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三重県森林組合連合会 三重の木 利用拡大センター(津オフィス・アルカディア)

住みやすい家づくりをサポートする“三重の木”のデパート

環境にやさしく、健康にもよい木の住宅への関心は高い。しかし、いざ建てるとなると業者任せ。コストのこともあり、相変わらず外国産が幅をきかせている。三重県森林組合連合会では良質な県産材をPRし、販売促進を図るための拠点として『三重の木 利用拡大センター』を津オフィス・アルカディアにオープンした。

県産材のよさが理解されていない現状を

「三重県に限らず、国内産は外国産におされ、たいへん厳しい状況にあります。木材が売れなければ山林経営も難しくなり、ひいては日本の林業も立ち行かなくなるわけです。ヒノキの素材生産量全国第3位、スギ15位(平成17年)と林業が盛んな三重県でさえ、木材需要量の約半分が外国産、もしくは県外産というのが現状です。」
林業復興のためにも木材需要の喚起と地元の木材のよさを消費者に理解してもらうことが重要と、『三重の木 利用拡大センター』の江藤次男所長は語る。
「木造住宅の利点、木を使うことのメリットはたくさんあります。木は生きていますから湿度調整をしてくれるし、ダニも抑え、音を吸収する。木は燃えやすいと思われがちですが、意外と耐火性にも優れ、有毒ガスを出しません。しっかり作られた木造住宅は耐震性もあります。また、アトピーやぜんそく、化学物質過敏症などで苦しんでいる人たちに快適な環境を提供します。」
現在、日本での木材需要の8割を外国産が占める。輸入先での乱伐はもとより、輸送にかかるエネルギー等を勘案すると、地球温暖化につながる二酸化炭素排出量が問題とされる時代にあって、木材自給率を高めていかねばならない。しかもその外国産も中国等の急激な経済成長の影響を被り、徐々にコストが高くなっているという。
「国産のスギ、ヒノキでも、その土地々によって特性は異なります。暖かい地方の木材は成長が早く、年輪が粗くなり弱く、また寒い地方の木材は年輪が込んでいて強度があります。しかし、多雪の地方では雪害を受けるので苗木の間隔を広く植林します。そのため、元株が太く竹の子のような木が育ち、製材したときに、美しい木目は出ません。三重県では雪が少なく、昔から密植を行い、苗木同士を競争させ成長を促し、木と木が接触し手狭になったら間伐し、間伐を繰り返すことにより、年輪の込んだ良質材を生産してきました。特にヒノキは枝打ちを手がけ「無節材」を住宅に提供してきましたが、近年住宅に和室をつくらなくなったせいで、その長所を認めてもらえなくなったのです。」

センターのエントランスと江藤所長。
センターのエントランスと江藤所長。

木材選びから家づくりの支援まで

こうした状況を変えるため、県産材のよさを消費者や建築業者に知らせる広報機関として、また販売促進の拠点として2006年2月、津市の津オフィス・アルカディアに開設されたのが同センターである。
敷地約2000平方メートルに事務棟と倉庫棟があり、倉庫棟には県産のスギ、ヒノキの構造材や内装材が各種展示され、購入や相談ができるようになっている。大工さんや工務店のための施設はあるが、一般の消費者まで対象にしたところは例がないという。
「多くの人にとってマイホームは一生でもっとも高い買い物です。なのに、その高価な住宅にどんな木が使われているかには案外無関心で、ほとんどの人が業者任せです。満足のいく家づくり、賢い家づくりのためには、もっと素材にこだわってほしい。素材選びから家づくりに参加してほしいのです。」
そのためにもセンターで実際に木を見て、ふれてほしいと江藤所長。ここでは一本一本の木材に産地や製造業者、価格も表示されており、安心して、納得いくまで木材選びをすることができる。また、家を建てたい人へのサポートとして、建築設計相談、設計事務所や工務店の仲介等を行う『木ごころシステム』も用意されている。

どんな木材なのかが、素人にもわかりやすく表示されている。
どんな木材なのかが、素人にもわかりやすく表示されている。

気軽に相談できる受け皿として

「三重県が、三重の木の認証材を使うことを条件にした『三重の木と暮らす住まいづくり支援事業』を始めたところ、予想を超える申し込みがありました。その人たちへのアンケートからわかったことは、木造住宅のよさは十分理解しているし、地元の木材を使うことへの関心も結構高いということです。しかし、今までは気軽に相談する先が、また情報を得る先がなかったといいます。ですから、その受け皿を当センターが果たしていければと思います。」
今年10月には同地で『三重の木フェスティバル2006』を開催。認証材の展示販売、地元建築士の無料木造住宅相談や三重の木(ヒノキ柱)のプレゼント、木に親しんでもらうための親子木工教室等が催され、200名以上の参加があった。今後、こうしたイベントも積極的に開催していく予定とのこと。
「センターの場所として当地を選んだのは、県庁所在地であったこと、適当な広さを確保できたこともありますが、何よりもアクセスのよさです。高速道路のインターに近く、人口の多い四日市、鈴鹿、亀山方面と結ぶ中勢バイパスとの連絡がよかったことが一番の決め手です。これからはホームページ等も充実させ、より多くの人たちにセンターの存在を知っていただき、休日に若い家族連れが相談におしかけるような状態にもっていきたいですね。」(2006年11月取材)

広々とした倉庫棟の内部で、じっくりと三重の木に触れることができる。
広々とした倉庫棟の内部で、じっくりと三重の木に触れることができる。

▼団地の詳細情報
津オフィス・アルカディア

 

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