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第12回 虎ノ門サポート会議─助言受け次につなげる商談会─

販路開拓へスクラム 新連携・地域資源活用・農商工連携認定企業と支援ネットワーク

 

バイヤーの直接指導で商品改良も

支援先の商品を商談に結びつける場「虎ノ門サポート会議」

 「これは本物の“黒”だ。品質も上級でいいね。だが、これだけでは消費者に伝わらない」「伝統工芸だが、ジーンズを染めてみたらどうか」など、名古屋黒紋付染の普及を目指す山勝染工(名古屋市)に対し、バイヤー、専門家たちの声が飛び交う。ここは、中小機構が主催する「虎ノ門サポート会議」の会場だ。
 中小機構は、地域資源活用事業を中心とする3法認定事業者などに対し、展示会への出展支援だけではなく、バイヤーや専門家を招き、商談に結び付ける場として2014年2月から同会議を始めている。
 “作り手”が気づかない作り方、売り方がある。その気づきを与えるために“つなぎ手”となるプロの厳しい目が、商品を見て狙いを聞き、欠けている部分、考え方を端的に指摘する。販路開拓がメーンの商談会だが、商品改良の促進を図る場としての機能も併せ持つ。
 今回の虎ノ門サポート会議に参加したのは6社。1社10分で商品説明などのプレゼンテーションを行う。その後、4人のバイヤーと1人の専門家たちとの質疑が繰り返される。
 会場となったのは、1月21日から23日まで東京・有明の東京ビッグサイトで開催されたファッション業界のトレードショー「JFWインターナショナル・ファッション・フェア(JFW‐IFF)」の別室。参加企業は中小機構ブース「NIPPON MONO ICHI」出展者で希望する企業が集った。

「伝統技術を残したい」に、斬新・具体的なアイデア

山勝染工の中村氏
バイヤーたちに名古屋黒紋付の技法で染めたストールをアピールする山勝染工の中村氏

 冒頭の山勝染工は、伝統工芸に認定された名古屋黒紋付染の開発・情報発信部門を立ち上げ、販路開拓を積極化している。「名古屋に10社あった同業は4社に減り、後継者もいない。伝統技術を残したいと考え、女性に受け入れられるストールの染色を始め、販売している」と同社の中村剛大氏はいう。全国の素材とコラボを積極展開したい考えも伝える。
 バイヤーからは「ソファや照明器具、インテリアなど高級品を伝統の黒で染めてみてはどうだろうか」などの具体的な提案があり、中村さんは手始めにジーンズの黒染めを手掛けてみる考えを伝えた。

バイヤーの適切なヒントが次のチャレンジへ

笠盛の笠原社長
既成概念にとらわれないアイデアで新商品を開発したいという笠盛の笠原社長

 織物の産地、桐生の刺繍を主要事業とする笠盛(群馬県桐生市)は、伝統工芸を生かし、絹糸のアクセサリーを作り、販売している。まるでパールのネックレスのような糸玉や、ピアスは軽くてデザイン性もあり「海外の展示会などで高い評価をうけ、2010年から“OOO”(トリプルオゥ)のブランドを立ち上げ販売に力を入れている」と笠原康利代表取締役社長は、現状の展開を語る。
 バイヤーたちは「どの売り場に置くべきか悩む」「洋服とセットではなく、商品単体での見せ方を開発するべき」と、一様に商品完成度の高さを評価する一方、消費者へ良さを伝える難しさを指摘した。その中でも「仲間を増やし広がりを作る」「バリエーションを増やす努力が必要」など、試してみるべき適切なヒントを伝える。「なるほどと唸りたくなる話を聞くことができ参考になる。チャレンジしてみたい」と笠原氏は意欲をみせる。

商談だけじゃない参加者のメリット

 虎ノ門サポート会議は、地域活性化パートナー企業との連携を密にして、展示会等の場で行う密度の濃い商談会だ。と同時に「バイヤーのみなさんが、プレゼンする商品を要るか不要かを見るだけではなく、商品のブラッシュアップを提言する会議でもある。直接、商談に結び付かなくても、参加者がメリットを感じとって次に生かしていける場だと確信している」と会議を主催する中小機構経営支援部プロジェクトマネージャーの山本聖氏は強調する。

 

中村善春氏

日本の高品質を
世界へ発信

繊研新聞社JFW-IFF事務局長

中村 善春 氏

 

 JFW-IFFは、日本のファッションを世界へ広げることを狙いとして2000年にスタートしました。今や日本最大のファッション総合見本市へと発展しています。
 この間、アパレル業界は小売業がブランドを自ら生産する流れが起き、デフレ経済を反映した低価格路線が定着。外資系専門店や国内大手チェーン専門店など低価格店舗が、国内専門店売り上げの45%を占め、市場規模も頭打ち状態です。
 この課題に対し、メード・イン・ジャパンを前面に出した展示会で職人、技術、品質など、世界へ発信の場を提供していきます。伝統を残し産業へ発展させる、世界に誇れる技をアピールすることで業界へ貢献していく。それが私たちの責務です。
 それには産地、ファクトリー、アトリエそれぞれでブランドを立ち上げる必要があります。中小機構の地域活性化パートナーとして、中小機構とともに強力に推進する考えです。

中小企業施策普及紙「中小企業振興」/平成27年2月15日発行 第1138号

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