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三友電子工業株式会社 江刺工場(江刺中核工業団地)

進化するエレクトロニクスを支える超微細ニッケルバリア製品を供給

コネクターを中心とした電子部品の貴金属めっきで業界をリードする三友電子工業(株)(本社 東京都目黒区)。1991年、江刺中核工業団地にフープ連続めっき専用の江刺工場を建設。世界的に需要が伸びているニッケルバリア製品を扱い、0.1ミリ単位で制御する最先端の技術が高く評価されている。

東北地方の販路拡大にもつながり

同社は1957年創業、東京都品川区でめっき生産を始める。1969年に株式会社に組織変更、1971年、本社及び工場を目黒区に新築移転する。1982年、群馬県館林市に館林工場を建設、1991年に岩手県奥州市の江刺中核工業団地に江刺工場を建設。生産拠点としては現在、目黒工場、館林工場、江刺工場の3箇所を持つ。江刺工場は1995年に第二工場、2006年に第三工場を増設。敷地面積11,492坪に床面積合計は3,832坪、従業員は現在258名、携帯電話やパソコン関連機器等のコネクターのフープ連続めっきの専用工場である。「館林工場がオーバーフロー状態でしたが、それ以上の能力アップができず、求人も困難でした。そこで新しい場所を探すということになったのですが、岩手県宮古市に大手取引先があった関係で当地を紹介されたわけです。現地を視察したところ、周辺の環境も良好だし、アクセスも問題ない。館林ではネックになっていた従業員の確保も容易であると判断しました。当時の市長の熱意あるお誘いも決め手になりましたね。」東北地方における販路の開拓と拡大もめざしたと語るのは大塚雄司取締役江刺工場長。進出後、新たなクライアントを多数獲得することができたという。顧客の近くで操業するメリットのほか、地震等、災害時のリスク分散にもつながった。「当工場では主に携帯電話やパソコン、薄型TV、自動車電装品などに使われるコネクターの接触部分への貴金属めっきを行っています。当社オリジナルのリールtoリールのフープラインを備え、月産約40億ピン、アイテム数では1,000近くになります。」

大塚取締役江刺工場長(左)。工場正門より社屋を望む(右)。
大塚取締役江刺工場長(左)。工場正門より社屋を望む(右)。

軽薄短小技術の追及と生産ノウハウの確立

同工場でもっとも得意とし、業績に大きく貢献しているのが『ニッケルバリア』製品だ。金めっきと半田部分が接触すると不具合が起きるので、その間にニッケルめっきのバリアを施すのだが、1ミリほどの製品上に0.1ミリ単位での付け分けを行い、0.1マイクロメートル単位で厚さの制御をするというきわめて高度な技術を要するものである。
「めっき需要全体が停滞している中で、ニッケルバリア製品の需要は今後もますます伸びていくと思われます。当工場でも前年度売上比が約2倍と、まさに急成長を遂げています。難易度の高い技術なので中国等の途上国の追い上げも簡単ではありません。ただ、対象製品の微細化は我々の予想以上のスピードで進んでおり、0.1ミリ単位が0.01ミリを要求されるのも時間の問題でしょう。」
軽量化、薄型化、小型化に対応する技術の開発と生産ノウハウの確立はエンドレスだと大塚工場長。
高精度化と同時に不良率は限りなくゼロを求められる。ラインには画像処理装置も組み込まれ、品質管理には最新の検査機器が用いられる。また、めっき用冶具の内製化も同工場の特徴であり、それによってオリジナルラインの構築が可能になっている。
「現在、世界の需要は月に約1,000億ピンですが、2011年までにそのうちの7%、70億ピンを当工場で生産しようという目標を掲げています。」
目標実現のための第四工場の増設計画も進行中だ。

生産ラインの様子。
生産ラインの様子。

水のリサイクルと“人財づくり”

鉛フリーを始めとする環境配慮型部品はもとより、工場としての環境への取り組みは多岐に渡る。1998年にはISO14001の認証も取得。とりわけ一日1,000トン近くも使用する水の水質管理には万全を期す。
「常に水資源が豊かな北上川を意識しながら環境負荷低減に取り組んできました。めっき工場は水のリサイクル工場といわれるくらいで、磁力の利用や逆浸透膜など先端技術を駆使した排水処理が行われています。」
膜を使って排水内の重金属を取り除くマイクロフローもその一つ。カビ発生の抑止効果がある紫外線処理やリサイクル水の処理分別も行われる。地下浸透を防ぐためにタンクは地上に設置。第一から第四工場までをカバーする巨大な総合排水設備は全国でも五指に入る能力を要する。
2011年までに売上高100億円/年を達成し、ニッケルバリア製品で世界から仕事が集まる工場にしたいという大塚工場長。そのための一番のポイントは“人財づくり”にあるという。
「生産設備も製造技術もお金で買うことができます。しかし、管理の技術はそうはいきません。管理の技術は人そのものだからです。高い目標をクリアするには、問題意識や当事者意識を持って働く人材ならぬ人財を育てることが何より大切と考えます。」(2008年3月取材)

巨大な排水処理施設(右)、リサイクル水の排水分別も行なっている。
巨大な排水処理施設(右)、リサイクル水の排水分別も行なっている。

▼団地の詳細情報
江刺中核工業団地

 

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