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東京エレクトロン東北株式会社(江刺中核工業団地)

半導体産業を支える熱処理成膜装置のトップメーカー

シリコンウェーハ上の薄膜形成に不可欠な熱処理成膜装置のメーカーとして知られる東京エレクトロン東北(株)。縦型装置のビジネスでは、60%近い世界シェアを誇る。同社が江刺市(現奥州市)の江刺中核工業団地に進出したのは1985年。以来、培われた高い技術で業界の技術革新をリードする。

東北地域の拠点としてスタート

東京エレクトロン東北(株)の始まりは、1968年に米国のサームコ社と東京エレクトロン(株)の合弁会社、テル・サームコ(株)の設立に遡る。1985年、江刺中核工業団地に東京エレクトロン(株)東北事業所として設立された。その後、テル東北エレクトロニクス(株)、テル東北(株)を経て、東京エレクトロン東北(株)に社名変更したのが1990年。2004年にはグループ企業である東京エレクトロンAT(株)と合併するが、2006年4月に再び分社された。「1985年に東北地域の拠点として当地に進出しました。設立当初はノックダウン方式の組立てから始まりましたが、相模事業所での生産能力が限界に近づき、生産スペースも確保できなくなってきたことから、1989年以降、こちらでも本格的に縦型装置の生産が始まりました。東北地域には、お客様である半導体デバイス関連企業が数多くあったこと、また天災等に備えて機能を一箇所に集中させないリスク分散の意味合いもありました。2004年に東京エレクトロンATと合併しましたが、2006年4月に再度分社独立し、こちらに本社機能を置く運びとなりました。」東京エレクトロン東北(株)にとって、今年は新たなスタートの年でもあると語るのは、北山博文代表取締役社長。同社は江刺本社の他、山梨県韮崎市に開発拠点である山梨事業所を持つ。

北山代表取締役社長と社屋。
北山代表取締役社長と社屋。

革新的な技術で市場をリード

半導体製造工程には、シリコンウェーハ上に回路を形成する前工程と、検査・組立て・パッケージングを行う後工程があるが、同社で開発・製造されている縦型装置は、主に前工程の薄膜形成を行う熱処理成膜装置(Thermal Processing System)である。ちなみに酸化膜形成においては、熱処理成膜装置にウェーハを入れ、設定された温度にしてから酸素ガスを流すと、シリコン(Si)と酸素(O2)が結びつき、ウェーハ表面に酸化膜(SiO2)が形成される。「当社の縦型装置における技術の特長としては、25〜150枚のウェーハを一括処理できること、摂氏400〜1100度の温度域をプラスマイナス1度の精度でコントロールできることなどが挙げられます。温度、圧力、ガスや液体といった原料供給の制御技術に関しても優れているという自負を持っています。また、主に人体から出るNaやCa等のアルカリ金属、空中を浮遊するアルミや有機物といったゴミや異物が、絶縁膜へ混入することのないようクリーンにコントロールする技術、クリーン化技術も当社の強みの1つです。」縦型装置では同社製品が世界シェアの60%近くに達しているが、このマーケットシェアには、決して満足はしていないと北山社長。また、同社の新製品であるプラズマ源を搭載したプラズマアシスト型バッチCVDシステムは、45nm以降の成膜技術として業界で大きな期待を持たれている製品である。かつては4年サイクルで大幅な上下動を繰り返すと言われていた半導体の需要だが、現在では中国、ロシア、インドといった新興市場の成長などもあって堅調な伸びを示している。携帯電話や車への搭載量が増えるのと同時に、製品の機能が高まり、ハイエンド化していることも半導体需要に拍車を駆けている。「半導体チップの値段は下がっていますが、生産量自体は大きく伸びており、その結果、全体の売上げとしては横這いというのが現状です。そういった環境下では、益々生産性を上げて、歩留まりを高めることができる技術、より信頼性の高い製造装置が求められるわけです。一方、新材料への対応も必要となり、そうした中でのコストパフォーマンス向上を探っていくことが、経営戦略のポイントになります。」

世界トップレベルの技術を集結し、信頼性の高い製品が生産されている。
世界トップレベルの技術を集結し、信頼性の高い製品が生産されている。

進出して二十年、さらなる発展をめざし

同社が江刺中核工業団地へ進出して、既に二十年が経つ。客先への近さ、土地価格や優遇税制措置、行政の支援、新幹線や高速道路などへのアクセスの良さ、人材確保のしやすさに加え、環境の良さが、進出地を選択する上での大きな決め手になったそうである。 “環境にやさしい企業”は、同社のめざすところでもある。1998年にはISO14001の認証を取得。半導体製造装置の省エネルギー化、省スペース化はもとより、廃棄物の削減やリサイクル率の向上、省エネ/省資源の推進、化学物質の適正管理等、環境に配慮した施策が展開されている。現在、敷地約8万平方メートルに建屋の総延床面積は約3万平方メートル。従業員580名の多くは地元の採用である。「現在の敷地とは別に、当地に5万平方メートル以上を確保してあります。今後の業界動向を的確に捉えながら、さらにパワーアップしていくことも視野に入れています。」 (2006年6月取材)

緑に囲まれた江刺中核団地の環境。
緑に囲まれた江刺中核団地の環境。

▼団地の詳細情報
江刺中核工業団地

 

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