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第10回 サンプル百貨店 ちょっプル─主婦、OLら76万人に試供品─

販路開拓へスクラム 新連携・地域資源活用・農商工連携認定企業と支援ネットワーク

 

ブロガー対象のリアル展示会にも出展

サンプリングシステムの魅力

 オールアバウトライフマーケティング(AALM、東京都渋谷区)が運営する会員制バーチャル百貨店「サンプル百貨店 ちょっプル」は2005年8月にサービスを開始して以来、順調に会員数を拡大、現在、登録会員数76万人を数える。月間累計で二百数十社ものメーカーが飲食料品や化粧品、雑貨などの新商品を無料または半値以下という格安価格でサンプリング(試供頒布)。購入した会員が商品レビュー画面に書き込んだ内容や、アンケート回答などをマーケティングデータとして出品企業にフィードバックする仕組みだ。
 会員の8割以上が女性で、約35%を40代が占め、30代が30%、50代が14%いう構成。いわば、主婦やOL層から直接、新商品に対する反響を得ようとするメーカーにとっては、願ってもないサンプリングシステムといえる。同社の佐藤健一取締役兼流通シニアコンサルタントは、「今は、スーパーなど流通業のバイヤーさん自身が消費者が何を求めているのかわからなくなっている時代だ。だからこそ、ここで得た情報をバイヤーとの商談の材料としても使える」と話す。
 ただ、資金力に乏しい中小企業が出品するには、ややハードルが高い。実売価格で1セット2000円以上(冷凍・冷蔵商品は3000円以上)の商品を1000セット以上提供することが条件だからだ。

選ばれたアクティブブロガーが参加するリアルサンプリングプロモーション

 だが、AALMは中小機構と連携して、新連携、地域資源活用、農商工連携の3法認定事業者を中心に、中小企業の販路開拓支援に協力する「地域活性化パートナー企業」制度に登録。この3年間、毎年、特別枠を設け、中小機構による公募で選ばれた中小企業2、3社に限り、少数サンプルの出品機会を提供してきた。ちなみに、平成25年度は50セット以上でも参加できる企画とした。
 加えて平成25年度は、2月28日に東京・台場のホテル日航東京で開催した大規模サンプリングイベント「リアルサンプリングプロモーション」(RSP)にも、ちょっプルに出品したうちの2社が出展することができた。RSPは、AALMが年4回開催しているイベントで、ちょっプル会員のうち約1万人にのぼるアクティブブロガーの中から抽選で選ばれた主婦500人とOL500人が時間帯を変えて参加。メーカーが新商品のプレゼンやブース出展を行う仕組みだが、今回は中小機構の支援先2社にトライアル費用でブース出展できるようにしたためだ。
 出展企業にとっては、自社商品に対する消費者の反響を肌で感じられるのに加え、主婦やOLが各商品の解説・感想をブログやツイッター、フェイスブックなどで盛んに発信するので、絶好のPRにもなる。

価格設定や商品の良さをPR

フカコラ美人の狩野専務
RSPのブース展示会場で来場者に商品をPRするフカコラ美人の狩野専務

 「味には自信があるので、プライス(価格設定)のほうの感触を得たかった」。2社のうち、健康美容食品のサンプリングに力を入れているフカコラ美人(宮城県気仙沼市)の狩野浩一専務取締役は、ブース出展の狙いをこう語る。 同社は、気仙沼に水揚げされるサメから抽出されたフカコラーゲンを活用して、フカコラーゲンゼリーやフカコラーゲンスープなどの商品化を進めており、昨年10月に地域資源活用事業認定を受けている。コラーゲン配合商品はすでに数百種類も市場に出回っているが、大半は原材料や産地が不明確。その点、同社の製品は産地はもちろん、使用するサメの部位まで明らかにしているので、「食の安心安全」に関心の高い主婦層に受け入れられやすいと見ている。

 

インキュベーション施設の入居企業も出展、ブログや口コミ反響が楽しみ

Eプランの花岡さんと松澤氏
Eプランの花岡さん(右端)と松澤氏(右から3人目)

 一方、もう1社のEプラン(千葉県船橋市)は、3法認定事業者ではなく、中小機構が運営するインキュベーション施設「ベンチャープラザ船橋」の入居企業。強アルカリ電解水を用いた独自開発の洗剤「イーウォッシュ」を展示、PRした。一般の洗剤やクリーナーに含まれる界面活性剤や有害な化学物質を含まないため人や環境にやさしい上に、油脂分を瞬時に分解する洗浄力を備え、O-157(腸管出血性大腸菌)や大腸菌、サルモネラ菌なども除菌できる。
 同社の営業担当である松澤徹治氏は「清掃事業者や飲食店、病院などプロ向けに売れ始めているが、小さなお子さんやペットのいる主婦層にも受け入れられると期待した」と出展の動機を話す。経理担当で営業も手伝う花岡京子さんは「ブログの口コミによる反響が楽しみ」と笑顔を見せた。

 

土門裕之氏

地方のメーカーにも広げたい

地域活性化パートナー
オールアバウトライフマーケティング代表取締役社長

土門 裕之 氏

 

 当社は、2011年に生活情報サイト「All About」などを運営するオールアバウトと資本・業務提携したあと、2012年に連結子会社となり、昨年4月に現社名に変更しました。サンプル百貨店は食品をはじめとする消費財に強く、統合する時点で約40万人の会員基盤を持っていたので、All Aboutとつなげることで、広告・宣伝から販売促進までを一貫して行えるようになり、シナジー効果を見込めると判断したのです。
 扱う商品は飲料が全体の半分くらいを占めます。ペットボトル24本とか30本とかで1セットのものが多く、たとえば定価4400円のものが会員は配送料や梱包料込みで1000円強の負担で試すことができます。メーカーから当社の倉庫に商品が納品された時点で、サイトに掲載。早いものは1万セットが1、2日で申し込み終了となります。
 基本的にクライアントは大手メーカーが中心ですが、当社としては会員の満足度を高めるためにも、地方の良い商品を持っているメーカーにも広げていきたいという思いがあります。そのために、出品費用などの点でどのようなモデルを設定すればいいのか、中小機構と連携して模索しているところです。

中小企業施策普及紙「中小企業振興」/平成26年6月1日発行 第1121号

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