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株式会社茶三代一(出雲長浜中核工業団地)

出雲大社献納茶からバラエティ豊かなお茶関連商品まで

茶道を奨励したことで知られる松平不昧公ゆかりの地、出雲で明治からお茶の製造・販売に携わる(株)茶三代一。出雲長浜中核工業団地に移転したのは1983年。製茶技術の高さと商品開発力で全国からの引き合いがある。“ゆとりある生活は一杯のお茶から”をモットーに緑茶ファンの拡大にも力を入れている。

進出第1号企業が全国ブランドに

(株)茶三代一が製茶販売業として出雲市今市町に創業したのが1911年(明治44年)。1953年に株式会社に組織変更、1983年に出雲長浜中核工業団地に本社・工場を移転する。移転に伴い、社名を(株)三代一男商店から(株)茶三代一に変更した。
「三代は正しくは“みしろ”なのですが、なかなかその通りに読んでいただけません。ご注文の電話でもほとんどのお客様が、“お茶のさんだい”さんですかとおっしゃいます。ならばいっそのこと社名も“ちゃさんだい”にしてしまおうと思いました。」
最後に一がついているのは三代で終わらないようにということ、と語るのは三代目社長の三代和鑑代表取締役。
「当地に進出したのは、市内に分散していた本社・工場や配送センター、倉庫などを1カ所に集約するためです。集約することで、人の管理や物の管理が効率よく運営できるようになりましたし、企業のイメージアップも図れ、知名度も格段に上がったと思います。」
社員の勤労意欲も向上し、新入社員のリクルートもしやすくなったという。ちなみに同社が出雲長浜中核工業団地の第1号の進出企業である。
敷地約6,600平方メートルに建築面積約1,800平方メートルの本社・工場が立つ。従業員は33名。
県内はもとより、静岡、京都、三重、福岡、佐賀、宮崎、鹿児島などから原料の荒茶を仕入れ、再製加工からブレンドを行い、袋詰めする。このブレンドに同社独自の技術がある。いろいろな産地のお茶の特性を引き出し、相乗効果を生むためには微妙なバランスが必要であり、それを熟練した職人の味覚が支えている。
特長ある製茶技術が高く評価され、県内外の量販店からの引き合いが多く、日本ユニシス情報システム(株)が毎月集計する全国のスーパー・コンビ二部門の日本茶売れ筋ランキングの上位に同社の製品が何点も顔を出す。金額シェアのトップにも何度も輝いている。消費者からの直接の注文も多く、現在では通信販売が売上げの4割を占めている。

本社工場と三代代表取締役。
本社工場と三代代表取締役。

JAS認証取得の有機栽培茶も

同社の特長に品揃えの豊富さがある。玉露、煎茶、抹茶、玄米茶やほうじ茶といったもの以外に、そば茶や麦茶、五穀茶、ウーロン茶など各種揃える。2001年に有機JASの認証取得した有機栽培茶もそのひとつ。化学農薬や化学肥料を一切使わない有機栽培でつくったお茶である。認証取得には厳しい品質管理と商品管理が求められる。
お茶関連商品もバラエティに富んでいる。なかでも好評を博したのが、“お茶屋が作ったシリーズ”だ。『抹茶しるこ』に『冷やし抹茶しるこ』、『抹茶オーレ』、『玉露粉末入しょうが湯』、『抹茶ごま』といったラインアップで、『抹茶ごま』はコンビニのおにぎりにも採用され、生産が追いつかないくらいの人気であった。
「似たようなものはよそにもあるかもしれませんが、当社の製品はお茶の品質が違う。いい材料を使っています。炊飯器で簡単に炊ける『抹茶おこわ』も評判がいいですね。こういった商品はお客様からの声や意見を参考にいろいろと改良を加えています。」
出雲大社献納の最高級煎茶から脱臭剤まで、お茶という切り口でさまざまな商品開発に挑戦している。

品揃えが多さが同社の特長。お茶関連商品も好評である。
品揃えが多さが同社の特長。お茶関連商品も好評である。

緑茶愛好者の拡大にも努め

ペットボトル飲料の台頭もあって、緑茶のリーフの消費は減少している。緑茶の愛好者の拡大を図り、消費を増やすために同社でもさまざまな試みをしている。日本茶インストラクターの資格をもつ社員による“出前講座”もそのひとつだ。イベントや学校などへ出張し、“お茶の淹れ方教室”やゲーム感覚で楽しむ“お茶飲みコンクール”などを開催、緑茶ファンの底辺拡大にも努めている。
「県が積極的に物産展や商談会を催してくれますが、今まであまりおつきあいのなかった食材屋さんやこだわりの量販店さんが興味を示してくれるのがお茶関連商品です。これがきっかけになって取引が始まることも多いのです。」
お茶関連商品から緑茶へ関心が向いてくれることをめざしている。また、リーフの輸出ができない中国、台湾からもお茶関連商品への引き合いがきているという。
“人と地球にやさしいお茶づくり”を環境方針の基本理念として掲げ、2001年にISO14001も取得。茶業界では全国で3件目の取得だ。茶袋等の環境対策素材への変更をはじめ、環境ボランティアにも積極的に取り組んでいる。
創業100周年を前に、新たなチャレンジも検討中である。(2007年9月取材)

工場内の作業風景。
工場内の作業風景。

▼団地の詳細情報
出雲長浜中核工業団地

 

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