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大分県産業科学技術センター(大分インテリジェントタウン)

技術立県大分のものづくり現場を支える“開かれた”支援機関

大分市にある大分インテリジェントタウンの中核施設、大分県産業科学技術センターは、県内中小企業を技術面で支援する公的機関である。“あなたの会社の研究室”を標榜する開かれたセンターは、企業進出が盛んな北部九州にあって中小企業の技術向上、研究開発にきめ細かいサポート活動を展開している。

大分インテリジェントタウンのシンボル

大分県産業科学技術センターは平成6年、大分県工業試験場、別府産業工芸試験所、日田産業工芸試験所が統合され発足。大分インテリジェントタウン内の約1万9700坪の広大な敷地に建つ近未来的なデザインの庁舎は延床面積約4300坪に及ぶ。平成17年から、企画管理部、技術支援部、情報産業部、生産技術部、材料科学部、食品産業部、日田産業工芸試験所の6部1所制に編成され、現在に至る。「当センターは一言でいえば、県内の中小企業を技術的な側面から支援する機関です。中小企業の支援ということでは、財団法人大分県産業創造機構がありますが、こちらが経営、情報、流通面等にかかわるのに対し、我々は技術面でのバックアップをします。研究開発、技術支援、技術振興の3つを柱に据え、技術の移転、導入に関する相談、ハイレベルな測定機器を使ってのサンプル試験のお手伝い、商品化のためのデザインのアドバイス等々、業務は多岐にわたります。大分大学など研究機関との産学交流のつなぎ役でもあります。産業創造機構とも密な連携をとりながら、中小企業、地場産業の振興という県の施策を実現するのが我々の役目です。」中小企業の技術の拠りどころであり、技術と情報の発信基地であると語る石井格センター長以下、六十余名の職員を擁する“開かれた”センターは、大分インテリジェントタウンのシンボル、牽引車的な存在でもある。

大きなドームが目を引く外観と石井センター長。
大きなドームが目を引く外観と石井センター長。

特許情報の窓口やインキュベート施設も

各セクションの担当業務として、情報産業部はネットワークやソフトウェアなどIT系の技術、電子技術、産業デザインなどを扱い、生産技術部は主に機械加工、電子技術に関する技術についての支援、材料科学部では化学分析や試験、地域資源利用に関する研究を行う。醸造技術や食品加工、衛生管理等の技術指導をするのは食品産業部。企画管理部は研究の方向性や計画の枠組みの検討、研究環境の維持整備等の政策的業務を担当し、技術支援部は中小企業の相談窓口である。日田市にある日田産業工芸試験所では地域資源である杉材を活用した商品開発・研究を行っている。また、別府市には関連施設である大分県竹工芸・訓練支援センターがある。「当センターは特許庁から『知的所有権センター』としての認定も受けています。全国的なネットワークを持つ特許流通アドバイザーを置き、県内企業で自社の特許技術を売り込みたい、あるいは関連する特許技術を導入したいなどといった特許情報についての相談に応えています。また、センターには産業活性化のためのインキュベート施設、『ものづくりプラザ』も整備されています。」『ものづくりプラザ』はベンチャー企業やセンターとの共同研究を行う中小企業が対象で、ベンチャー企業に関しては施設利用料が免除される。期限は3年間、現在5部屋が使用されている。入居者に対して経営面、技術面でのサポートが行われることはいうまでもない。

幅広いジャンルの技術支援を行う。右は特産品の竹で作られた車椅子。
幅広いジャンルの技術支援を行う。右は特産品の竹で作られた車椅子。

企業進出によるビジネスチャンスを活かす

「大分県を始め、北部九州に自動車や半導体、OA関連の企業誘致や事業の拡張が進んでいます。中国や東南アジア市場を睨んだときに有利な位置にあること、関東・中京圏に比べて雇用が確保しやすいことなどがその要因になっているようですが、企業進出の経済効果を地場の中小企業に波及させるためには技術面での底上げ、レベルアップは欠かせません。特に自動車産業などは技術面だけでなく、コスト、納期等においても要求水準は高く、参入はなかなか難しいのですが、そこを乗り越えてほしいと思います。自動車産業に参入できる技術レベルを獲得することで、どこでも通用する企業になれるのです。」自動車産業では『大分県自動車関連企業会』、半導体分野では『LSIクラスター形成推進会議』といった関連する企業が集まっての技術向上への取り組みが始まっており、センターでも支援を行っているが、各社の技術的な強みを伸ばし、弱点や不足をどう補うかがアドバイスのポイントになるのだそうだ。県の中小企業にはこの大きなビジネスチャンスに積極的に挑戦してもらいたいと、石井センター長は語る。 ※4月1日より、内部組織が変更され、企画管理担当、技術支援担当、電子・情報担当、産業デザイン担当、機械・金属担当、工業化学担当、地域資源担当、食品産業担当、日田産業工芸試験所の8担当1所体制となる。(2006年3月取材)

企業からの依頼試験や分析などを実施する環境も整えられている。
企業からの依頼試験や分析などを実施する環境も整えられている。

▼団地の詳細情報
大分インテリジェント・タウン

 

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