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滝沢ハム株式会社 西方工場「魁」(宇都宮西中核工業団地)

ヨーロッパの味を究めた技術力で新しい食の提案をかたちに

日本で初めて権威あるヨーロッパの食肉コンテストで金メダルを受賞し、その技術を世界に認められた滝沢ハム(株)。本場の味にこだわるものづくりを通じて、日本の食卓に多彩な商品を提供してきた。2007年には宇都宮西中核工業団地に、生ハムと総菜の専門工場、西方工場「魁(さきがけ)」を新設。

ゴールドメダルの常連として世界に知られ

同社は1918年、栃木市で食肉販売業を創業。その後食肉加工品の製造を始め、1950年に「株式会社瀧澤武商店」を設立。現在の商号である「滝沢ハム株式会社」になったのは1966年からである。本社を栃木市に置き、生産拠点としては泉川工場、仙台工場、仙南みらい工房ビッセン(仙南工場)、デリカ工場、西方工場「魁」を持つ。また北関東、東北エリアを中心に11の営業所と11の直売所がある。
食肉加工の本場であるヨーロッパでも認められた高い製造技術を誇る同社は、業界でも突出した存在になっている。その契機となったのが、1976年に日本の企業として初めて参加した国際食肉ハムオリンピックである。オランダのスラバクトで開催された伝統あるコンテストでいきなり金メダルを受賞。その後もヨーロッパの権威ある食肉加工コンテストにおいて同社の製品が数多くの金メダルを受賞し、世界に「TAKIZAWA」の名を知らしめることになる。
同社が世界に高く評価される技術を確立できたのは、本場ドイツの最高峰の指導を受けたことによる。味の伝道師とでもいうべきハイデルベルグの元食肉専門学校校長H.ティルマンス氏やオーベルマイスターのR.シェーファー氏らから第一級の技術を学ぶことで、本物の味作りのノウハウを受け継ぐことができたのだという。
ヨーロッパの伝統を踏まえ、ヨーロッパの味の追求を標榜する同社だが、同時に日本の食文化との融合を図ることで世界に通じる「ジャパニーズスタンダード」の確立もめざしている。ハムやソーセージにとどまらず、“こだわりと信念のもの造り”による商品開発を行い、大谷石の採掘跡の地下洞窟で熟成させた、本格的なイタリア式の『大谷の生ハム』や『前日光和牛』など個性的なラインナップを揃えている。

工場外観と妹尾工場長。
工場外観と妹尾工場長。

本格的な生ハムと総菜の工場として

上都賀郡西方町の宇都宮西中核工業団地に西方工場「魁」が新設されたのは2007年3月。敷地面積6,850坪に建つ1,530坪の工場は、同社で最も新しい工場である。ちなみに工場名の「魁」は“他に先んじる”、“さきがける”という意味を持ち、新しいことに取り組んでいくという思いを込めて付けられた。
「栃木市内にあった生ハム専門工場と総菜の専門工場が老朽化しており、手狭にもなったことから二つを統合させ、新工場を建設しました。生産品目としては生ハム、生ウインナー、総菜全般となっていますが、食肉の会社ですからハンバーグや焼き豚といった肉を用いた製品がメインになります。」
近年、生ハムと総菜の需要は大きく伸びていると妹尾路人工場長。
総菜ラインは焼き物、煮物のラインで構成され、肉の風味を落とさない鉄板焼きラインやジェットオーブン、シェフの味を追求しニーズに合わせた少量生産が可能なニーダーやレトルト装置、品質を保持したまま凍結できる誘電凍結装置などが備えられている。生ハムラインには本場ドイツ製の機械が採用された。
季節によって変動はあるが、全体で月産480トンの生産能力を持つ。従業員は約140人。
消費者が「あったらいいな」と思うような、新しい食の提案の具現化を工場としてのコンセプトに掲げている。

本場ドイツ製の機械が導入されている生ハムライン(右)。
本場ドイツ製の機械が導入されている生ハムライン(右)。

食の安全、安心を約束する体制を整え

「当工場では自動化もすすめていますが、手づくり的な部分も多く、それが本物のプロの味につながっています。たとえば焼き豚など、大型の寸胴鍋を使って作っているのですが、これが特にラーメン屋さんなど、味にこだわる方たちから支持されています。」
グレードの高いものを提供することで、競合する総菜分野での差別化を図っていくと妹尾工場長。原料価格の高騰など、厳しい状況の中で競争に勝っていくには本格的な味を生みだすことのできる経験豊かな技術者に負うところが大きいという。
「近年、食品業界への消費者の目が一層厳しくなりました。安全、安心への取組み姿勢をアピールできなくてはお客様の信用を得られない時代です。原材料の由来もより厳しくチェックされるようになりましたし、コンプライアンス教育も徹底しています。もちろん衛生管理には細心の注意を払っています。」
同社ではハムソーセージをメインで製造する工場で国際的な安全基準であるHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)を取得しているが、当工場においてもHACCPに準ずる形での衛生管理体制がとられている。
また、同社では環境問題への取組みにも熱心である。環境に配慮した排水処理施設はもとより、ソーラーパネルによる太陽熱利用やコージュネシステムの採用等により、環境への負荷軽減、省エネを積極的に推進している。(2008年1月取材)

国際的な安全基準の取得など徹底した衛生管理体制がとられている。
国際的な安全基準の取得など徹底した衛生管理体制がとられている。

▼団地の詳細情報
宇都宮西中核工業団地

 

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