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三菱マテリアル資源開発 環境エネルギーセンター(弘前オフィス・アルカディア)

温暖化対策の決め手、環境にやさしいエネルギーシステムを開発

弘前オフィス・アルカディアにある三菱マテリアル資源開発株式会社の環境エネルギーセンターは、地中熱利用のヒートポンプシステムの旗振り役である。 “地球がくれるクリーンでやさしいエネルギー”は、今やまったなしの地球温暖化の有効な対策として、今後注目されることは間違いない。

地球との関わりから生まれた事業メニュー

三菱マテリアル資源開発株式会社の前身は、三菱金属鉱業株式会社の子会社として昭和39年に創立した大手開発株式会社である。当時、国内の鉱山業は絶頂期にあり、親会社の鉱山部門の坑道探鉱や試すい探鉱の支援を目的につくられた。鉱山業衰退後は総合コンサルタントとしての道を歩み、平成9年に現在の商号に変更した。「現在の業務内容をみると、資源開発という名はふさわしくないのかもしれません。資源探査の部門はありますが、もっぱら海外のODAの仕事に限られています。しかし、資源探査から発展させた技術や研究によって、新しい事業やサービスを展開しています。それも資源、環境、エネルギーなど、地球に関わるものであり、地球をいとおしみ、大切に守り育てたいという思いのこもった事業やサービスなのです。」松坂総一郎常務取締役によれば、同社ではこれらの事業を地球と人類との関わりから生まれた“地球メニュー”と呼ぶのだそうだ。

(左) “地球メニュー”を展開する同社の社屋。(右)松坂総一郎常務取締役。
(左) “地球メニュー”を展開する同社の社屋。(右)松坂総一郎常務取締役。

CO2削減につながる事業とサービスの創出

同社の技術分野は環境創造型、環境調和型、基盤型の3つに分類される。基盤型は鉱山業をルーツとする資源探査や鉱山評価、開発・操業・管理、ボーリングや地質工学といった、同社のベースともいうべき技術やノウハウである。環境調和型では、2000m、3000m級の掘削が可能なボーリング技術が地熱資源や温泉開発に生かされ、秋田県八幡平の地熱発電等、さまざまなプロジェクトにも携わっている。「これまでに培った技術を応用、あるいは新たに開発することによって、地球温暖化対策であるCO2削減につながる事業を創り出しています。例えばCO2を石炭層に固定化する技術や帯水層への貯留技術などがあります。衛星画像を使って植林の効果の解析を行っていますが、これなど資源探査における計測、モニタリングの技術が応用されたものです。」将来もっとも期待されているのが、地中熱を利用したヒートポンプシステム。地中の温度は年間を通して一定であることから、外気との温度差を熱源として利用するというものである。地中に井戸を掘り、循環水によって熱交換をするのだが、ランニングコストが安く、再生可能でCO2の排出がほとんどない。冷房時の排熱は地中に放出されるのでヒートアイランド現象の抑制にもなる。道路や駐車場の融雪、公共建築物の冷暖房や給湯、グリーンハウスの熱源など農業利用も進んでいる。環境創造型では、鉱害防止対策など鉱山環境に関するノウハウが環境測定や分析に、さらには環境修復技術へと発展。土壌や地下水汚染の調査や修復工事にも対応できる。また揮発性有機化合物の浄化装置など、環境修復機器の開発も行っている。

地球環境に関連する複数のジャンルで研究・開発が行われている。
地球環境に関連する複数のジャンルで研究・開発が行われている。

雪国でヒートポンプシステムの普及をめざし

同社の環境エネルギーセンターが青森県弘前市の弘前オフィス・アルカディアに開設されたのは平成15年。環境分析の東北地区における拠点で、“信頼性の高いデータを迅速に提供”をモットーに、資源分析、水質分析、土壌分析、大気・ばい煙測定、騒音・振動測定、悪臭測定、ダイオキシン類測定などを行っている。また青森県における営業拠点でもあり、さらにはクリーンエネルギー事業の中核として、地中熱利用のヒートポンプシステムの普及とPR活動の先頭に立つ。当地への進出にあたっても、融雪への需要が期待されること、青森県で風力発電等、クリーンエネルギーに対する取り組みが行われていることが考慮された。「高齢化社会にあって雪は深刻な問題です。戸別住宅への導入はまだ初期コストがネックになっていますが、ランニングコストではかなりのメリットがあります。循環のための電力をソーラーや風力などで補えば、まったくCO2を排出しない、環境にやさしいエネルギーシステムになるのです。将来、欧米並みに広がっていくことはまちがいありません。」地球環境に対する意識の高まりを追い風に、環境エネルギーセンターの山田純三所長は確かな手ごたえを感じている。(2005年6月取材)

(左)弘前オフィス・アルカディアの敷地内。(右)山田純三所長。
(左)弘前オフィス・アルカディアの敷地内。(右)山田純三所長。

▼団地の詳細情報
弘前オフィス・アルカディア

 

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