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太平洋工業株式会社 九州工場(小竹団地)

自動車産業が集積する北部九州で得られた、コスト削減+αの価値

平成4年のトヨタ自動車の進出をはじめ大手自動車メーカーが生産拠点を持ち、自動車産業が順調に集積しつつある北部九州。岐阜県に本社を持ち、自動車のプレス製品や樹脂製品を製造する1次サプライヤー、太平洋工業株式会社(以下、太平洋工業(株))が初の県外進出場所として選んだのが福岡県の小竹団地だった。平成18年12月の操業開始によって納入先の現地での生産が可能となり、それまでかかっていた岐阜県からの輸送コストを大幅に削減。現在は近隣の2次サプライヤーとも連携し生産を軌道に乗せながら、新たな取引先開拓も視野に入れ、さらなる発展を目指している。

本拠地で培ってきた強固な関係をもとに、満を持して北九州へ進出

太平洋工業(株)は昭和5年創業、自動車のタイヤ部分に使用するバルブコアやバッテリーケース、オイルパンなどのプレス部品を主体に製造する自動車部品メーカーである。以前より取引のあった大手自動車メーカーが九州工場を設立。その頃太平洋工業(株)は大垣市を中心に岐阜県内に5カ所の工場を有しており、部品を九州まで運び納入していた。「物流コストの削減を核とした原価低減を目指すには九州工場の設立が必要、という話は以前からありました。今回の進出にあたっては、近郊に立地した1次サプライヤー企業様へ訪問して話を聞き、参考にさせて頂きました」と語るのは、太平洋工業(株)第一事業部第三製造部部長、九州工場長の岡本勝雅氏。立地の条件は“メリットを生かした工場運営ができること”であったが「このエリアには既に多くの自動車関連企業が立地しており、製造業務に特化した工場の立地イメージもわきやすかった」とのこと。現在はこの九州工場で、九州に納入するプレス部品・樹脂製品のうち大半を製造している。

(左)岡本勝雅工場長。/(右)九州工場の外観。
(左)岡本勝雅工場長。/(右)九州工場の外観。

自動車産業の集積が進む小竹団地だからできた、新しい関係づくり

九州進出の最大のメリットは「何と言っても、お客様に近いということ」と岡本氏。これは製品の納入時間やコストのみではなく、取引先との関係づくりにも非常に重要だったという。「岐阜からではちょっとした打ち合わせにも1日がかり。今なら主要な取引先には車で20分の距離ですから、必要な時にいつでも伺うことができますし、より密に打ち合わせを進めることができます」とのこと。製造だけでなく常にお客様から様々な要望が入るため、距離の近さは柔軟で迅速な対応につながり、顧客との関係もより深められていることを実感しているという。
一方、距離の近さは製造面でのメリットも大きい。自動車部品の1次サプライヤーである太平洋工業(株)は通常、2次サプライヤーとなる協力メーカーと連携して製造業務を行うが「協力メーカーさんはすべて現地でのご縁です」と岡本氏。日本の自動車産業の中心地ともいえる中部地方とは異なり、自動車関連産業はこの地域にとってシステム自体が新しいものであるが「継続して取引をしていける、一緒に成長していけるメーカーさんと出会い、徐々にシステムにも慣れて頂いている。現在ではスムーズに生産業務を進めることができています」。自動車部品メーカーとしての歴史と実績を持つ太平洋工業(株)の進出が、地域の自動車産業の育成の後押しともなっているのだ。
人材においては、太平洋工業(株)では8割以上を現地採用したが、小竹町の周辺地域から車で30〜40分で通勤できる人材を確保でき、ストレスはなかったという。「筑豊地域の特徴で口調は強いですが、義理人情に厚く、温かでまじめな方が多い。中部地方から異動してきた我々も温かく受け入れてくれるフレンドリーな人柄が、この地域の人々の特徴です」とのことだ。

(左)生産量を十分に確保できる広さ。/(右)小竹団地の裏を流れる遠賀川。
(左)生産量を十分に確保できる広さ。/(右)小竹団地の裏を流れる遠賀川。

団地内での連携にも期待大。地域に根ざしながら営業面でも新展開を目指す

自動車産業の集積が進む北部九州。トヨタ自動車の他にも日産、ホンダ、ダイハツといった大手自動車メーカーが近隣に立地し、ここ小竹団地にも1次・2次サプライヤーの工場が集まってきている。「今後は営業活動にも注力したい。多数のメーカーが集積しているこの地域なら、取引先の新規開拓の可能性も十分にあります」と岡本氏は語る。
また団地に対しても、自社の生産効率の向上をさらに後押ししてくれる企業の進出に期待している。「当社での九州工場の位置づけは、九州を担う生産拠点として効率よく生産量を上げられる場所というもの。生産業務に特化しているため、保守や物流といった関連業務で連携できる企業が団地内に立地してくださると助かりますね」と岡本氏。金型、運送会社なども立地しているため、連携にも期待が持てる。
小竹団地は四季を通して気候が温暖で、雪に物流を阻まれることもない。のどかでのびのびとした環境のもと、太平洋工業(株)は地域の自動車産業を牽引する存在として、さらなる生産効率の向上と新たな関係の構築、発展を果たしていくことだろう。(2010年7月取材)

(左)自動車のホイールキャップ。/(右)自動車のエンジンカバー。
(左)自動車のホイールキャップ。/(右)自動車のエンジンカバー。

▼団地の詳細情報
小竹団地

 

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