Project04 専門家派遣事業 専門家派遣事業~手を取り合って、問題解決を目指す~

Prologue)中小機構が行う専門家派遣事業について

専門家派遣とは、中小企業が抱える経営やマーケティング、生産管理などの様々な経営課題に対し、各分野の専門家を継続的・集中的に派遣し、課題解決の支援を行う制度である。中小機構が行う専門家派遣の特色の1つとして、約4 ,000名もの多くの専門家を抱えている点である。こうした経験豊かな多彩な専門家を活用することで、お客様である中小企業の皆様の抱える多様な支援ニーズに対応することが可能である。
こうした専門家の派遣を、中小機構は全国にある9つの地域本部で実施している。ここでは、中小機構が行う専門家継続派遣事業、経営実務支援事業、販路開拓コーディネート事業などの専門家派遣について担当者の声を交えながら説明する。

1)専門家継続派遣事業・経営実務支援事業について

『専門家継続派遣事業』は、新規事業の展開や経営基盤の強化に取り組むなど成長意欲がある中小企業に対し、約半年~1年間と長期的・定期的にアドバイザーを派遣し、支援を行うものである。支援内容も、中期経営計画の策定や品質管理体制の構築など、中小企業が抱える全体的な経営課題が多く、それに対し長期的にじっくり取り組む。これに対し、『経営実務支援事業』は、生産現場の改善や営業体制の構築などの特定課題に対し、短期集中的に専門家を派遣し課題解決をサポートする。これらの専門家派遣は、派遣終了後も企業が自立・自走できる仕組み作りを目的としているため、本制度を活用する企業は、社内にプロジェクトチームを編成するなど自主的な取り組みが求められる。
専門家派遣の流れは、「①課題の抽出」から始まる。これは、お客様の真の経営課題は何かと深堀りして洗い出す。これによりその後の専門家派遣の方向性を決定するため、職員は支援の方向性を誤らないように専門家とともに経営者へのヒアリングや、現場の視察などを行う。そして次に「②支援計画の策定」を行う。これは全体支援目標を定め、その課題解決に適した専門家と派遣計画をお客様へ提案する。そして、実際に専門家派遣に入ると、職員は進捗確認や場合によっては状況の変化に応じたテーマ変更など、専門家とともにその派遣のマネジメントを行う。また、専門家派遣が終了した後、成果の検証や、異なる支援メニューを紹介するなどのフォローアップを実施する。
本事業を担当する宮代は、「職員として大事にしていることは、企業様の相談内容のみに偏らず、その企業様にとって真の課題は何か、ベストな支援テーマは何なのかと俯瞰的な視点を心がけて、専門家の方々と一緒に考えています。例えば、生産現場改善等がテーマでも、財務諸表の分析や、支援先企業の沿革についてもヒアリング等を行い、より良い提案へつなげるように努めています。」と話す。

専門家継続派遣事業
経営実務支援事業

2)販路開拓コーディネート事業について~市場の声を共に聞く支援~

『販路開拓コーディネート事業』は、中小企業が開発した新製品のテストマーケティングのために専門家がともに想定市場・顧客を訪問し、販路の開拓のサポートを行う事業である。例えば『新製品を開発したが、どこが市場かわからない。』『製品の売れない理由がわからない』『新たな販路を見つけたいがあてが無い。』というようなお悩みを抱えた中小企業に対し、専門家が想定市場・顧客への訪問に同行し、新たな販路に関する情報や、アプローチ手法等を得るための支援を実施する。
この販路開拓コーディネート事業の流れは、申し込みがあったお客様のマーケティング企画のブラッシュアップから始まる。職員が専門家と共に、想定する顧客や、製品の強み、特徴、顧客メリット、アピールの仕方などを企業と一緒に考えていく。また、想定顧客に合わせたプレゼン資料の検討などもこの間に行う。次に想定する顧客へのアプローチをサポートできるアドバイザーを選定する。この際、東京や大阪など市場の大きな地域で該当分野に詳しいアドバイザーを当てることができる点が、全国機関である中小機構の強みである。そして、想定する顧客にアプローチした後も、新たな製品に対する課題や改善活動への助言等フィードバックを行う。
本事業を担当する片山は「本事業は首都圏などに販路の開拓をご検討されている中小企業の皆様に大変有益な事業です。だからこそ、展示会・商談会に行ったり、支援機関に訪問したりし本事業の営業を行っています。技術をお持ちのお客様は、販路開拓のために技術のみをアピールしがちになることがあります。しかし、顧客は技術だけでなく、自分の利益を求めていることに気づいてもらうことが重要なことだと考えています。そして製品の強み、特徴、顧客メリット、アピールの仕方などを専門家と一緒に考えていくのが仕事です。

販路開拓コーディネート事業

3)中小機構ならではの強みについて

宮代 幸恵

中小機構は全国組織ということもあり、全国で約4,000名もの専門家を抱えています。より専門的な支援も行うことができ、幅広く中小企業の方のお手伝いができます。そして何よりも特徴なのが、専門家が代わりに課題解決するのではなく、中小企業自らの問題解決能力を高めて、支援終了後に専門家がいなくなっても企業が自立・持続的に成長できる仕組み作りを目指す支援という点です。社内プロジェクトチームを作っていただくなど支援中は企業様も大変ですが、企業の実となるよう中小機構も専門家チームとして親身に携わるように心がけています。

片山 裕規

中小機構は数多くの支援事業を用意しており、販路開拓コーディネート事業も中小機構が行う他の事業とあわせて提案することで、シナジーを生み出すことができます。例えば、新連携(※1)で新しい製品を開発したけど、販路に悩んでいるお客様に、本制度の活用をお勧めすることで販路開拓につなげてもらうことができます。また、中小機構は全国機関でもあるので、関東本部や近畿本部など市場の大きい地域を抱える部署と連携し、お客様にとって有効性が高い支援を行うことができます。

(※1)
新連携事業

4)専門家派遣制度のやりがいについて

宮代 幸恵

いろいろな中小企業の方や専門家の方とお話しできる点が本当に勉強になるなと感じています。10年~20年にわたる長期的な目線で、「会社が生き残っていけるのか」このような大きな課題について、企業様の立場になって専門家の方々と一緒に考えられる仕事だと感じています。もちろん経営や財務の勉強を続けていかなければいけませんし、関わる人が多い分調整することなどは大変ですが、専門家の方々のやりがいを企業の成長へつなげることができる、それに関わる貴重な経験だと思います。

片山 裕規

販路開拓コーディネート事業を中小企業の方に使ってもらって、新たな販路の開拓に成功したときに「すごくいい支援でした」と評価をいただいた時は嬉しかったですね。自分なりに面白い技術・製品を持っていると感じた中小企業を支援し、その技術・製品が世の中に出て行くときは、、社会のために働いているんだなと実感できます。

プロフィール

  • 宮代 幸恵平成25年入社

    本部経営支援部で経営相談事業や専門家派遣事業の総括業務を経験した後、九州本部へ異動。専門家継続派遣事業・経営実務支援事業を担当する。熊本地震直後は復興支援業務もあわせて担当。

  • 片山 裕規平成22年入社

    本部ファンド事業部で総括業務、ファンド出資先の管理業務等を行った後、九州本部へ移動。販路開拓支援コーディネート事業やJ-Goodtech事業など多くの中小企業の販路開拓支援を担当している。