付加価値を一層向上

【新年の抱負】

今年の抱負をお聞かせください。

小野先ほど申し上げた中小企業連合体を軌道に乗せたいと思っています。現在の取り組みは小さな業界の動きでしかない。しかし、ものづくりを日本に残し続けていくうえで、付加価値の高いものづくりは間違いなく日本に残ります。その中で電子部品は日本の強みの一つでもありますから、当社への引き合いが多い電子部品製造の省人化や自動化といったニッチな事業領域で生産性向上に貢献していきます。チャレンジとしては、従業員と一丸となり、社会に貢献していく気概をどう持たせていくかですね。

桑原当社は2年ほど前から屋外のネットワーク整備事業に取り組んでおり、鉄道や空港、テーマパークに各種のシステムを納入するなど実績が出てきています。これを強化するために、今春からは私も東京に軸足を移し、事業拡大を図ります。

東洋電装の子会社はバロ電機工業だけですが、数年後には制御盤と高速道路へのシステム納入という東洋電装の2つの大きな事業を子会社化して、ホールディングス(持ち株会社)にしていきたいと思っています。ネットワークはこの3つに続く事業に育てたいですね。

島田当社はデザイン企画・営業・生産の社員が、一つの想いになれる企業を目指しています。これは中小企業だからこそできることで、強みになるとも思っています。社員全員で一つのものをつくるのに、ワークショップを毎月開いています。作り手が使い手としても満足するものづくりをみんなで深掘りしていくためです。

もう一つは、海外を体感することです。海外市場への挑戦は、まず社長の私がやることです。私自身が昨年から海外の同業他社の視察や展示会に足を運んでおり、3年計画ぐらいで海外進出していきます。

小さな企業だからこそできる組織づくりも模索しています。従業員を増やすより、今の規模で強い会社にしたいのです。従業員がお互いに何をしているのかが分かる仕組みを作れば、専任の管理職は必要なくなるのではないでしょうか。これがコストダウンや付加価値の創出につながるかもしれません。

チャンスをつかめ

【中小企業の仲間へ】

最後に、新たなチャレンジに取り組んでいる中小企業の皆さんに、メッセージをお願いします。

小野中小企業の経営者には、会社の成長戦略や将来のあるべき姿を従業員と一緒に考えられるよう〝見える化〟してほしいですね。経営は変わってきています。オーナー企業であっても、こうしたことを実践していかないと、間違いなく取り残されます。そうしたときに、大手企業には優れた人材がたくさんいますので、まず受け入れて経営を任せてみてもよろしいのではないでしょうか。

桑原私も大手企業に勤務していましたが、最近、コンプライアンス(企業統治)の問題などにより、大手企業の社員の苦しさも感じています。逆に、中小企業には従業員が活躍できるチャンスがあることに目を向けてほしいですね。中小企業側でも、そうしたチャンスの場を提供すれば、もっと組織が元気になるのではないかと思います。私自身が10人の会社を50人規模に引き上げた過程で、従業員の育成は大きな課題でしたが、今やリーダーとして生き生きと働いている姿を見るのは喜ばしいことです。どの中小企業にもそうした要素はあると思いますので、従業員を育成する職場環境を考えてほしいと思っています。

島田大手企業が新規事業を興すには大規模な投資が必要になってきますが、中小企業同士なら、それぞれの技術を連携することで付加価値が生み出せます。中小企業ならではの強みを生かしたアイデアや、従業員が誇りの持てる道を探ってもよろしいのではないでしょうか。

高田理事長から全国の中小企業の皆さんへのメッセージをお願いします。

高田日本の労働力人口は1998年にピークアウトしており、現在の有効求人倍率はバブル経済期以来の最高水準で、人手不足感は極めて深刻です。供給する人口が減少する構造では成長できません。こうした状況で成長してきた皆さんは、経営が上手くいっているのだと思います。

一方で、将来の労働力不足に対応する技術として、AI(人工知能)の開発が進んでいます。今までとはまったく違ったロボットが生産工程に導入されてきます。中小企業の皆さんも、この領域に入り込めるように目を光らせ、ビジネスチャンスをつかんでいただきたい。

会社は社会の公器です。環境の変化に対応し、ゴーイングコンサーンで永続してほしいのです。雇用を維持しながら経済全体に貢献する責任意識を持ち、本日のテーマである事業承継については準備を早く始めていただきたいですね。

本日はご多忙の中ご出席くださいましてありがとうございました。