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第15回 幹部中心に毎年数人受講【関西校】

人材育成の現場から 中小企業大学校受講者の横顔

 太陽パーツ株式会社【事業内容】各種金属製部品及び住宅建材の製造・販売
【創業】昭和55(1980)年
【資本金】3,000万円
【従業員】約350人(海外含むグループ全体)
 中小企業大学校関西校 全国に9校ある中小企業大学校の一つ。兵庫県福崎町にあり、1980年の開校以来、企業の経営管理者、工場管理者などを養成するための長期研修を研修体系の中心に据え、30年余にわたる歴史の中で蓄積したノウハウを活かした「実践的」なカリキュラムを提供している。

経営管理室係長 山根 数豊氏

会社の成長に伴いレベルアップ

 

社員表彰制度「大失敗賞」

 部品事業と住宅建材事業を2本柱とする太陽パーツには、「大失敗賞」というユニークな社員表彰制度がある。経営管理室係長で広報担当も兼ねる山根数豊氏によると、「たとえ失敗しても、チャレンジする人間を大事にする」ためで、創業社長の城岡陽志代表取締役が発案、1993年からほぼ半期に1度実施してきている。
 きっかけは、新規事業の自動車用品事業に進出したものの在庫の山を抱えて撤退したことにある。当時30代半ばの課長職だった担当者が周囲から冷たい目で見られ、しょげ返っているのを見かねた城岡社長が「きょう限りでこの件は笑って終わらせよう」と、みんなの前で表彰した。
 この担当者は受賞を機に大いに発奮、後に同社が中国に工場進出する際、自ら責任者を引き受け、初の海外事業を成功させた。現在は役員の座にある。

8年前から毎年社員が関西校で受講

関西校の研修風景
関西校の研修風景

 そんな人材活用術に長けた会社とあって、人材育成には力を入れており、中小企業大学校の活用にも積極的。2007年に城岡社長が関西校で「中小企業における製品開発力の強化策」という研修を受講したのを皮切りに、それ以降、毎年数人ずつ受講させている。
 受講する研修コースはさまざまだが、とくに幹部クラスが「経営管理者研修」または「工場管理者養成コース」を受講するケースが多い。それぞれ5日間×12カ月、3日間×6カ月という長丁場の本格的な研修だ。地元の関西校のみならず、3年前には東京営業所長が東京校で経営管理者研修を受講している。
 山根氏もこれまでに2回受講経験がある。山根氏は2006年9月に同社に中途入社した。前の会社と太陽パーツの社長同士が知り合いで、前の会社の社長に当時担当していた営業よりも経理をやりたいと訴えたところ、太陽パーツで経理担当者を探しているからと、紹介してくれたのだという。
 入社4年目の時、中小企業大学校関西校のパンフレットを手にした城岡社長から勧められ、受講したのが全3日間の「経営者のための『会計力』養成講座」。研修で配布されたキャッシュフロー計算ソフトが「とても分かりやすくて便利で、ずっと会社で使っている」という。また、「まったく違う業種の人たちと知り合えたのも人脈を作るという意味で貴重な経験だった」とも語る。
 翌年には「利益計画の立て方」という研修も受講。自らの受講体験を踏まえ、他の社員に受講を勧める立場でもある。

BCP(事業継続計画)について勉強中

本社内のショールームに立つ山根氏
本社内のショールームに立つ山根氏

 太陽パーツは1980年、ねじメーカーに勤めていた城岡社長が30歳になったのを機に独立、創業。金型の製造コストを大幅に削減できるダイカストカセットシステムや食品・調理用品をスムーズに出し入れできるキッチン棚など特許を持つ独自製品を中心に事業を拡大し、海外展開も進めてきた。
 「急成長してきた中で、人材が追い付いていかない面もあるので、今年は誰を研修に行かせていて、次は誰というように中小企業大学校を有効に活用することで、社員のレベルを上げていく」(山根氏)考えだ。
 山根氏自身も「あの人に聞けば分かると頼りにされる魅力ある人間」になるのが目標で、「そのためにも知識をつける必要がある」と意欲的。現在は、BCP(事業継続計画)について勉強中で、商工会議所の研修に参加したりしているが、中小機構関係でも良い研修があれば参加を検討したいという。そして今年度内には同社初のBCPを策定・導入する計画だ。

中小企業施策普及紙「中小企業振興」/平成27年4月1日発行 第1141号