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第14回 学ぶ姿勢が現場力高める【瀬戸校/工場管理者養成コース】

人材育成の現場から 中小企業大学校受講者の横顔

 株式会社コメットカトウ【事業内容】業務用厨房機器の開発・製造・販売など
【創業】大正9(1920)年
【資本金】4,500万円
【従業員】248人(パート社員含む)
 工場管理者養成コース(瀬戸校) 経営環境の変化に対応し、多様な場面で自主的に的確な行動をとれる工場管理者を養成する。1回3日間の研修を合計6回、半年間かけ学ぶ。工場管理に必要な体系的な知識と技法を習得することで職務と役割の両面を学ぶことができる。

取締役本部長 野々部 正幸氏

人材の宝庫で創業101年へ

 

柔軟な発想をDNAに埋め込んだ企業文化

 当たり前といえる機能でも最初に開発したメーカーがあり、顧客ニーズをくみ取り製品化した開発技術者がいる。一歩先を行く開発に必要なのは規模ではない。柔軟な発想をDNAに埋め込んだ企業文化こそが、新機能を生み出す源泉となる。この精神を創業時から抱き続けているのが業務用厨房機器の製造・販売で全国展開するコメットカトウだ。
 火力調節ができる業務用炊飯器を初めて世の中に送り出したのは同社。白米だけでなく、おかゆ、五目ごはんなど、用途に合わせた最適な火力での炊飯を可能にした。厨房での利便性向上に貢献したことで知られている。
 「調理のプロたちに支持される独自機能、使いよさ、安全性が当社の強み。業界は海外の低価格品で競争激化するが、当社は差別化の道を進みたい」と野々部正幸取締役本部長は力強く語る。
 強さの秘訣は、顧客の要望に合わせた最適な製品を独自の製造ノウハウで多品種少量生産することにある。それを支えているのは、会社全体で顧客を意識する文化が醸成されていることだ。

20年前から社員を瀬戸校へ派遣

瀬戸校の工場管理者養成コースの様子
座学のほか実際の現場を見て課題克服などを学ぶ

 優れた技術を駆使する社員たちを限定化させることもしない。
 「300機種以上を生産し、修理のマニュアル作成なども無理な状態。臨機応変に動く現場力に支えられている」と野々部氏は、状況を判断し、効率よく動く多能工がいるから差別化路線が成り立つと語る。
 人材が同社の生命線であり、生き残るには人材を育て続けることだとも言う。
 この考え方から中小企業大学校瀬戸校の「工場管理者養成コース」へ1996年から社員の派遣を始めた。開発生産部門を担う野々部氏自身も6カ月間にわたる同研修に参加している。「ものづくりで学ぶべき環境がすべて整っている。体系的に学ぶことで発見がある。点でしかなかった知識が有機的に結合するかのように線となる。まさに“点と線”を知った」と称賛する。
 瀬戸校への社員派遣は、1994年から延べ141人に達しており、このうち工場管理者養成コースは毎年連続で19人が受講している。研修に参加する社員には、できるだけ宿泊施設の利用を勧めるいう。野々部氏は自らの体験から「異業種交流が魅力。社外のことも幅広く知ることで知識が生きてくるから」と話す。

人材教育は会社存続の基礎

社員と野々部本部長(前列中央)、加藤社長(同左隣)
「工場管理者養成コース」を修了した社員と野々部本部長(前列中央)、加藤社長(同左隣)

 同社は1920年に名古屋市内で創業し、今年で95年。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催時に100年を迎える。
 「101年目が勝負の年。生き残るため何が必要なのか、足りないものは何かを社員で検討してもらった」と加藤愛一郎取締役社長は将来を展望する取り組みを語る。結論は『まだ教育が足りない。会社を継続させるのは人であり、今後さらに積極的な人材教育を実施するべき』という内容だった。
 これを受け、確固たる社内基盤を構築するため5カ年計画の作成準備に入った。計画名称は「モモ(百)プロジェクト(仮称)」。そこには開発型メーカーとして現状に甘んじない姿勢がある。開発も生産も販売も、すべて人材があって成り立つという考え方が見える。
 「人材教育は会社存続の基礎。その人材を輝かせ活用するのが経営の基本だ」と野々部氏は強調する。そのためには、製造に関するカリキュラムが整っている中小企業大学校瀬戸校を積極的に活用する考えだという。

中小企業施策普及紙「中小企業振興」/平成27年3月1日発行 第1139号