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日進工具株式会社 仙台工場(仙台北部中核工業団地)

ミクロの技術を追求する超硬小径エンドミルのリーディングカンパニー

金型製造用の超硬小径エンドミルでトップクラスのシェアを誇る日進工具(株)。柔軟な発想力と技術開発力から生まれたエンドミルは市場で高い評価を得ている。仙台北部中核工業団地に生産・開発部門を集約したのは1993年。隣接する開発センターでは、未来の技術を“切り拓く”マイクロエンドミルも。

金型製造に欠かせないエンドミル一筋に

「鉛筆削り器の刃をつくる町工場からのスタートでした。金属加工のための切削工具の製造を始め、その中でも金型製造に用いる超硬ソリッドエンドミルに、そして超硬エンドミルでも直径6mm以下のものに特化して事業を展開してきました。」
同社の前身である日進工具製作所が東京都品川区に創業したのが1954年。以来、今日まで切削工具の製造・販売一筋でやってきたと語るのは後藤勇代表取締役社長。
「家電製品、自動車、事務用品、台所用品や日用雑貨にいたるまで、身の回りのありとあらゆるものに金属部品やプラスチック部品が使われていますが、これらの成形加工には金型が用いられます。金属やプラスチックだけではありません。ガラスやゴムもそうです。まさに金型なしではモノづくりは立ち行かないわけですが、その金型を削るのがエンドミルです。金型に使う金属は硬く、非常に高精度の切削加工技術が要求されます。」
特に携帯電話やパソコンなどのハイテク関連機器の製造では扱う部品も微細なものになり、金型も小さく高性能のものが必要となる。そうした金型を高精度加工するために超硬小径エンドミルが欠かせない。
「切れ味がよく、加工効率がよく、寿命の長い高品質なエンドミルづくりの開発を続けてきました。ユーザーのニーズは変わり、多様化していきます。要求の水準もますます高くなっています。そういったニーズを的確につかみながら、素材の選定から成形、研削、検査の各工程での研究、改善を繰り返してきました。どんな金型づくりにも対応できるラインナップを用意しています。」
ちなみに直径6mm以下の超硬エンドミルの同社のシェアは約25%。海外市場でも高い評価を得ている。

後藤代表取締役と仙台工場の入口。
後藤代表取締役と仙台工場の入口。

4工場を集約し仙台に生産・開発拠点を

仙台北部中核工業団地に敷地約3,600坪を購入し、仙台工場を立ち上げたのは1993年である。品川区や神奈川県藤沢市など4カ所に分散していた工場の集約化をめざした。
「第3期工事が完成し、生産部門及び開発部門の集約化が完了するまでに5年もかかってしまいました。実は藤沢工場が火災にあって、さらにバブル崩壊の追いうちがあったために少々足踏みしてしまったのです。よそからは順風満帆に成長してきたように見られていますが、この頃は会社にとって大きな試練の時期でした。しかし、それを乗り切ったことで企業体質も格段に強化されたと思います。」
2001年に隣地の約1,500坪に開発センターも開設。「4工場を集約するにあたって、いろいろな場所をあたってみましたが、価格面や広さでなかなかぴったりのところがない。段々北上して仙台に行きつきました。扱うものが小さいので本社との距離も問題ないし、先に有名な企業も進出していたのでここなら大丈夫だろうと(笑)。仙台が出身地であるとか、特別なつながりがあるわけではありません。その分しがらみもないわけで、その方が新天地としてふさわしいと考えたのです。」

様々な金型づくりにも対応可能なラインナップが用意されている。
様々な金型づくりにも対応可能なラインナップが用意されている。

100分の1mmの超微細加工を可能に

小径の超硬エンドミルの製造技術で先頭を走る同社だが、さらにその先を視野に入れている。100分の1mm単位の超微細加工を可能にするマイクロエンドミルである。
「当社で開発した超微細加工用エンドミルマイクロエッジは髪の毛に穴を開けたり、溝を刻むこともできます。顕微鏡でしか確認できないミクロの世界の工具です。発注さえあれば量産体制に入れるのですが、残念なことにまだ需要がありません。ユーザーの方でそんな超微細加工ができるエンドミルを想定していなかったから、まだ具体的な使い途がないのです。しかし、すでに多くの企業の研究部門の人たちが興味を示しています。企業ノウハウですから内容はあかしてくれませんが、そんなすごいエンドミルがあるのなら、あんなこともできる、こんなこともできると。つまり、彼らの頭の中のアイデアを実現してくれる工具ができたというわけです。」
需要が出てきたときにはもう出遅れているのであり、一歩先を行くためには需要をつくりだすことが必要と後藤社長。バイオ関連や医療用のマイクロマシンなど、最先端分野での利用も期待されている。
「当社のような規模の会社ではオンリーワンをめざすこと、世界のどこにも負けない強みを持つこと、先駆けになることが必要だと思います。競争相手は国内だけでなく、途上国の追い上げもあります。いかに経営資源と人材を集中させ、未来に花開く種をまくかということだと思います。」(2007年5月取材)

(左)超微細加工を可能にするマイクロエンドミル。(右)髪の毛への加工例。

▼団地の詳細情報
第一仙台北部中核工業団地

 

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