ホーム > 事例紹介 > 株式会社シェルター(アルカディアソフトパーク山形)

株式会社シェルター(アルカディアソフトパーク山形)

100年住宅から木造都市へ KES構法で住宅革命を推進

オリジナルコネクターを使う画期的なKES構法で「100年住宅」を提供している株式会社シェルター。住空間の概念を変えた未来の木造住宅のパイオニアとして広く知られている。研究開発型企業が多く立地するアルカディアソフトパーク山形に建つ本社ビルは、その技術の結晶ともいうべきダイナミックで開放感あふれる木構造の3階建てオフィス。山形を拠点に“木造都市”の実現をめざす同社のヘッドクォーターである。

住宅の寿命が異常に短い国

「日本では住宅建替えの平均が27〜28年といわれています。何千万円もした住宅の資産価値が建替えの時点でゼロに、いや解体費もいれればマイナスになる。住宅が不動産でなく、車などと同じように耐久消費財扱いされている国は他にありません」海外事情にも詳しい木村一義社長は、欧米では住宅寿命が長いだけでなく、投機の対象でもあり、メンテナンスがよければ10年、20年経つうちに資産価値が2倍、3倍にもなることも珍しい話ではないという。日本の住宅の耐用年数が欧米に比べ格段に短い要因は、戦後の復興時の部材を節約した安易な在来工法の慣習や、車と同じような買い替え需要欲しさの住宅メーカーの販売戦略などが挙げられる。土地価格が右肩上がりの頃には、住宅価格がゼロになっても土地を含めればその価格は上昇したが、土地神話が崩壊した今日では、住宅そのものが資産価値を持たなくては困る時代になった。

吹き抜けが印象的な木構造3階建ての本社ビル。外光がふんだんに差し込む快適なオフィスだ。
吹き抜けが印象的な木構造3階建ての本社ビル。外光がふんだんに差し込む快適なオフィスだ。

資産価値を持つ100年住宅の時代に

「今でこそ他の住宅メーカーでも100年暮らす家などといい出しましたが、当社では設立時から100年住宅を標榜してきました。30年ごとに建替えてそのたびにローンを組まなければならない住宅と、間取りなど多少メンテナンスする程度で100年持つ住宅とを比べてみてください。家庭経済を考えれば、その分のお金で、より豊かな暮らしや価値ある人生をおくれるわけです」経済的な面だけでなく、環境面でも現在の状況は深刻といわざるをえない。日本は実に世界の木材産出量の3分の1を消費しているが、その多くが建築材だ。環境問題がよりクローズアップされる21世紀のキーワードは木と水といわれているが、その中で、貴重な木材資源を濫費するような住宅建築を不思議だと思わない方がおかしかったのだ。

KES構法による住宅革命

地球環境にやさしく、再生産が可能な木材を最大限に活かし、資産価値を失わない100年住宅や大規模木骨建築の実現のために、シェルターが13年という歳月をかけて開発したのがKES構法(キムラ・エクセレント・ストラクチャー・システム)である。このシステムは集成材による大断面の柱や梁の仕口・継ぎ手にオリジナルの接合金物(スチールコネクター)を用い、大きなグリッドの組み合わせで建物を構成するというもの。木造建築の強度や自由度を飛躍的に高め、在来工法では考えられなかった大空間も可能にした。この技術は日本はもとよりアメリカ、カナダ、ヨーロッパでも特許を取得、アメリカ各州で教会を建築するなどその先進性は世界で認められている。木構造の要といわれている仕口・継ぎ手の結合部を、職人の勘と経験に頼っていた在来工法から主要構造部をKESコネクターに置き換えることで、より強く、より簡単に組み立てることができる。昔ながらの徒弟制度が崩壊している中、労務面でも大きく寄与するもので、1990年には建設省の「第1回木造住宅合理化システム」の認定も受けている。また継ぎ目の強度が失われることなく、しかもバラツキがないため地震の突き上げや揺れを分散、吸収する。1995年の阪神淡路大震災においても、その優れた耐震性が実証されたのである。

(左)KES構法の要となるスチールコネクター。(右)木村一義社長。
(左)KES構法の要となるスチールコネクター。(右)木村一義社長。

本流になりつつある手ごたえを実感

「KES構法の特長は、シンプル、スピード、ストロングの3Sです。単純明快、構造計算もしやすいし、施工も簡単で素人でも扱える。施行期間も短期間でその上強度は抜群。特許コネクターの原理は決して難しいものではなく、いわばコロンブスの卵、あるいはマジックのようなものです。タネをあかせば、何だそんなことかと思う。実際、KES構法の説明会を開くと、こんなことは自分も考えたことがあるといってきた人は多いですよ。しかし、何でも一番最初に開発し市場に出すのは、ものすごいエネルギーが必要でリスクも伴うものなのです」最近は類似品も出てくるようになったが、互いに切磋琢磨することで市場が拡大していくことを歓迎している。もちろんパイオニアとして一歩も二歩も先を行っている自負はある。フランチャイズも全国的な広がりをみせ、接合金物をつかった工法がいまや本流になりつつある実感を得ていると木村社長はいう。

山形を拠点に木造都市の実現をめざす

シェルターは1997年4月に本社ビルをアルカディアソフトパーク山形に建設した。準防火地域では最大規模の木造建築物で、同社の技術を結集したショールーム的存在でもある。奥羽の山々を映すガラスのカーテンウォールでシンメトリーにデザインされたファサード。KESブレース構法によって開放感のある空間を実現している。中央には3階まで続く吹き抜けがあり、ピラミッド型のトップライトから光が降り注ぐ。木に包まれた内部はやすらぎ空間を形成し、働く人々にとって快適な環境になっている。先般この吹き抜け空間で開催されたジャズコンサートでは、200名の聴衆がアコースティック効果に酔いしれていたという。社屋は戦国武将の城のようなもので、どこに構えるかは重要だったと木村社長はいう。「ここを選んだ理由は、インフラ面での充実や静かな環境であることですが、山形以外の場所は考えませんでした。住宅のユーザーが近くにいたというだけでなく、誠実・純朴・粘り強さの県民性を有する山形ですので、全国のお客様から信用してもらえる自信がありました。山形県の中心であるこの場所に建てたことにより、当社のイメージは格段に上がったと思います。山形県という地方から発信して全国展開することは、地方の時代を象徴するものだ」光熱費を従来の一般住宅に比べ9割強削減できる省エネ住宅の『KES ZERO』の開発、より大規模な構造物への挑戦、さらには究極の目標としての“木造都市”もその視野に入れているシェルター。住宅づくりだけでなく、学生からアイデアを募集する「東北学生設計競技」を発展させた「全国学生設計競技」を主催するなど、人づくりにも貢献している。(2004年12月取材)

(左)アルカディアソフトパーク山形の風景。(右)モダンなデザインの本社ビル外観。
(左)アルカディアソフトパーク山形の風景。(右)モダンなデザインの本社ビル外観。

▼団地の詳細情報
アルカディアソフトパーク山形

 

▲ひとつ上の階層へ