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株式会社やまや(仙台北部中核工業団地)

ワールドリカーシステムを支える物流センターと醸造プラント

酒類販売のチェーン店を全国展開し、業界のトップを走る(株)やまや。その躍進は小売、流通、製造の三位一体を実現したグループの総合力に負うところが大きい。仙台北部中核工業団地には、東北地区の流通拠点であるやまや商流(株)の東北物流センターと自社ブランドの大和蔵酒造(株)が進出している。

仕入れから保管、流通のシステムを構築

(株)やまやは1970年、宮城県塩釜市に設立。酒類のディスカウント販売で急成長を遂げ、現在、全国に164店舗を展開、年間売上692億円(2004年度)と酒類販売業界のトップシェアを誇る。同社発展の原動力ともいえるのが、『ワールドリカーシステム』。国内外のメーカーなどから自社が直接仕入れをし、保管、仕分けをするのはもちろんのこと、輸入品については、保税倉庫での保管や通関手続きまでも自社が行い、オートメーション化された倉庫から各店舗へ出荷、配送される。つまり、仕入れから保管、流通のすべてを自前で行うことで徹底的に効率性を追求したシステムであり、それが高品質、ロープライスの商品提供を可能にしたのである。「1985年にワインの直輸入を始めたのがきっかけです。現会長が米国に視察にいったときに、こんなに美味しいワインがこんなに安く手に入るのかと感動しました。当時は商社を通すのが普通で、直に取引するという発想がなかったのです。通関や船の手配など知らないことばかりでしたが、やってみたら、何だ、できるじゃないかと……。」 松本庄司常務取締役経営企画室長によれば、調達の努力をいとわず、果敢にチャレンジする“開拓者魂”は同社のDNAとして綿々と伝えられているという。「世界はまだ広く、現地では有名なのに日本には紹介されていないメーカーはたくさんあります。商社は日本人の嗜好に合うか、量を捌けるかだけにとらわれますが、嗜好も変化していますし、予想外に受け入れられることもあるのです。魅力ある商品と判断したら、試してみることができる。それが小売業である我々の強みなのです。」 

(左)松本庄司常務取締役経営企画室長。(右)やまや商流(株)東北物流センター
(左)松本庄司常務取締役経営企画室長。(右)やまや商流(株)東北物流センター

自前でやることでノウハウとデータの蓄積を

価格訴求が成功し、いわゆる酒類ディスカウントの黄金時代があったが、やがて競争は激しくなり、大手スーパーなど大資本の参入、また酒類販売免許の規制緩和等のうねりは経営に厳しい影響を与えるようになる。しかし、その中でも企業規模を拡大し、嗜好性、専門性の強い店舗をつくり、アイテムを開発、安定供給のための体制づくりを続けてきたという。同社では、仕入れ、供給、いわゆる卸の機能をやまや商流(株)として独立させている。1996年に仙台北部中核工業団地に開設された東北物流センターは全国に4カ所あるやまや商流(株)の物流センターの1つであり、その先駆けである。ワインなら約500万本を保管できる自動倉庫は、コンピュータ制御の最新技術が導入され、常温、15度の定温、冷蔵、冷凍と、それぞれに温度管理もされている。「小売業で自前の倉庫を持つことはめずらしく、アウトソーシングの時代にあって、物流専門のところに任せればいいとのお話もありますが、私たちはあくまでも自分たちでやることにこだわります。社員が苦労して様々なトラブルを克服し、生産性を上げていくことが大切なのです。」ノウハウは日々進歩しているのであり、それに迅速に対応するには他人任せではやれないと、やまや商流(株)の鈴木庸男専務取締役はいう。当団地が進出先として選ばれたのは、十分な広さが確保でき、高速道にも近く、夜間配送にも支障がなく、東北をカバーする拠点として最適な位置にあったことである。現在、東北地区77店舗に向けて出荷されている。また、センターでは古紙や空き瓶、空き缶等の回収も行い、リサイクルを通して環境問題にも力を注いでいる。 

コンピュータで制御されている倉庫内。右はやまや商流(株)鈴木庸男専務取締役。
コンピュータで制御されている倉庫内。右はやまや商流(株)鈴木庸男専務取締役。

製造部門を持つメリットを活かし

同じ敷地に、山形県高畠町の老舗の蔵を移転した大和蔵酒造(株)もある。百八十年の伝統の技を活かしながら、工程の大部分を機械化し、大幅な省力化を実現した東北屈指の近代的なプラントからは、吟醸酒をはじめ35種類の清酒が製造されている。自社ブランドを持つメリットを大和蔵酒造(株)の山内信雄代表取締役はこう語る。「消費者の立場に立ち、その代理人としてメーカーにものをいうには自らも製造に携わることが必要という考えがベースにあります。小売が製造部門を持つことで、消費者のニーズをより的確に捉え、それを発信していくことができるのではないかと思います。」(2005年8月取材)

大和蔵では幅広い種類の清酒が製造されている。 左は大和蔵酒造(株)山内信雄代表取締役。
大和蔵では幅広い種類の清酒が製造されている。 左は大和蔵酒造(株)山内信雄代表取締役。

▼団地の詳細情報
第一仙台北部中核工業団地

 

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