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第8回 JFWインターナショル・ファッション・フェア─公開商談会など多彩な支援─

販路開拓へスクラム 新連携・地域資源活用・農商工連携認定企業と支援ネットワーク

 

出展したいがために事業認定を申請

「スター誕生!公開商談会」プレゼンターとして

瀧本社長
「赤ちゃんの幸せは世界の幸せ」と話すオオサカヤの瀧本社長

 「(ベビー服ブランドの)『育児工房』という商品は、赤ちゃんに最高のものを届けたいという考え方で出していまして、キャッチフレーズは『世界一のきもちいい。をめざして』です」
 半年ごとに東京・有明の東京ビッグサイトで3日間にわたり開催される日本最大のファッション総合見本市「JFWインターナショナル・ファッション・フェア(JFW-IFF)」のイベントの一つとして、今や恒例となった中小機構主催の「スター誕生!公開商談会」。今年1月下旬に行われた同イベントで、プレゼンターのトップバッターを務めたオオサカヤ(愛知県半田市)の瀧本真代表取締役社長は、元民放アナウンサーとあって、口舌さわやかに話し始めた。
 オオサカヤは、子供服のセレクトショップを運営する一方で、瀧本氏の母で代表取締役会長の瀧本喜美代氏が15年ほど前に「吊天竺(つりてんじく)」という伝統素材と出合ったのを機に、ベビー服専門のアパレル分野にも進出。日本では2社しか保有していないとされる「吊編み機」を使って、職人が匠の技でオーガニックコットンを天竺編みにし、赤ちゃんの敏感な柔肌をやさしく包み込む肌着に仕上げる。今では同社の売り上げの約半分を占める商品に成長しているという。

プレゼン成功、百貨店他バイヤーが商談を希望

 公開商談会ではこれに加え、「育児工房」ブランドのもう一つの成長商品であるガーゼケットも紹介した。地元の伝統素材「知多木綿」のガーゼで作った赤ちゃん用の柔らかなケットで、ケットというと生成りが一般的なのに対し、ストロベリーやブルーベリーなど植物由来の染料で先染めした糸を使い、5色のカラーを揃えたのが特徴だ。
 ステージ上で、瀧本氏の話に耳を傾けるバイヤーは4人。「モノ・マガジン」を発行しているワールドフォトプレス、セレクトショップ「SHIP」を展開するシップス、オンラインショッピングサイトを運営するスタイルストア、それに大手百貨店である三越伊勢丹の担当者だ。瀧本氏との質疑応答のあと、司会役の山本聖・中小機構経営支援部プロジェクトマネージャー(PM)が判定を促すと、4人は一斉に「商談希望」と書かれた札を掲げた。
 公開商談会でプレゼンするのは、中小機構が新連携、地域資源活用、農商工連携の3法認定事業者の販路開拓を支援するために、JFW-IFFの会場内に設ける展示ゾーン「NIPPON MONO ICHI(ニッポン・モノ・イチ)」に出展している企業が中心だ。中小機構は、JFW-IFFの主催者で、中小機構の地域活性化パートナーでもある繊研新聞社と連携して、モノ・イチ出展企業に対し、このほかにも、さまざまなサポートを行っている。

出展の魅力は商談会以外にも

 今回の展示会では、初日の開幕前の早朝に「出展者向け“朝活”セミナー」を開催。サイトを通じて自分の事業に賛同してもらい、不特定多数の個人から小口資金を集める「マイクロ投資」について、その専門会社であるミュージックセキュリティーズの猪尾愛隆取締役が講演した。猪尾氏はセミナー終了後も、会場内に設けたコーナーで、出展者からの資金調達に関する相談に応じた。
 このほか、非公開の商談会や消費科学研究所の協力による品質表示相談コーナーも設けられた。さらに、モノ・イチ内の出展企業を対象に、商品企画やマーケティングなどの専門家による商品評価も行われた。
 「実は、この展示会に出たいがために、中小機構中部本部のPMに相談し、地域資源活用事業認定を申請することにしたのです」。公開商談会のステージから自社ブースに戻ったオオサカヤの瀧本氏はこう明かし、「今までは、公開商談会の審査員をしてくれたような専門家の人たちとの接点を作りたくても作れなかったが、これできっかけができた」と喜んだ。

間伐材を使った保育園向け木製遊具にも注目が

國里社長(左)
「『森から子供の笑顔が生まれる』が認定事業のコンセプト」と語る木の里工房木薫の國里社長(左)

 一方、ファッション関連展示会としては異色な保育園向けの木製遊具をモノ・イチ内に出展して注目を集めたのは、木の里工房木薫(もっくん)(岡山県西粟倉村)だ。スギ・ヒノキの間伐材を使った保育園用家具や遊具、ブロック玩具などを木を切り出すところから一貫生産しており、平成22年に地域資源活用事業認定を取得。以来、この回で出展参加3回目を数える。最初は玩具の「もくもくブロック」だけを出品したが、中小機構の山本PMと相談のうえ、2回目から主力の遊具も展示することにしたのだという。
 「林業は国の補助金で何とか採算が合っている状況なのに、都会では無垢の家具などには手が出ないほど、木は高いというイメージを持たれている。林業を再生するには、都市部の人とつながって、このギャップを埋めないといけない」。木薫の國里哲也代表取締役は地元の森林組合に勤務していたときに、今のビジネスの元になる事業プランを企画・立案した。ところが、平成の大合併に伴い、8つもの森林組合が統合されたことからこのプランが棚上げされてしまった。それで、平成18年に独立、創業したのだという。
 「木薫の事業自体をPRしたかった」と、今回初めて公開商談会にも挑戦、2社から商談希望を獲得した。國里氏に夢を問うと、「国産木材の保育家具でシェアナンバーワンになることだ」と、きっぱりと答えてくれた。

 

中小企業施策普及紙「中小企業振興」/平成26年5月1日発行 第1119号