中小機構

Project01 日本のイノベーションと大企業とのマッチングを目指す J-GoodTech

「J-GoodTech」。「日本再興戦略」や「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げられた「中小企業の海外展開を実現」という政策課題を踏まえ、日本のものづくりを担う中小企業者が、国内の大手メーカーや海外企業に技術、製品情報を発信するために26年10月から公開されたWebマッチングシステムである。

販路開拓を希望する中小企業が、自社の技術に関する情報をJ-GoodTechへ登録し、メーカー等を中心とする大手パートナー企業が必要とする技術を検索することでマッチングを支援する仕組みである。本事業で、中小機構はJ-GoodTechシステムの開発及びサイトの運営と、登録する中小企業者の募集及び審査、大手メーカーへの働きかけ、実際の商談の場の設定等を行っている。

J-GoodTech公開後1年で、ものづくり中小企業者の登録企業約2,500社、大企業を中心とした大手パートナー企業約250社が登録し、両者のマッチング件数は多数に上る。

このJ-GoodTech事業に携わる若手職員として、海外展開等を担当する湯田 誠二郎(平成15年入社)、立ち上げ当初からJ-GoodTechに関わり広報等を担当する今里 真梨子(平成20年入社)、J-GoodTechに係る営業や総務等を担当する秋永 隼(平成27年入社)に話を聞いた。

Webとリアル、双方の強みを活用して中小企業支援を行う。

J-GoodTechはWebを活用した中小企業の販路開拓支援の先進的な事例として注目を集めている。中小企業診断士でもある湯田には、公的機関である中小機構がJ-GoodTechに関わる意義と成果について語ってもらった。

「マッチングの際に「公的機関」の「職員が責任を持って」行っているのがJ-GoodTechの特色だと思います。国の機関である中小機構が行うからこそ、『中小企業の取引先拡大・イノベーション結果の社会への還元』という社会的意義を大手パートナー企業にご理解を頂いています。また、中小企業者の皆様と、大手パートナー企業の間に入ることで、初めての取引先でも販路開拓の負担を軽減することが可能です。」

Webなどの仮想の場と、商談会などのリアルの場、双方のメリットを融合させてマッチングを行うことができるのがJ-GoodTechの強みである。

「Webの強みは、企業情報を瞬間的に、地理的な制約を超えて届けることができます。地域の中小企業であっても、全国の企業へ、場合によっては海外へも販路開拓が可能です。加えて、中小機構は全国の技術を持った中小企業者の皆様と直接支援という形で関わっていますし、新価値創造展というような全国的な商談会イベントも開催しています。こういう両方の強みを生かしていくことで大きな可能性を持った事業と考えています。」

「中小機構の全国でのネットワークや、地域の中小企業支援機関のサポートがあったからこそ行うことができました。」

J-GoodTechの立ち上げ初期から本事業に携わってきた今里。本事業の形が定まっていない中から、企業への掲載依頼等を行ってきた。

「スタートした当初は、技術に関する概要をWebに掲載しても大丈夫かという声や、技術ニーズを外部へ出して大丈夫かという声がありました。優れた中小企業の情報を中小機構職員と技術の専門家が目利きをし、限定して発信することで確度の高いマッチングを行うことができるメリットなどを粘り強く説明していきました。世界的にものづくりの開発スピードが上がってきており、そのため興味・関心を持っていただける大企業の方も多かったです。」

「登録そのものが目的ではなく、あくまで販路を開拓頂くのが目的です。そのため、登録された中小企業の皆様に対し、より効果が高い掲載方法なども継続的にフォローしていきました。また、中小企業者の社長様の動画を掲載するなど、企業情報ページの見せ方の工夫にも取り組んできました。」

立ち上げの際に、中小機構全体で取り組み、また、多くの地域の中小企業支援機関の方々のサポートを受けたこともここまでの成功の要因という。

「中小機構ですが、全国で9つの地域本部で業務を行い、32か所のインキュベーション施設を運営しています。そうした中で大企業が求める技術を持った中小企業と接点があったため、多くの中小企業の皆様にご登録頂きました。また、地域の中小企業支援機関にもセミナーなどでJ-GoodTechを紹介する機会をいただき、日本中で広報できた点も大きかったです。」

「利用者の目線を大切に、常に改善を心がけています。」

中小機構は中小企業総合展(現 新価値創造展)の開催などを通していち早く中小企業の販路開拓支援に取り組んできた。入社前から中小企業の販路開拓支援に興味・関心を持っていた秋永へ現在の業務内容ややりがいを聞いてみた。

「私は大手・上場企業を中心とした企業に対し、大手パートナー企業へなっていただけるように事業の説明などを行っています。一般的な営業に近いのではないでしょうか。最初は先輩職員や専門家と同行して先輩職員の話し方や説明方法などを聞いて参考にしていました。今は自分でも説明を行うことがあります。また、J-GoodTechに登録を希望する中小企業者の皆様の技術や要件の審査会の準備等を行っています。」

中小企業の販路開拓やWebに関する専門知識がまだまだ追いつかない中で、自分にできることは何でもやるように心がけているという。

「J-GoodTechを中小企業者の皆様により使って頂くために、よりわかり易いインターフェイスに変えていくことが求められています。利用者の目線を大切にするために、自分が使ってみて気づいた改善点などすぐ課内で共有し、システム改修につなげるなど努めています。」

J-GoodTechが提案する新しい中小企業支援の形。
それを担う職員のやりがいと今後の目標について

湯田 誠二郎

今後は、日本の中小企業者と海外の企業をマッチングさせることで、日本の中小企業者の海外展開支援などを行う予定です。例えば、中小機構と協力協定を結ぶ海外各国の中小企業支援機関が支援する現地企業と、日本の中小企業者がマッチングできる仕組みづくりに現在取り組んでいます。また、数多くの日本の中小企業同士をマッチングさせ、更なるイノベーションの促進を図ることも並行して重要だと考えています。

Webは良くも悪くもアクセス数など結果が数値として見える分野。だからこそ、利用者がより使いやすいように導線を整えるなど、Webマーケティングの知識も必要になって来ます。そうして浮かび上がった改善点をシステム開発に結び付けていくことが今後の目標です。具体的には、掲載している中小企業者様が、より情報を効果的に届けるための機能や、支援機関が使用できる機能を拡充させ、双方向な情報交換ができる場にしていきたいですね。

今里 真梨子

やっぱり、中小企業者様から『うまくマッチングできて、共同開発を行うことができた』という声を頂いた時は嬉しくなりますね。J-GoodTechが、中小企業や、大企業、その他支援機関の皆様にとってより一層HUB(中継点)的な存在であれば、さらに大きな成果を生み出すと思います。そのために、様々な機関と調整や、いくつかのプロジェクトを同時並行するためのプロジェクトマネジメントを身に着けたいと考えています。

秋永 隼

大企業がどんなニーズを抱えているかを入社1年目から知ることができたのはいい機会でした。今後もより大企業のニーズと中小企業者の技術をマッチングさせるために、より使いやすいサイト作りをめざし、マッチング件数を増やしていきたいです。

多様なバックグラウンドを持つ職員が多いJ-GoodTechだが、Webとリアルを組み合わせた新しい中小企業支援の可能性について確信を持っている表情が印象的であった。

優れた技術や製品を有する日本の中小企業が集結したウェブマッチングサイト

『J-GoodTech(ジェグテック)』

プロフィール

  • 湯田 誠二郎平成15年入社

    中小企業・ベンチャー総合支援センター、中小企業大学校を経て中小企業診断士養成課程へ派遣。その後、高度化事業に係るコンサルティング等に従事し、現職。中小企業診断士。

  • 今里 真梨子平成20年入社

    経営支援情報センターにて調査業務に従事後、産学官連携や創業支援に係る業務を経て、現職である販路支援部販路支援課へ。販路開拓に関するイベントの実施からJ-GoodTechの運営まで幅広い業務を経験。

  • 秋永 隼平成27年入社

    中小企業の販路開拓支援関係の事業に興味関心があり、中小機構を志望した。学生時代から続けたサッカーを現在も中小機構フットサルクラブで続けている。