中小機構

Project02 『126万人+38万社』のセーフティネットとしての責任を果たす〜共済事業

中小機構は2つの共済の運営を行っている。そのうちの一つが「小規模企業共済」で、これは小規模企業の個人事業主等が、第一線を退いた時にそれまでに積み立てた掛金に応じ共済金を受け取ることができる制度だ。もう一つが「経営セーフティ共済」で、これは中小企業者等が加入できる共済で、取引先の突然の倒産時に、積み立てた掛金総額に応じ、その10倍まで融資を受けることができる制度である。

2014度末時点で、小規模企業共済の加入者は約126万人、経営セーフティ共済の加入者数は約38万社。日本の中小企業数が約385万社と云われていることを鑑みれば、多くの企業のセーフティネットとして機能していることがおわかりいただけるであろう。

2014年は、両共済制度とも過去最多の加入実績を記録した。これは、中小機構が行った幅広い加入促進の効果と、多くのニーズと制度に対する信頼が寄せられた結果であるということができる。この共済事業の責任を担う職員として、共済全般にかかわる総合調整を行っている藤村 夏槻(平成26年年入社)、経営セーフティ共済における貸付等を担当している田縁 ひとみ(平成21年年入社)、加入者の皆様からお預かりした資金の運用を担当している山中 知則(平成15年年入社)に話を聞いた。

「お客様へ丁寧な説明ができるよう、制度について勉強を重ねました。」

共済事業だが、中小機構でも多くの職員がその業務に携わっている。藤村は入社後間もなく、加入者からの問い合わせの対応や、共に働く職員達との業務などを通して、共済事業が担う責任の大きさを感じたという。

「私が主に担当している業務は、共済事業全体の調整や、お客様からの問い合わせの一部についての対応、小規模企業共済の数理上の計算などを行っています。また、今後の共済制度の在り方の検討会についての運営や統計資料作りなどを担当しています。お客様からの問い合わせについては、掛金の前納など専門的な話がほとんどで、入構当初はわからないことも多かったです。でも、お客様にとって、ご自身の老後や、取引の倒産時を支えるための大切な資金です。だからこそ、問い合わせ内容がわからなくても、先輩や担当部署の職員に話を聞いたり、対応をお願いしたり、組織の一員として責任のある対応を心がけました。」

「自分の説明が相手に伝わった時はすごく嬉しかったですね。電話対応で小規模企業共済の制度について説明した話です。掛金総額や前納制度、控除額など、問い合わせ内容について丁寧な説明を心がけたところ『すぐ資料を送ってください』とお客様からご要望いただき、1件契約を取ることができました。大変嬉しくて、制度についての勉強を重ねるやりがいを感じました。」

「問い合わせを受けるときの多くは、事業者様の取引先が倒産し困っていらっしゃる時」

取引先が倒産した場合、民間の金融機関等からの資金調達は通常時より困難になる場合が多い。そんな時に役に立つのが経営セーフティ共済である。この共済で、貸付や契約の解除等の業務を行う田縁は、日頃から事業者と接する機会が多い。そんな中で感じたやりがいや職員に求められる姿勢などを聞いた。

「経営セーフティ共済ですが、積立金の総額の上限は800万円となっています。この上限まで達すると一度解約をされて新たに再加入をされる事業者様も多いです。その際に、『何度も貸付制度を活用させていただきありがとうございました』『財務上の信用が強化されました』という声を頂くときは嬉しく、この仕事をやっていて良かったと思いました。」

「問い合わせを受けるときの多くは、事業者様の取引先が倒産し困っていらっしゃる時です。だからこそ、中小機構は組織として迅速な対応を心がけており、ほとんどの貸付審査案件について10営業日以内の融資実行を行っています。また、中小機構の施策に加えて、無料法律相談窓口である『法テラス』や、『下請け駆け込み寺』事業を紹介することがあります。一職員としても、これら中小企業施策全般への情報収集は日々欠かせません。」

「市場のダイナミクスを肌で感じつつ、公的機関の職員としての責任も感じています。」

共済事業だが、加入者様に対する共済金の支払を将来にわたり確実に実施していくために、お預かりした資産の運用を安全かつ効率的に行っていくことが求められている。そういった共済資産の運用業務について、業務内容等について、担当職員の山中に話をきいた。。

「私の業務ですが、小規模企業共済資産の運用の一環である国内債券の取得と管理業務を行っています。中小機構は、公的運用機関として国内4番手に位置し、非常に大きな金額を運用しております。将来お客様が仕事を辞められた後の人生を支えるための資金を取り扱っていること、またマーケットに影響を与える立場にもなりうるという観点でも非常に大きな責任があります。」

「だからこそ、マーケット動向には非常に気を使います。そうしたマーケットのダイナミズムを感じることや運用業界の第一線にいる金融マンと日々接することは大きな刺激となりますし、自分自身もマーケットに対する感度を高め、ファイナンス等の知識習得に励んでいます。その一方で、公的機関としての説明責任も果たさなければなりません。扱う金額がどれほど大きくても、1円単位で国民に報告する義務を我々独立行政法人は負っています。」

「社会のセーフティネットとしての機能を果たす=目の前のお客様に誠心誠意対応する。」

藤村 夏槻

最初は、共済業務というと、共済のことだけ学べばいいと考えていました。しかし、入ってみると税金の分野やマイナンバー、資産運用やシステムなど、幅広い知識が求められますし、業務を行う中で少しずつ身についてきたと思います。今は入社2年目なので、今後も様々な業務を経験し、お客様の役に立てるような職員になりたいですね。

田縁 ひとみ

私たちの仕事はいわばゴールキーパー。ミスがすぐに失点につながる責任の大きいポジションですが、その分、感謝の気持ちを頂くことが大きなやりがいです。また、景気が良くなっても社会から倒産が無くなることはありません。だからこそ、今後も困っていらっしゃる人たちのために働いていきたいです。

山中 知則

中小機構は公的な役割を担う立場を踏まえながら、サービス業の視点で業務を行うことが大切と考えます。中小機構には職員一人一人がお客様のために何ができるかを提案していけるボトムアップの文化があります。自分としては小規模企業共済資産の運用だけでなく、共済全般にわたる業務を経験し、今後もお客様に安心を提供し続ける仕事ができればと思います。

今回話を伺った3人からは淡々とではあるが、「事業を通して、お客様へ貢献できた時が一番嬉しかった」と話をされていたのが印象的であった。小規模企業共済は、昭和40年に開始された事業であり、約半世紀、時代を超えセーフティネットとして機能し続けてきた。こういった多くの職員が手を取り合って運営してきた事業であると実感した。

みなさまの「安心」を国がサポートします

『共済制度』

プロフィール

  • 藤村 夏槻平成26年入社

    現職の共済事業企画課へ配属され、企画・総括などの業務を担当。学生時代から学んだ法律知識が現職場で役立っている、と語る。

  • 田縁 ひとみ平成21年入社

    経営安定企画課(現共済事業企画課)にて企画・総括などの業務を担当したのち、現職へ。経営セーフティ共済貸付に係る審査・解約等を担当。

  • 山中 知則平成14年社会人採用にて入社

    経営セーフティ共済に関する貸付管理を担当した後、小規模企業共済資産運用を担当。民間金融機関研修への派遣、中国本部への赴任を経て現職。