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インパック株式会社 能登事業所(能登中核工業団地)

ホームユースフラワーの普及拡大をめざし、生花売場にハードとソフトを提供

生花の包装資材と花束加工機で圧倒的なシェアを誇るインパック(株)。“花のある生活シーンを通し、潤いのある幸せな環境をお客様と共に創り続ける”をモットーに、ホームユースフラワーの普及をめざしている。2008年に能登中核工業団地に能登事業所が進出。日本海に面した新しい本拠地から世界とつながる。

量販店で花が売られる時代を見越し

インパック(株)(本社 東京都東大和市)の前身、守重商店の創業は1936年。当初飴の製造販売を手がけていたが、製紙原料の回収業に転換、その後包装材料の問屋を始める。現在の生花包装資材や加工機械を扱う生花ビジネスに進出するのは1980年の中頃からである。
「大手生花販売チェーンからギフト用の花を配送するためのダンボール製作を依頼されたのがそもそものきっかけでした。1987年に社名もインパックに変更し、自動花束製造機の輸入・販売も始め、生花ビジネスに特化していきます。ちょうどバブルの頃で、五千円、一万円といった花束が法人用にどんどん売れていた時代です。しかし、私は内心、こんな状況は少し異常だと思っていました。花というものは個人がもっと気軽に買うものではないのかと。案の定、バブルははじけ、法人需要は一挙にしぼんでしまいました。」
生花ビジネスに対する考え方を根本から変える必要に迫られたと語るのは、守重知量代表取締役社長。
「その頃、尊敬する一橋大学の(現慶応大学教授)榊原清則先生より米国ではスーパーマーケットで大量に花を販売されており、日本でもまもなくそういう時代が来るはずで、今後新しい市場として期待できるのではないかとアドバイスを受けました。その後、農水省よりもっと花を安くして大量に生産・消費してもらおうという“カジュアルフラワー構想”が打ち出されていました。」

能登事業所の入口 。(左) 守重知量代表取締役社長(右)。
能登事業所の入口 。(左) 守重知量代表取締役社長(右)。

売場のディスプレイの提案にも積極的に

予想通り、日本のスーパーでも生花販売が始まる。同社ではスーパーなど量販店における供給体制をバックアップするため花を納める加工メーカーの開拓を図り、機械や資材の提供を事業の柱とした。スリーブ(花袋)など包装資材の製造・販売はもとより、花の先進国であり、世界中に花を輸出しているオランダから花束加工関連機械を輸入し、改造・販売を展開。現在、同社の国内におけるスリーブのシェアは5割を占め、中でもデザイン性にすぐれたデコレーションスリーブは販促効果を高めるのに役立っている。
また、加工センター等で使う大型のものから生花店でも導入できる小型のものまで各種取り揃えた花束加工機のシェアにいたっては9割に達する。
「スーパーなどで安く大量に売るためには、それまでの手作業による処理ではコストを下げることはできません。当社ではこれまでに加工機を延800台近く販売してきましたが、オランダの本社より売り上げた年もあります。当社の特徴は機械と包装資材の両方を供給している点です。運用にトラブルがあると機械のせいにしたり、資材のせいにしたりと互いに原因をなすりつけがちですが、どちらにも責任を持とうということなのです。」
安価なものに対応するだけでなく、花束の付加価値を高める加工機もある。『スパイラルブーケマシン』は熟練を要するスパイラルブーケが初心者にも作れるというものだ。
さらには生花売場のディスプレイの提案にも力を入れ、フラワーディスプレイスタンドなど什器類の開発も行っている。ホームユースフラワーの普及拡大をめざし、マーチャンダイジングにも積極的にかかわっていこうというのが同社の方針である。
その売場提案の質的向上を図るための実験店舗として、2007年に東京の南青山にオープンしたのが『ピーターラビットフラワーズ』。世界一有名なウサギ、ピーターラビットをキャラクターに使用した店で、お客のニーズを把握し、商品開発につなげようというものだ。同時に、同社のコンセプトを理解してもらうための場にもなっている。

大型から小型まで揃った、花束加工関連機械。
大型から小型まで揃った、花束加工関連機械。

“日本海側の時代”を先取りし、本社機能も移転

石川県羽咋郡志賀町にある能登中核工業団地で能登事業所が操業を開始したのは2008年1月。敷地約5,000坪、建坪約1200坪の事業所は、東大和市にあった東京工場並びに配送センターの機能を統合し、スリーブ製造工場、生花関連機器組立工場と物流センターを兼ねる。現在、従業員は27名。そのほとんどが地元からの採用である。
「今の本社は営業部門のみにして、本社機能もこちらへ移す予定です。こちらに本拠を構えることは15年前からの計画です。選択の理由としては、まず中国や韓国などアジアとの物流の拠点として金沢港が利用できること。欧州ともシベリア鉄道経由でつながるでしょう。また、オランダと関係が深い当社としては、小松空港からルクセンブルクへの直行貨物便があることも大きな魅力です。国内に関してはトラック便のアクセスがよく、何の問題もありません。採用に関しても、いい人材を集めることができる土地だと思います。」
現在、加工機はすべて輸入品だが、国内でのライセンス生産も始める予定で、中国や韓国への輸出も視野に入れている。
「創業から70年、当社はスクラップ&ビルドの連続でした。それまでの仕事ややり方に安住せず、常に会社の存在意義を求めてドラスティックに変化してきました。今後も“花”と“包装”の二つに軸足を置きつつ、世界に類例のない開発企業を目指します。」(2008年11月取材)

物流センター。
物流センター。

▼団地の詳細情報
能登中核工業団地

 

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