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要点6「IT投資では継続的な事後評価」

平成20年10月1日掲載

◇IT活用による効果

 経済産業省「平成18年情報処理実態調査」をもとにIT(情報技術)投資の効果を中小企業に限定してみる。「業績面」(売り上げまたは収益改善につながった)、「顧客面」(顧客満足度の向上、新規顧客の開拓につながった)、「業務面」(業務革新・業務効率につながった)、「学習面」(従業員の満足度向上や職場の活性化につながった)−という4面から捉えたが、学習面や業務面での効果があった企業が多いことが確認された。また、IT投資実施当初に意図されている割合が高い項目ほど、実際の効果も高い割合で得られる傾向がみられており、IT投資実施時期に目標を定めることの重要性がうかがえる。


 さらに、グラフで示したように、IT投資や情報システムの導入効果が期待どおり得られた主要な理由を確認したところ、「経営層がIT化に積極的で、陣頭指揮をとった」ことが挙げられる。一方でIT投資や情報システムの導入したにもかかわらず、期待した効果を得られなかった主要な理由としては「業務がわかるIT人材(ITの活用や情報システムの導入を企画、推進、運用する人材)が不足していた」ことや、「社員のIT活用能力、ITリテラシーが低く、システムを使いこなせなかった」といった人材の問題に加えて、「業務プロセスをそのままにしてシステム化だけを行った」ことが挙げられている。


グラフ「IT投資や情報システムの導入の効果が期待どおり得られた理由」

 中小企業では、経営陣の陣頭指揮が情報システムの導入の効果を期待どおり得られた背景として挙げられている

グラフ「IT投資や情報システムの導入の効果が期待どおり得られた理由」

資料:三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)「ITの活用に関するアンケート調査」(2007年11月)
(注)
1.複数回答のため合計は100を超える
2.IT活用により、企業残対の総合評価として「期待した効果が得られている」、「ある程度の効果は得られている」と回答した企業に聞いている
3.ここでの中小企業とは、従業員300人以下「卸売業、サービス業では100人以下、小売業では50人以下)の企業を指し、大企業とは、中小企業以外を指す

 情報システムの導入に際しては、ITに関する知識のみならず業務もわかる人材の確保と、あらかじめ自社の業務プロセスを見直すことが大切である。また、情報共有や業務改革といったことを受け入れる企業風土を確立していることがITの効果を得るための前提となろう。
 IT投資の際には、その効果を事前に測定し、投資後も効果を継続的に評価することが望ましい。企業がIT投資の判断を行う際に事前に検討している項目としては、「費用」や「必要十分性」、「投資目的」が挙げられているが、事後の評価を実施していない企業が半数近くのぼっており、事前の検討をしている企業に比べて事後の評価を行っている企業は非常に少ない。
 継続的な事後評価を行っている企業では、全般的にIT投資の効果を得られやすい傾向があり、とくに顧客満足度の向上や製品・サービスの品質向上の面で、継続的な事後評価を行っていない企業と比べて効果が得られている傾向がある。事前の検討のみならず事後の評価を継続的に実施することが望まれる。