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シチズン夕張株式会社(清水沢団地)

精密加工技術の世界一レベルを実現し、“小さくとも一流”をめざす

シチズングループにあって、時計部品の精密加工を行うシチズン夕張(株)。いまや地方の財政再建のシンボル的存在の夕張市にある清水沢団地で操業を開始したのは1985年。高い加工技術と集約化で業績を伸ばしてきた。“QCDに裏づけされた元気のあるカンパニー”は、地元も元気になるよう応援をしている。

22年前に狭山から夕張に

シチズン時計グループの狭山精密工業(株)(埼玉県狭山市)が新しい製造拠点として北海道夕張市への進出を決め、夕張精密(2005年にシチズン夕張(株)に社名変更)を設立したのが1984年。翌年には第1工場の操業を開始する。
「経営の多角化をすすめるために用地を探していたのですが、当時はまだバブルの真っ只中で、首都圏で条件のあった土地を取得するのは困難でした。そんなときに夕張市からのお誘いがあったのです。確かに、関東に比べて格段に地価は安いのですが、何といっても北海道は遠い。また、十分な労働力を確保できるかという心配もありましたが、気候や立地条件が精密機械加工に適していることなどから進出を決めました。」
夕張市の推奨する清水沢団地は新千歳空港まで約55km、車で1時間、札幌市までも1時間半程度であり、道東自動車道のインターまでは約6kmと交通アクセスのよさも評価されたと高久正敏代表取締役常務。
当時の夕張市の企業誘致にかける情熱は並々ならぬものがあったというのは馬場美佐男総務部部長。
「市の職員が一緒になって従業員集めまでやってくれたのです。夕張市には本当にお世話になりました。当社が今日あるのは市の支援のおかげといってもいい。」
現在の従業員約200名のうち6割が市内在住者。人口流出により若年労働者の確保が厳しくなっており、募集範囲の拡大を余儀なくされているが、再建をめざす夕張市にどのような貢献ができるか考えているという。

高久代表取締役常務と社屋外観。
高久代表取締役常務と社屋外観。

非時計分野にも事業を拡大

同社のメイン事業は時計部品の加工であり、自動旋盤加工、歯割り加工、サブ組立加工、熱処理・表面処理等のラインを持つ。売上高は2006年度が約23億円。96%が時計部品事業であるが、生産量自体はここ数年伸び悩み傾向にあり、そのため加工範囲の拡大や高付加価値化に取り組んできた。
「つまり部品単品でなく、加工の集約化により付加価値を高め、売上高・利益を増やしていこうということです。歯車部品の前工程から後工程までを一貫して加工する工場の指定も受けました。」
サブ組立加工、中心穴抜加工、ポリシング加工などで加工集約度を高めるのと同時に、加工技術の精度をさらに高めることで利益の確保を図っていく方針だという。
現在、まだ売上高の4%にすぎない非時計分野の事業を拡大し、第2の柱に育て上げることも今後の大きな課題になると高久常務。
「時計事業で培った精密加工技術は他のさまざまな分野でも活用できます。非時計事業も積極的に拡大していく方針で、今後そのための設備投資や人材育成、技術開発が欠かせません。また、非時計事業の推進によって得られた技術やアイデアは、時計事業の製品開発にもフィードバックすることができるのではと期待しています。」

同社の精密加工部品。ガンギ歯車(左)、合わせ筒車(右)。
同社の精密加工部品。ガンギ歯車(左)、合わせ筒車(右)。

世界一の精密加工技術を目標に

約3万4300平方メートルの敷地に1985年に第1工場が建設された後、1988年に第2工場、1990年には第3工場、さらに事務棟の建設や増築が立て続けに行われてきたが、もはや満杯状態にあるという。
「現在のスペースでは、今後の生産拡大や新規事業に対応することはできません。それで2005年に隣接地に約1万4000平方メートルの土地を確保し、準備を整えました。」
立ち上げから現在までの総投資額は20億円を超える。
“小さくとも一流をめざす”を経営理念に据え、自動盤、歯割盤などの精密加工技術で世界一になることを目標として掲げている。
「今後とも、時計事業を基本に、お客様への約束であるQCD(品質、コスト、数量・納期)をしっかりふまえた、元気のあるカンパニーの構築をめざしてやっていくつもりです」と高久常務。
緑豊かな美しい自然に囲まれた同社では、“働く人の成長を大切に、環境にやさしい企業活動”もめざす。2006年には環境ISOの14001も取得、省資源、省エネ、リサイクル等にも積極的に取り組んでいる。(2006年12月取材)

工場内部の作業風景。
工場内部の作業風景。

▼団地の詳細情報
清水沢団地

 

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