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株式会社ノトアロイ(能登中核工業団地)

日本のものづくりの未来をリードする超硬合金の金型素材メーカー

超硬合金による自動車部品の鍛造金型用素材の製造で高いシェアを占める(株)ノトアロイ。能登中核工業団地で操業を開始したのは1985年である。耐摩耗性や耐衝撃性など高度な特性を持つ超硬合金の豊富なヴァリエーションを誇るとともに、品質、納期、コストでもユーザーのニーズに応える生産体制を確立している。

北陸の製造拠点としてスタート

(株)ノトアロイは兵庫県に本社を置くサンアロイ工業(株)の製造拠点として1984年に設立。1985年に石川県羽咋郡志賀町の能登中核工業団地に工場を建設、操業を開始する。
サンアロイ工業(株)は1963年に創設された山陽合金研究所がスタートであり、一貫して超硬合金の研究・製造販売を手がけてきた。ちなみに社名のアロイは合金のことである。
「当時、サンアロイ工業の本社工場の生産能力が限界になっていたのですが、拡張は難しく、どこか新しい生産拠点をということで全国をさがしました。候補地はいくつかあったのですが、最終的に当地を選択したのは異物混入にデリケートな粉末冶金工場の環境として適していたこと、手薄であった北陸地方の営業拠点の機能を持たせられること、そして町をはじめ地元からの熱心な誘致があったからだと聞いています。」
操業の翌年に赴任後、5年ほどで戻る予定がなぜかそのまま22年、すっかり能登の人間になってしまったと語るのは宗行伸一郎代表取締役社長。
「サンアロイ工業の“石川工場”としての位置づけでしたが、別法人としてスタートしました。現在では独自の新製品開発体制もとっていますし、営業的にも北陸3県に限定せず、全国展開を図っています。」
敷地は約15,000平方メートル、3期にわたって増設された工場の建築面積は約5,700平方メートル。ほとんどが地元採用の従業員は91名である。

工場外観。右は宗行代表取締役社長。
工場外観。右は宗行代表取締役社長。

自動車産業の好調さと連動して成長

超硬合金による鍛造金型素材の製造が同社のメインである。主に高精度、耐久性が要求される自動車部品用の金型に用いられ、同分野における超硬合金金型では高いシェアを占めている。
製造工程の概略を示すと、まずタングステンやコバルトなどの粉末材料を配合、混合し、圧粉成形。約700度の熱で予備焼結、成形工程を経て、収縮率の計算のもと加圧焼結炉で本焼結を行い、さらにアルゴンガスの圧力でミクロ単位の気孔をつぶすHIP装置を通し、製品検査へというプロセスである。
粉末材料の粒の大きさやそのブレンド方法等によって、さまざまな特性の材種が生み出される。耐磨耗、耐衝撃、超高圧耐磨耗、耐食耐磨耗、耐食高強度、耐食高靭性などといったすぐれた特性の材種が揃っており、金型の用途によって使い分けられるのである。
「当社は典型的な少量多品種で、100%受注生産です。一日に大体600から700件をこなしますが、1件あたりの平均は3.3個。1件1個も少なくありません。2,000から2,500個を製造するわけですが、納期の平均がわずかに3日と実に忙しい現場です(笑)。」
自動車産業の好調な歩みと連動して着実に業績を伸ばしてきたが、超硬合金金型の適用範囲は精密や半導体をはじめあらゆる製造分野に及んでおり、今後他分野からの受注増が期待されている。

工場内の作業風景。
工場内の作業風景。

新素材開発と高付加価値化をめざし

「タングステンやコバルトといったレアメタルの価格は急騰しており、3年前に比べ3〜5倍にもなっています。市場での国際競争は過熱しており、今後ますます原料の仕入れは厳しくなってくるでしょう。超硬の素材は金型ばかりではなく、切削工具など数多くの分野で使われています。原料確保のため、国全体として効果的な対策を立てていかなくてはならないのではと思います。」
また、そう遠くない将来の原料枯渇もにらんで、新素材の開発は急務だと宗行社長。脱タングステン、脱コバルトの新素材の開発や高機能合金の開発を県の試験場や大学の研究室などと共同で推進している。
「研究開発という点ではやりつくした感のあるタングステンやコバルトにかわる新素材開発と同時に、今後の方向として重要なのは高付加価値化だと考えています。対象を金型素材とは限定せず、蓄積された加工技術を活かしながら、より付加価値をつけた製品づくりをすすめていくつもりです。」(2007年8月取材)

さまざまな金型素材の生産をおこなっている。
さまざまな金型素材の生産をおこなっている。

▼団地の詳細情報
能登中核工業団地

 

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