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株式会社ヤマトテック(新庄中核工業団地)

高機能めっき加工技術で東北の電子部品産業を支える

電子部品や基盤のめっき加工など表面処理の専業メーカー、(株)ヤマトテック。新庄市の新庄中核工業団地に進出したのは1989年。顧客を満足させる高い加工技術と環境保全活動で東北の表面処理業界をリードする会社に成長した。積極的な設備投資と技術開発をてこにさらなる事業拡大を図る。

ユーザーからの要請に応え東北に進出

同社は長野県の諏訪郡下諏訪町に本社を置く大和電機工業(株)(1944年創業)の子会社として1989年に創立。金属表面処理、FA(Factory Automation)省力化機器総合メーカーである大和電機工業の東北地域の生産拠点である。
「当時、親会社の大和電機工業の松本と諏訪事業所で東北地域の大手企業の電子部品の表面処理加工を手がけ、供給していました。ところが、主要ユーザーの生産拡大に伴って、納期などの関係で現地生産の要請が強まってきました。このため、東北進出が緊急課題となったのです。」
東北地域での現地生産に乗り出すきっかけを語るのは塩沢正喜代表取締役専務工場長。方針が決まるやただちに候補地の選定に入り、ユーザーである企業とのアクセスやインフラ、用地の価格、助成制度、優秀な人材が確保できるか等々、諸条件を勘案した結果、新庄中核工業団地に進出を決めた。
「東北には半導体メーカーが多く立地していました。これらユーザー企業との距離が近く、アクセスが便利なことが一番の決め手です。納期が短縮されますし、物流コストも安くつきます。また、周辺には山形大学や鶴岡高専もあり、優秀な人材が集めやすいというのも魅力でした。」
1989年に約17,000平方メートルの用地を取得し、第一管理棟、第一工場、第一環境棟を建設、同年秋に操業を開始する。その後、第二管理棟、第二工場、第二環境棟、プレス工場、倉庫を順次増設。積極的な設備投資を展開し、累計の投資額は30億円を超えるという。

社屋外観、左は塩沢代表取締役。
社屋外観、左は塩沢代表取締役。

品質と環境を支えるシステムを確立

同社のハイクオリティな生産システムと高い加工技術は、親会社から受け継いだものである。先進的な分析検査機器や高品質かつ少量多品種生産を可能にする自社開発の装置等により、ハイレベルな生産・検査体制が構築されている。めっき工程の高付加価値化の推進にも意欲的だ。高機能めっき技術、微細めっき技術や複合技術など、その裾野は広い。
また、めっき加工という業種柄、環境に負荷を与えぬようさまざまな配慮がされている。塩素系有機溶剤の撤廃や鉛フリーめっきの推進等はもとより、特に排水管理には万全の体制をとっている。“水クローズドシステム”の導入もそのひとつである。めっき工程で使った水は『RO膜リサイクル装置』の精密ろ過膜を透し、再生される。さらにその再生水をイオン交換樹脂純水装置によって純水に精製し、めっき工程へフィードバックするというものだ。
「トップの方針もあり、売上高の5%を投入するなど環境対策には最大限の努力をしています」と塩沢専務。
2000年には東北地方のめっき工場として、いち早くISO14000の認証を取得した。安全衛生面でも山形県の優良事業所表彰を何度も受けている。

身近な製品に使われている同社の製品。
身近な製品に使われている同社の製品。

加工領域の拡大と新技術の開発も

順調に業績を伸ばしてきた同社だが、一部半導体メーカーの市場からの撤退やIT不況の影響を被り、2001年から2003年頃にかけては一時業績が低迷したこともあった。しかし、積極的な設備投資や営業活動の強化によって受注の拡大、さらには新規顧客の開拓に成功し、厳しい時期を乗り越えることができたという。2004年以降は業績も回復、中でも部分貴金属鍍金が牽引車となり好調を維持している。
2006年には新たに13,454平方メートルの用地を取得した。
「駐車場のほか、管理棟や技術研究棟などのための用地として確保しました。近い将来の事業拡大を見越しての準備です。」
今後の事業展開の柱としては専業メーカーとしてより技術を高めるとともに、めっき工程に限定せず、関連工程への領域拡大もめざしている。
「めっき工程の前工程であるプレス加工や後工程の組立てなど、加工領域の拡大を図っていくつもりです。またユーザーと共同で先進的な加工法の開発にも取り組みたいと考えています。さらには加工後の表面分析などの技術も習得し、事業化することも視野に入れています。」(2006年12月取材)

工場内の生産風景。
工場内の生産風景。

▼団地の詳細情報
新庄中核工業団地

 

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