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扶桑薬品工業株式会社 茨城工場(中郷団地)

安定供給の使命を果たし、全国展開の要となる新鋭工場

『必須医薬品製造において安定供給は社会に対する責任である。』人工腎臓透析液のトップシェアをもつ扶桑薬品工業株式会社は、地震災害等によるリスクを分散させ、物流コストの低減を図るため平成7年5月、中郷団地に茨城工場を立ち上げた。最先端の技術と設備を投入し、高品質、省力化を実現した茨城工場は、東日本における生産・供給拠点として同社の牽引役となっている。

安定供給の体制づくりを

「人工腎臓の透析を受けている患者は、現在国内に24万人、年に1万人ずつ増加しているといわれています。週に2〜3回の透析を受け、1回に6リットルもの透析液が使われていますが、当社でその6割強を供給しています。透析液は治療薬ではありません。患者の命を維持する薬剤です。ですから、安定供給は社会に対する責任なのです。」扶桑薬品工業株式会社・茨城工場の千北隆彦取締役工場長は、透析液のトップメーカーとして安定供給の体制づくりは当然果たすべき社会的な使命だという。扶桑薬品工業株式会社は昭和12年に大阪でブドウ糖の販売会社としてスタート。昭和18年から医薬品製造業に進出し、以後医療用医薬品の製造を中心に事業展開をしてきた。同社には大阪市城東区に注射剤専用の城東工場、府下大東市に内用剤専用の大東工場、岡山県里庄町に透析液・輸液の生産拠点である岡山工場があるが、いずれも西日本に位置しており、偏在感は否めなかった。そこで平成7年、東日本における透析液・輸液の生産・供給拠点として、北茨城市と高萩市にまたがる中郷団地に建設されたのが茨城工場である。敷地面積69,500m、延床面積51,000mの同社最大規模の工場だ。

(左)中郷団地に建つモダンな外観の茨城工場。(右)千北隆彦取締役工場長。
(左)中郷団地に建つモダンな外観の茨城工場。(右)千北隆彦取締役工場長。

リスク分散とコストダウンを実現する用地選定

「年初に阪神淡路大震災がありましたが、それ以前から地震災害等を想定し、東日本への工場建設計画はすすめられていました。その一番の理由は、災害によって工場がダメージを受け、生産がストップするような事態に備えてのリスク分散です。当社の透析液が供給されないということは、患者さんにとってはまさに命にかかわる問題なのです。」透析液の容器はボリュームがあるため、病院で大量に在庫を抱えることは難しい。従って流通が滞ることで、たちまち医療現場は品不足に陥ってしまうわけである。  もちろん、東日本や北日本に向けての物流コストの大幅削減ができることはいうまでもない。東日本の拠点として中郷団地を選んだ理由には何よりその交通アクセスのよさがある。常磐道高萩インターまでわずか1.5km。JR常磐線の便もよく、福島空港までも85kmである。気候も温暖で、風水害や積雪によって交通手段が影響を受けることが少ないことも魅力だった。また、透析液の生産には大量の、それも質のよい水が不可欠であるが、当団地においては大北川水系から導かれる良質の工業用水が豊富であり、これが用地選定の決め手となった。

徹底した品質管理のもと、透析液の製造が行われている。
徹底した品質管理のもと、透析液の製造が行われている。

画期的な搬送システム

工場棟と並ぶ立体自動倉庫は、我が国でも有数の規模を誇る。原料、製品の受け入れから在庫状況、出庫に至るまで自動システムで制御され、工程間の移送は無人搬送車が行う。見上げるような棚の間を巨大なクレーンが行き来する様は壮観である。このような巨大倉庫が必要なのは、管理コストの低減を図るためだけでなく、重く、嵩がある製品の特性による。また、品質管理部門での菌培による最終チェックが行われるため、製造後2週間は出荷ができないという制約があるからだ。当工場において画期的といえるのが、透析液容器の搬送システムである。隣接する容器メーカーの工場から搬送コンベアによって直接工場棟に搬入するようになっており、空中をつなぐ装置の全長は350mにも及ぶ。トラック等による搬送と比べた場合、衛生上の問題も含め、格段の省力化、効率化を図ることができた。

(左)高さ31mの巨大な倉庫。(右)隣接する工場とを結ぶ搬送コンベア。
(左)高さ31mの巨大な倉庫。(右)隣接する工場とを結ぶ搬送コンベア。

地元への貢献

建設後9年を経た現在、目標である東日本の供給拠点としての機能は十分発揮しているが、さらに工場を拡充する計画もある。同社は地域での認知度も高く、160名の従業員のうち多くが地元からの採用であるが、同社の社員であることがステータスになっているという。(2005年1月取材)

▼団地の詳細情報
中郷団地

 

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