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要点11「地域産業発展へ農商工連携は極めて重要」

平成20年12月15日掲載

◇農林水産資源活用に向けた地域中小企業のネットワーク

 農林水産資源を活用して商品を開発するため、他の主体と連携する場合の相手先を見てみると、商品開発の各段階により重視する連携先が異なってくる。まず、シーズの検索では、地元農家や漁業者、農協等との連携が目立つ。次に試験研究・技術開発といった段階では、国や自治体の産業支援機関との連携が多い。このことは、まず、産業支援機関が窓口となり、商品開発に最適な相手を見つけている可能性がある。
 連携を進めていく上で仲介者として期待される主体をみると「農家、漁業者、農協等」が最も高く、次いで「小売店等バイヤー」となっている。商品開発という点で原材料調達が大きな鍵となっているため、地元有力農家や漁業者、農協等仲介者として期待されていると考えられる。また、小売店等バイヤーに対する期待が高いことは、販路等の確保において重視されている結果であると考えられる。今後、地域資源を活用した商品開発の中で、農家や漁業者等の生産者や生産者団体との連携を考えている企業は63.3%となっており、仲介者としてだけでなく連携先としても期待が高いことがわかる。その内容としてはグラフで示したように、地域ブランド・商品ブランドの形成や原材料の直接購入以外に、トレーサビリティの実現など食の安全や消費者の信頼の確保に向けた取り組みの一環として生産者を巻き込んだ商品開発を目指している企業もある。



グラフ:農林漁業者と連携する具体的な内容
 ブランド形成や原材料の確保他、トレーサビリティの実現など食の安全や消費者の信頼の確保のために農林漁業者との連携を考える 企業も見られる

グラフ:農林漁業者と連携する具体的な内容

資料:(株)三菱総合研究所「地域中小企業の地位資源活用に向けた取組に関するアンケート調査」(2007年12月)
(注)
1.上記集計は、地域資源を活用した商品開発に向けて、生産者と連携を考えている企業のみ集計した
2.複数回答のため合計は100を超える


 農林水産型の地域資源の活用にあたっては、「地元の農林水産品をもっと販売できないか」という生産者(農)の発想だけでなく、「農林水産品を用いて新しい商品開発等を行うことにより付加価値を生み出せないか」という視点からアイデアを持ち技術力のある製造業者(工)、そして消費者のニーズをつかむという観点から消費者の声に接している販売業者(商)との連携は有効である。とくに新たな商品開発を行い、一定の規模と安定的な販売量を確保し、地域資源を活用した地域産業に発展させるためには、生産・流通・販売のノウハウを総合的に活用していく上で農商工連携は極めて重要である。
 原材料等の産地名を冠にした産地ブランド商品は、消費者にとって魅力的な付加価値商品ではあるが、生産者やメーカーは、単によりよい販売業者に販売すればよいというものではない。消費者が産地ブランド商品への購買意欲を持ち続けるためには、販売業者(商)だけでなく、生産者(農)やメーカー(工)が「商品コンセプト情報」を消費者に直接伝えていくべく、積極的な情報発信が重要である。この意味からも、高付加価値商品を販売しようとすればするほど、農商工連携はさらに重要となってくるといえる。


◇結び

 生産性の向上と地域活性化を図っていくため、中小企業は付加価値の創造の原動力となることが強く期待されている。情報通信業や医療・福祉で開業率が高いことはIT(情報技術)革命や高齢化の進展に伴ってニーズが高まっており、中小企業が活発に市場参入しているからであろう。今後、中小企業の時代のニーズを捉えて新たな付加価値を創出し、収益を獲得していけるかどうか、大いなる試練の時を迎えているといえる。

(おわり)