中小機構について >  情報提供活動 >  中小企業施策普及紙「中小企業振興」 >  販路開拓へスクラム >  第6回 オーガニックEXPO─セミナー開き成功事例紹介─

第6回 オーガニックEXPO─セミナー開き成功事例紹介─

販路開拓へスクラム 新連携・地域資源活用・農商工連携認定企業と支援ネットワーク

 

中小機構近畿・沖縄・東京の広域連携で支援

ビジネスのタネを求めて賑わう会場に支援先7社が出展

ユーティ化粧品の武田社長(左)
自社ブースの前で談笑するユーティ化粧品の武田社長(左)

 オーガニック(有機栽培)に関する日本最大級の国際展示会として定着している「BioFach Japan(ビオファジャパン)オーガニックEXPO」。昨年10月31日から11月2日まで東京・有明の東京ビッグサイトで開かれた第13回展には、19カ国・地域から約190社が出展、国内外のバイヤーを中心に延べ約1万5000人が訪れ、ビジネスのタネを求める人たちで賑わった。
 中小機構がゾーン展開した「NIPPON MONO ICHI(ニッポン・モノ・イチ)」と呼ぶコーナーには食品から化粧品、衣料品まで、異なる分野の7社がブースを並べた。中小機構が、同展示会の運営会社で、中小機構の「地域活性化パートナー」でもあるスペースメディアジャパン(東京都中央区)の協力を得て設置した展示ゾーンで、7社は国の地域資源活用事業認定や農商工連携事業認定を受けている中小企業だ。
 中小機構はこれら認定事業者の出展を支援するだけでなく、近年、厳しい対応が求められる品質表示のチェックや、オーガニック製品を求めるバイヤーとのマッチングを行ったほか、会場内のステージで、「売れるオーガニック商品のススメ」と題するセミナーも開いた。登壇したのは、出展企業の1社であるユーティ化粧品(大阪市北区)の武田正晃代表取締役社長と中小機構の光井將宇・近畿本部プロジェクトマネージャー、山本聖・経営支援部プロジェクトマネージャーの3人。ユーティ化粧品を事例に、オーガニック商品で成功する秘訣を探るとともに、会場の経営者らに中小機構の上手な活用を呼びかけるのが狙いだ。

アロエへのこだわりが、創り手のモチベーションをも変える

 ユーティ化粧品は平成21年2月に「沖縄産アロエベラを使用した新化粧品及び原料の製造販売」で農商工連携事業認定を受け、化粧品などに使うアロエの代表的品種である「アロエベラ」の葉水98%の保湿ジェル「宮古島のうる肌アロエ」を開発、商品化。水を一切使わないため、肌に浸透しやすく内面から保湿できるなどの特徴が評価され、現在、販路と売り上げを順調に拡大中だ。
 武田社長が化粧品メーカーで商品開発を担当しているときに、粉末状態で日本に輸入されてくるアロエを見て「本当のアロエじゃない」と感じたのが創業のきっかけだ。大学と連携して製造法を開発、特許を取得する一方で、沖縄・宮古島の第三セクターと提携して原料調達ルートを確保。量産化に試行錯誤を重ねながらも、持ち前の行動力で一歩一歩、進んできた。
 武田社長はセミナーで、商品ができる7カ月も前から、地元宮古島の空港やバスに広告を打ったというエピソードを披露。それまで、収穫されるアロエベラの品質が生産者によってまちまちだったのだが、広告を見て「農家の人が自分たちのブランドとして意識するようになり、いいアロエベラを作ろうと、モチベーションがものすごく上がり、アロエベラの品質も安定していった」と意外な効果を語った。
 また、商品のサンプリング(試用販売)を行う場所を中小機構の近畿本部に相談したら、沖縄事務所を通じて那覇空港を紹介してくれたと説明。そのときに16軒の小売店と契約できたと明かし、「展示会出展では東京の本部にもお世話になっており、中小機構の近畿、沖縄、東京という広域連携の形で支援を受けている」と強調した。

手延べ技法でパスタを製造、今後の市場拡大の切り札に

平野製麺所の平野氏
来場者に商品説明する平野製麺所の平野氏

 一方、認定事業者7社のブースが並ぶ「ニッポン・モノ・イチ」コーナー。「手延べ、手延べというけど、本当に手で延ばしているメーカーさんは実に少ないのです」と来場者に語りかけているのは、平野製麺所(兵庫県南あわじ市)の平野拓治氏だ。大正初期の創業と約100年の歴史を誇る老舗製麺所の「職人兼営業」を自任、3代目社長の父親を兄と2人で盛り立てる。
 同社は平成22年6月、「淡路島伝統の手延素麺技法を活用した『和麺パスタ』及び『サラダ麺』の開発と販売」で地域資源活用事業認定を取得。全国的に珍しくなった一本一本手作りの手延べ技法で、まず、淡路島産の野菜粉末を練り込んだパスタ専用麺を商品化した。
 「素麺やうどんは、ガチガチに市場が固まっているので、新規商品が入りにくい。そこで、パスタで切り口を作り、既存商品も拡大しようという考えだ」と平野氏。地元の商工会の紹介で、中小機構を知り、事業計画作りから支援を受けたそうで、「前回の展示会にも出させていただき、中小機構さんのご尽力で良い取引先も見つかった」と、笑顔を見せた。

 

光井將宇氏

夢を持って働く人を増やしたい

中小機構近畿本部
プロジェクトマネージャー

光井 將宇 氏

 

 私は大学発ベンチャーの社長を歴任し、起業はもちろん、倒産も株式公開も経験しています。30代で経営者をリタイアし、現在は奈良先端科学技術大学大学院で客員准教授を務める傍ら、中小機構や自治体などで中小企業振興に取り組んでいます。中小機構のプロジェクトマネージャーの仕事はもう8年ほどになり、最初は「新連携」、「農商工連携」の法律ができてからは農商工を主に担当しているほか、経営者からのあらゆる相談に乗らせていただいています。
 「働く」ということは、とても素晴らしく、楽しいことなので、気持ち良く、わくわくしながら夢を持って働く人をできるだけ多く増やしたいというのが私の夢です。ですから、社長さんたちにも、ご自身がわくわくして新しい事業に取り組んだり、従業員の人たちと夢を共有したりしてほしいと話しています。
 ユーティ化粧品の武田正晃社長はまさに、わくわくしながら仕事をされている方です。近畿本部では武田社長が中心になって認定事業者らのネットワークができ、1+1が3にも4にもなるような効果をあげています。

中小企業施策普及紙「中小企業振興」/平成26年3月1日発行 第1115号