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トーホー工業株式会社 北海道工場(釧路白糠団地)

発泡スチロールの未来を開拓するリーディングカンパニー

容器や緩衝材など発泡スチロール成形品の製造で国内トップクラスのシェアを誇るトーホー工業(株)。強くて軽く、断熱性にすぐれといったさまざまな特性を活かし、新しい用途や新商品の開発にも積極的に取り組んでいる。北海道の拠点として釧路白糠団地に北海道工場が進出したのは1995年である。

北海道エリアの拠点として進出を

トーホー工業(株)(本社 大阪市)の設立は1957年。梱包用の木枠を作ったのが始まりで、その後、発泡スチロールを扱うようになる。発泡スチロール成形品の製造・販売、包装関連資材の販売を事業の柱に、全国5ブロックに12工場、36営業所を展開。北海道ブロックには北海道工場、網走工場、オホーツク工場の3工場が置かれている。
3工場の中で最も早く進出した北海道工場が白糠郡白糠町の釧路白糠団地で操業を開始したのは1995年からである。
「当初、会社としては九州方面への進出を計画していたのですが、競合企業が多そうだというので方針転換し、それならば北海道はどうかと(笑)。進出場所も他の団地をあたっていたのですが、どこも決め手がない。それがたまたま釧路にも行ってみるかということになり、当時の社長が飛行機からふと下を眺めたら釧路白糠工業団地があったのです。早速、調べてみろということになり、条件的にもいいということで即進出が決まりました。」
社長が飛行機から眺めなければ、当地にくることもなかったでしょうと語るのは小関秀人北海道工場長。土地の価格が安かったこと、釧路空港や国道に近いなどアクセス等の条件も満たしていた。最も重要な発泡スチロールの需要についても、漁港が近接し、”道東のさんま”に代表される魚箱需要に期待できたという。
敷地面積約9000坪に立つ建築面積約1,572坪の工場では、魚箱や野菜箱、土産箱などの輸送用容器が生産の多くを占める。網走、オホーツク工場ができる前は北海道全域へ供給していた。現在、従業員は約40名。
 

工場社屋を望む(左)。小関北海道工場工場長(右)。
工場社屋を望む(左)。小関北海道工場工場長(右)。

特性を活かしてさまざまな用途に利用

発泡スチロールは、原料であるポリスチレンを発泡機に入れ、攪拌しながら蒸気で過熱し、膨張させる。粒子を24時間熟成させた後、金型の中に充填し、蒸気により2次発泡と同時に粒子を融着させ成形品に。さらにラベルの貼り付け、印刷、部品の組み込み等の2次加工を施す。
「当工場でも金型だけで数百面を保管しています。魚箱などのロットは比較的大きいのですが、全体には多品種少量生産となります。昔に比べ機械化、自動化は進んではいますが、人手に頼る部分はいまだに大きい業界です。また温度や原料等のコンディションによって製品の精度が左右されるのですが、その辺のコントロールもいわゆる現場の勘に負う部分が大きいと思います」
北海道工場での扱いは少ないが、家電製品や精密機器の梱包に用いる緩衝材などはミリ単位の精度を求められる。
発泡スチロールは容器や緩衝材以外にもさまざまな用途に使われている。珍しいところでは地盤沈下を防ぐためのブロックやカット品をコアにした水に浮かぶ軽量コンクリートなど、土木工事現場でも活躍している。保温用の温水パイプを通す仕組みを設けた育苗用のケースは北海道工場がイチゴの生産者と共同開発したものである。
強くて軽く、緩衝性、断熱性にすぐれ、水をシャットアウトし、複雑な形にも対応できるといった特性を活かせばまだまだ幅広い分野での利用が可能だという。

生産ラインの様子。
生産ラインの様子。

省資源性にすぐれ、リサイクルの優等生

「発泡スチロールというと、腐らないでいつまでも残っており、エコとは対極のイメージがありますが、実は環境負荷の少ない素材です。発泡スチロール自体、その体積の98%が空気でできていて、石油製品であるビーズは残りのわずか2%。省資源性にすぐれた製品なのです。また、単独で完全燃焼すれば炭酸ガスと水になるだけで、ダイオキシンなどは発生しません。環境にやさしい素材といってもいいでしょう。」
マテリアルリサイクル、サーマルリサイクルをあわせたリサイクルの割合も高く、リサイクルの優等生でもある。同社は日本発泡スチロール再資源化協会(JEPSRA)の一員として、全国の工場を拠点にリサイクルの推進に取り組んでおり、ISO14000の認定取得やエネルギー循環型ボイラー等の導入にも積極的だ。
ニーズの拡がっている発泡スチロールであるが、石油価格の高騰によるダメージは小さくない。原料価格はもとより、ボイラー用の重油代や運送費にも影響を及ぼしている。
「コストダウンや効率化にも限界があり、たいへん厳しい状況ですが、新しい需要を掘り起こすことで乗り越えねばなりません。そのためにもお客様のニーズに応えるデザイン性にすぐれ、新しい機能を備えた製品を開発することが必要となります。」
抗菌剤入りの容器や水誘導の縦穴を施した容器など、顧客の声を活かしたアイデア製品の開発、さらには発泡新素材の研究にも取り組んでいる。(2008年6月取材)

納品を待つ多様なタイプの発砲スチロール。
納品を待つ多様なタイプの発砲スチロール。

▼団地の詳細情報
釧路白糠団地

 

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