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明和化学工業株式会社 岡山工場(新勝央中核工業団地)

鋳造をサポートする押湯保温剤の専門メーカーを伸ばす提案力

創業50年になる明和化学工業(株)は押湯保温剤の専門メーカーとして、全国の鋳造工場、製鋼工場に製品を提供。コストダウン、省エネ、公害対策に貢献する製品開発もさることながら、顧客に喜ばれる提案力で伸びてきた。2007年に新勝央中核工業団地に建設された岡山工場は海外への輸出増をめざす同社のメイン工場として期待されている。

省エネ、公害対策にすぐれた製品開発で成長

明和化学工業(株)(本社 大阪府大阪市)は1958年創立の押湯保温剤の専門メーカーである。鋳鉄、鋳鋼、非鉄金属鋳物に欠かせない各種押湯発熱・断熱保温剤のメーカーとして国内シェアの約60%を占める。
保温剤にはパウダー製品と成型製品とがあり、パウダーにはその用途により、ふりかけ用、造型用、パッド用や再溶解タイプの発熱剤、製鋼用造滓剤などがある。成型製品としてはスリーブやプレートがあり、主力商品であるスリーブには開放円筒型、開放楕円型、ドーム型、楕円ドーム型などがある。
「当社が保温剤を専門に扱うようになったのは1960年頃からです。当時の市場は米国からの輸入品が主でした。我々はそれを一生懸命真似をしてつくり、輸入品より安く販売していたわけです。しかし、真似をしているだけではどうしても限界があります。業績を伸ばし、大きく飛躍するためにはオリジナル製品を開発しなければならない。その意味で1976年から77年にかけて取り組んだ湿式スリーブの開発が大きな転機になりました。一年近く、朝から晩まで必死になって研究した成果でしたが、これがその後の当社の成長の弾みになった気がします。」
今ではよそから技術を真似され、追いかけられる立場になったと語るのは、福井雄亮取締役営業部長兼岡山工場長。その後もフッ素レスのスリーブなど、省エネ効果にすぐれ、公害対策も万全な製品の開発に成功している。

福井雄亮取締役営業部長兼岡山工場長(左)。 岡山工場正面風景(右)。
福井雄亮取締役営業部長兼岡山工場長(左)。 岡山工場正面風景(右)。

トップシェアのメーカーとしての責任を

同社の生産拠点としては大阪市に今津工場、千葉県野田市に関東工場があるが、2007年、岡山県勝田郡勝央町の新勝央中核工業団地(ネオ・パーク勝央)に新たに建設されたのが岡山工場である。敷地約3,800坪に立つ建坪約1,300坪の新工場は同社のメイン工場として位置付けられており、スリーブは現在、全体で月産55〜56万個だが、その60%が岡山工場でつくられている。
「今後の需要増に対応しようにも今津工場では拡充が難しく、新しい拠点が求められていました。また、リスク分散も重要な課題でした。当社で国内の6割のシェアを占めるわけですから、もし災害等で生産がストップした場合、その影響は計り知れません。顧客に多大な迷惑をかけることになります。当初は新潟への進出を計画していたのですが、急遽こちらへ変更することになりました。やはり本社とのアクセスを考えると、こちらの方が各段に便利です。もう一つは水の問題。大量の水を使うので、工業用水、下水設備が充実していた点は魅力でした。ただ、当工場では大阪の工場で使う水の約20分の1でまかなえるシステムにしたので、このメリットは活かされなくなりました(笑)。」
従業員は23名、全て現地採用である。大阪などに比べ人が集めやすく、優秀な人材が採用できたと福井工場長。最終的には60名程の体制に持っていきたいという。
物流面でも大阪まで2時間半でつなぐ。現在はすべて大阪を経由して全国に製品が送り出されているが、近い将来岡山工場から直に客先に出荷されるようになる。

包装・こん練工場棟(左)。スリーブ成型・乾燥・包装棟(右)。


顧客へのソフトの提供が差別化に

「当社が過当競争に打ち勝ってこれたのは、高品質の製品をつくってきたことや商品開発力もありますが、ものを売るだけの営業でなく顧客にソフトを提供してきたことが大きかったと思います。図面を見せてもらえば的確なアドバイスができるように営業マンを教育しました。そのために凝固解析、シミュレーション等に関する研修や勉強会も催し、鋳造技術に関してのレクチャーができるくらいに個々の能力を高めました。おかげで、技術的に困ったことがあったときに何度も明和化学に助けられたから、今後もずっとつきあっていきたいと仰ってくれる企業さんも数多くあります。つまり、社員の提案力が差別化につながったのではと思います。」
保温剤の主原料であるアルミニウムも昨今の原料価格の高騰と無縁でなく、倍近くにはねあがっている。そのまま価格に転嫁することも難しく、利益が圧縮されることが予想されるが、一層の生産性の向上をはかることでしのいでいきたいという。
「当社は51期、一度も赤字になったことはありません。そのつど早め早めに手を打ってきたことが功を奏しています。従業員の平均年齢は本社を入れても30歳そこそこで、競争力を高めるため常に若返りを図っています。」
海外への輸出を増やすことも今後の課題だ。現在でも中国や韓国、インドネシアなどへ輸出されているが、まだまだ伸びる余地があるという。(2008年11月取材)

夕方の工場全景。
夕方の工場全景。

▼団地の詳細情報
新勝央中核工業団地

 

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