平成21年中小企業実態基本調査(中小企業庁まとめ)
従業者は前年比3.9%減
売上高も13兆円の減少
平成22年8月15日号掲載
中小企業庁は、「平成21年中小企業実態基本調査飮をまとめ、7月30日付で公表した。同調査は平成16年から毎年実施しているもので、420万社といわれる中小企業の経営実態を明らかにし、中小企業施策の企画.立案や中小企業関連統計の基礎資料、基本情報を提供するためのデータ収集が目的。建設、製造、情報通信、運輸、郵便、卸売、小売、不動産、宿泊.飲食サービスなど各業種から選定した企業を対象に、平成炳年度の中小企業の決算データなどをベースにして昨年8月1日に調査を実施し、とりまとめた。以下、主な項目での要旨を紹介する。
■従業者数
従業者数は2943万2247人で、前年調査に比べ約121万人、3.9%減少した Wグラフ機。産業別では、サービス業(前年比7.8%増、以下カッコ内は前年比)、運輸.郵便業(5.0%増)、学術研究・専門・技術サービス業(4.9%増)、情報通信業(3.5%増)、宿泊.飲食サービス業(0.3%増)の5産業で増加し、小売業(10.8%減)、製造業(10.2%減)、建設業(6.7%減)、不動産.物品賃貸業(6.3%減)、卸売業(1.4%減)、生活関連サービス.娯楽業(1.3%減)の6産業でマイナスとなった。
従業者の産業別構成比では、製造業が炸.9%ともっとも多く、次いで小売業15.2%、建設業11.9%、宿泊.飲食サービス業10.5%の順となっている。 「他社からの出向従業者(出向役員を含む)および派遣従業者」を除いた従業者数では、正社員.正職員が1440万人(構成比50.2%)と半数を占め、パート.アルバイト704万人(同烝.5%)、有給役員(法人)320万人(同11.2%)、個人事業主228万人(同7.9%)、臨時・日雇雇用者89万人(同3.1%)がこれに続く。また1企業当たりの従業者数の変化をみると、小売業が前回の5.9人から5.3人と10.2%減となり、情報通信業が20.0人から181人と9.5%、製造業が15.1人から28.9人と7.9%それぞれ減少した。1企業当たりの従業者数では、運輸.郵便業が28.3人ともっとも多く、次いでサービス業18.9人、情報通信業18.1人、製造業13.9人、卸売業12.7人の順。
グラフ1「従業員数の構成」

■売上高
売上高は533兆9995億円で、前年比約13兆円(2.3%減)減少した=グラフ2。業種別の構成比をみると、卸売業(構成比27.4%)がもっとも高く、製造業(同20.7%)、建設業(同14.4%)の順となっている。前年売上高との比較では、運輸.郵便業(15.0%増)、情報通信業(12.8%増)、サービス業(9.5%増)、宿泊.飲食サービス業(3.5%増)、学術研究.専門.技術サービス業(1.9%増)、卸売業(1.1%増)の6産業が増加し、生活関連サービス・娯楽業(12.5%減)、製造業(8.3%減)、建設業(5.9%減)、小売業(3.4%減)、不動産.物品賃貸業(2.8%減)の5産業で減少した。
1企業当たりの売上高は1億4291万円(1.8%減)。産業別では卸売業が6億9108万円ともっとも高く、次いで運輸.郵便業3億5790万円、製造業2億6264万円、情報通信業2億6099万円の順となっている。
■設備投資
設備投資を実施した企業割合は10.9%(法人企業20.6%、個人企業4.7%)で、設備投資額は9兆6074億円(同9兆2351億円、同3724億円)。実施企業割合は前年比1.2ポイント減少し、設備投資額は同20.6%減と大きく落ち込んだ。1実施企業当たりの設備投資額は、法人企業で前年比17.0%減の3085万円だった。全体的な減少傾向の中で、産業別では情報通信業、サービス業、宿泊.飲食サービス業が前年より上昇した。従業者規模別でみると、従業者数炮殳燎人以下の法人企業で前年比3.5%減少したのをはじめ、すべての規模の法人、個人企業でマイナスとなった。
投資目的別投資額の構成比では、「既存事業部門の売上増大」が33.6%、「既存建物・設備機器などの維持、補修、更新」が30.2%と高くなっている。産業別の投資目的によると、設備投資額がもっとも多い製造業では「既存事業部門の売上増大」が焙.2%ともっとも多く、次いで設備投資額が多い不動産・物品賃貸業も「既存事業部門の売上増大」が58.1%と6割近くにのぼっている。
グラフ2「売上高構成」

■電子商取引
電子商取引を実施した中小企業は22.0万社、実施率は5.9%で、前年比0.1ポイント増加した。産業別実施企業数は、小売業が7.3万社でもっとも多く、製造業の2.8万社がこれに続く。実施率がもっとも高い産業は情報通信業で18.4%、次いで卸売業13.3%、小売業8.7%、製造業およびサービス業6.8%の順となっている。
■海外展開
海外に子会社、関連会社または事業所を所有する中小企業は1万3948社で、中小企業全体の0.4%。法人企業全体では1.0%と前年に比べ横ばいとなっている。法人企業のうち、海外に子会社などを所有する割合を産業別にみると、卸売業で2.6%、製造業2.5%、情報通信業1.8%、運輸・郵便業1.0%の順となった。法人企業の規模別で海外に拠点を有しているのは、従業員51人以上で8.0%、21人〜50人で2.4%、6人〜20人で0.7%、5人以下で0.3%となっている。 地域別展開において、子会社ではアジアが76.0%と高く、次いで北米11.9%、ヨーロッパ6.3%、その他地域5.8%がこれに続く。関連会社ではアジア81.2%、北米9.5%、ヨーロッパ6.5%、その他地域5.7%、事業所ではアジア犖.8%、ヨーロッパ7.4%、北米7.1%、その他地域5.7%の順となっている。
■研究開発
新製品、新技術の研究開発を行った中小企業は5万6442社で、中小企業全体に占める割合は1.5%だった。 研究開発費は全体で5970億円。法人企業のうち研究開発を実施した割合を業種別でみると、製造業7.6%、情報通信業4.9%、卸売業2.8%となっている。1法人企業当たりの研究開発費は1710万円。 特許権.実用新案権・意匠権を所有する中小企業は4万7903社で、中小企業全体に占める割合は1.3%。法人企業のうち3.1%が特許権などを所有しているのに対し、個人企業では0.1%に留まっている。
また法人企業のうち、特許権などを所有している割合を業種別にみると、製造業8.6%、卸売業4.7%、情報製造業3.1%、建設業2.1%の順になっている。1法人企業あたりの所有件数は、特許権で6.6件、実用新案権1.6件、意匠権2.5件となっている。
