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第2回 「鱧」のブランド化で八幡浜の漁業守る

小規模事業者の未来照らす 四国サイコーダイガクの挑戦
地域とともに成長目指す
◆四国サイコーダイガクとは◆
四国の地域資源を生かした新商品・新サービスを開発して新たなビジネスを創出し地域経済活性化を目指す目的で、中小機構四国本部が平成21年5月に創設。毎年度、中小企業、農林水産事業者などを公募し、外部専門家らによる講習や中小機構専門家による個別サポートなどを約半年間にわたって実施。年度末に成果発表会を開いている。
 

八幡浜の漁業を守るため創業

オーシャンドリームの松浦社長(奥)
四国サイコーダイガクの講師からアドバイスを受けるオーシャンドリームの松浦社長(奥)

 小規模事業者のブランド化をテーマに掲げ、10月24日に松山市内で開かれた平成26年度の「四国サイコーダイガク」の2回目の講義。「物の機能や品質だけではブランド価値が成り立たなくなった」―。講師を務めたネイキッド・コミュニケーションズの吉田透氏の言葉に一際聞き入っていたのが、愛媛県八幡浜市で水産加工業を営むオーシャンドリームの松浦康夫社長だ。
 八幡浜には練り物製品以外の2次加工業者がないため、これまでは鱧(はも)を中心とした魚介類は関西の業者に安価で販売され、結果的に漁師の所得低下、漁業の衰退を招く結果となっていた。
 松浦社長は生まれ育った八幡浜の漁業を守ろうと、平成23年1月にオーシャンドリームを創業。従業員13人ほどの小規模企業だ。とくに水揚げ高で全国2位の八幡浜の鱧の販売に力を入れ、鱧の骨切り機などに設備投資したほか、取引先からの要求に応じて品質管理やトレーサビリティを強化するなど、会社の体質強化に余念がない。

鱧の新しい価値訴求、そしてブランド化

 しかし、商談に臨む際に八幡浜の鱧の付加価値を伝え切れていなかったと考え、サイコーダイガクへの応募を決意した。松浦社長は今回、吉田氏の話を聞き、「鱧は、鰻(うなぎ)に近い栄養価があり、しかも低カロリー・低コレステロール」という機能(特徴)だけを押し出して価値を訴えてきた自分に気付いた。
 松浦社長は現在、サイコーダイガクを通じて中小機構の専門家派遣も受けながら、鱧にあまり馴染みがない首都圏の消費者に対し、その味わい深さを知ってもらう戦略を探っている。
 そんな中で気付いたのが、鱧の新しい価値訴求の方法だ。夏に食されることが多い鱧は、実は秋と冬こそ身に脂が乗り、鍋や惣菜などにとても合うという。そんな知られざる価値を顧客に訴え、鱧のブランド化に挑み始めた。

中小企業施策普及紙「中小企業振興」/平成26年12月1日発行 第1133号