、テーマごとに分科会を持ち、講習会を共同で開いたりもしています」と長谷川氏。団地内には武道館、体育館など町営の福利厚生施設も充実しており、スポーツチームで汗を流す人も多い。
「今後は、日常の生活に身近なものとしてクロージャーにさらなる工夫を凝らしていきたい。安心して使える、使いやすい製品を提供して、心の豊かさに貢献していきたい。この岡山工場は、当社の西日本を代表する拠点として、周辺からの変化を取り入れ大きく成長したいですね」と小池氏。充実の設備による効率化と変化への柔軟性を両立している日本クラウンコルク(株)は、今後も国内のキャップの発展を担っていくだろう。(2010年8月取材)

(左)工場全景。/(右)王冠をかたどった岡山工場の入口。
(左)工場全景。/(右)王冠をかたどった岡山工場の入口。

▼団地の詳細情報
新勝央中核工業団地

 

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