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第5回 ときめき調味料選手権─「賞」獲得で知名度アップへ─

販路開拓へスクラム 新連携・地域資源活用・農商工連携認定企業と支援ネットワーク

 

地域活性化パートナー3者が協力

調味料選手権で2種類の商品が最優秀賞に

津曲取締役(左)と岩田さん
自社商品の試食・販売をする福山黒酢取締役の津曲凉子さん(左)と同営業部の岩田剛士さん

 「びっくりしている。黒酢はいろんな食材に使え、身体にも良いことなどが評価されたのだと思う」
 昨年11月3日に東京・池袋の東武バンケットホールで開かれた「ときめき調味料選手権2013」の表彰式。全3部門のうち「ごはんのおとも部門」と「万能調味料部門」の2部門で、黒酢をベースにした2種類の商品がそれぞれ最優秀賞を受賞するという快挙を遂げた福山黒酢(鹿児島県霧島市)の津曲(つまがり)泰作代表取締役は、壇上で満面の笑みを浮かべた。
 日本野菜ソムリエ協会が主催する調味料選手権は昨年で4回目。上位入賞すると売れ行きが急伸することから、年々エントリー商品数が増えており、過去最多の83社・団体から125品の調味料が出品された。
 このうち福山黒酢を含めた33社は中小機構の支援で国の地域資源活用事業計画認定や農商工連携事業計画認定を受けて新商品開発に取り組んでいる事業者で、中小機構の呼びかけに応じて参加。福山黒酢のほか、食酢・酒類メーカーの九重雑賀(和歌山県紀の川市)と農業法人の田中農場(鳥取県八頭町)も、それぞれ「ごはんのおとも部門」と「サラダ部門」で優秀賞を獲得した。

賞は調味料マイスターの審査や試食・販売時の声も反映

  同選手権は表彰式から4カ月さかのぼる7月にエントリーを受け付けてスタート。書類による1次審査を経て、8月中旬に野菜ソムリエ協会認定の調味料マイスターら約20人の専門家による第2次審査が行われ、入賞商品23品(19社)を選出した。このうち13品(10社)を認定事業者が占めた。
 これら入賞商品は10月3日から23日まで、東武百貨店池袋店地下2階にある食品専門店「北野エース」の店頭で、試食・販売が行われた。入賞商品の中から最優秀賞と優秀賞を決める最終審査に、一般買い物客の評価も反映させようという今回初の試みで、東武百貨店と北野エースを運営するエースの協力を得て実現した。
 野菜ソムリエ協会、東武百貨店、エースの3者は、もともと中小機構の「地域活性化パートナー」登録企業だが、手を組むのは今回が初めて。仕掛け人の長澤多加生・中小機構経営支援部プロジェクトマネージャーは「賞の審査にバイヤーにも参加してもらえるし、全国約60店舗の北野エースで入賞商品を販売してもらうことも期待できる」と狙いを語る。エースの濱中篤志・東武池袋店店長も「ふだんから個性的な商品を置いているので、ここなら調味料選手権で高評価された商品を置いてあるはずと思って来店されるお客さまの期待に応えられる」と、同社にとってもメリットがあることを強調する。

出場の狙いはズバリ、全国的な知名度アップ

大徳醤油の浄慶取締役
買い物客に自社商品の説明をする大徳醤油取締役の浄慶拓志さん

 「福山黒酢は鹿児島では知られているが、関東や関西ではまだまだなので、全国的に知名度を上げたい」。10月中旬、北野エースの店頭で、試食・販売していた福山黒酢の津曲凉子取締役は、調味料選手権に出場した狙いをこう語った。その隣で、やはり認定事業者である大徳醤油(兵庫県養父市)の浄慶拓志取締役営業部長もサラダ部門で入賞した「有機ノンオイルドレッシング とまと」などを試食・販売しており、買い物客に「全国でも珍しい国産の有機しょう油をベースに、地元の有機野菜をたっぷり使ったドレッシングです」とアピール。中小機構について聞くと、「現在も新商品開発について相談しているが、なかなか的確なアドバイスをもらえる」と話してくれた。
 「お客さまからも、いろんな声を聴くことができたし、試食・販売する側にも情熱を感じた。本当に良いイベントだった」。表彰式の会場で、東武百貨店池袋店の前田勇治・食品部マネージャーは、こう振り返った。

 

井上麻知子氏

調味料業界の活性化
を応援

地域活性化パートナー
日本野菜ソムリエ協会マーケティング事業部部長

井上 麻知子 氏

 

 当協会が2009年に11月3日を「調味料の日」と制定し、翌年から「調味料選手権」をスタートしたのですが、多くの調味料メーカーに認知されてきたと感じています。このようなイベントを開催することで、少しでも調味料メーカーの力になり、生活者の方々に新しい発見や食の楽しみを提供できれば、喜ばしいことです。
 今回は初めて百貨店での試食・販売を行ったのですが、各社ともレベルの高い商品を出品し、気合いを入れて販売していると感じました。
 引き続き、調味料業界の活性化を応援していきたいという思いに変わりはありませんが、今後の展開は改めて検討することになります。ただ、東武百貨店とのつながりは大切にしていきたいと思います。

 

長澤多加生氏

審査の攻略法を伝授

中小機構経営支援部
プロジェクトマネージャー

長澤 多加生 氏

 

 国の地域資源活用プログラムがスタートしたのを機に、中小機構が流通系の専門家を採用するようになったのですが、私もその最初の頃に現職に就き、かれこれ7年になります。調味料選手権のようなケースでは、出品する認定事業者に、まず書類審査を通過するためのポイントをお伝えします。商品の特徴や開発にまつわるエピソードなどをきちんと整理して書いてもらうなど、応募用紙の書き方からお教えします。調味料マイスターとバイヤーのそれぞれに攻略の仕方がありますから、それも伝授します。
 一方、売れる商品を開発するためには、自分たちだけで考えないで、お客さまやバイヤーらに相談することが大事です。また、そういう機会を作ってあげるのが私たちの仕事です。

中小企業施策普及紙「中小企業振興」/平成26年1月15日発行 第1112号