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自社の強み全社員で共有 【カンディハウス(北海道旭川市)】

直販50%へブランド化を推進

 

にっぽん元気カンパニー

カンディハウス
【事業内容】 住宅・オフィス・コントラクト家具、特注家具及びホームファニシング関連商品、インテリアデザインの企画・設計・施工及び工事監理
【創業】 1968(昭和43)年9月
【資本金】 1億6000万円
【従業員数】 268人

家具を世界へ

 良質な木材を選び抜き、頑丈で修理可能な構造を考え、永く使用できる家具づくりにこだわり続ける。これがカンディハウスの企業ポリシーだ。製造販売するテーブル、椅子、ソファーなどは、何代も引き継ぐことができる価値ある製品群。使い込むほど良さがわかる高品質家具である。
 木製家具製造の技術者だった創業者が欧州で修業し、そこでの家具に魅せられたという。帰国後に欧州で通用する家具を日本でつくり、世界へ売りたいと考え、1968年旭川市に社員12人で創業したインテリアセンターが同社の前身となる。世界への足掛かりとして1984年には米国サンフランシスコに現地法人を設立し、ショールームを拠点として米国市場進出の足掛かりとした。2005年にはドイツのケルン市に現地法人を設立している。
 国内は、ショップ併設の支店を全国に8支店。昨年からは、2011年に営業拠点を東京に統合して以来、2年半ぶりの再出店となる仙台をはじめ、大阪、福岡支店も拡張移転し、拠点整備を進めてきた。このほか、グループ店4ヶ所、大手百貨店などにも製品を卸している。

営業を先行

藤田社長
「技術とデザイン性が最も重要」と語る藤田社長。本社内にはショップが併設され多くの人が訪れる

 昨年3月、代表取締役社長に就任した藤田哲也氏は、入社以来31年間一貫して営業畑を歩み、家具づくりを販売面から見てきた。「モノづくりは基本ですが、売る努力が伴わなければ注目されないし、ニーズの把握もできません。技術に支えられデザイン性の高い家具をつくることと、適切な販売手法を確立することは車の両輪です」との考え方を示す。
 モノづくりが先か販売が先か、良いものをつくれば売れるのか販売努力をするから売れるのか。これは「鶏と卵」の議論と同じ。どちらかに偏るのではなく、バランスが大事になる。現状は「海外市場を展望し販売を強化する」と、営業が少し先に出ると藤田社長はいう。
 メーカーが抱える在庫リスクを解消し、受注生産体制に近い形で量的な拡大を図ることで会社は伸びるからだ。

復調する売上高

 約40億円台で推移してきた売上高は、2008年のリーマン・ショックで大きな打撃を受けた。いい製品でも売れない厳しい状態で翌2009年は売上高が25%減となった。その後は横ばいが続き30億円が壁のよう立ちはだかる。この状態が12年まで続く。
 販売努力が実を結び始めたのは昨年5月から。受注が前年同月を上回るようになり13年度はようやく売上高で31億円と壁を超えた。現在、最新鋭のNCマシンを追加投入するなど設備投資を行い、生産体制を整えている。今年度は33億円の売上高を見込んでいる。
 「受注は好調に推移してきましたが、それでもリーマン前の水準まで戻っていません。生産能力を上げ、直営店の拡充など販売強化で増収を目指します。現在30%の直販を50%にまで高めたい」と藤田社長は今後の展望を語る。

企業価値とは

本社工場
活気に溢れている本社工場

 業績をしっかりとした復調軌道に乗せるために不可欠となるのがブランド力だ。顧客に対しては「積極的に情報を発信し、当社の製品の良さを知ってもらう。ブランドを認知してもらうことが企業価値を高める」と藤田社長は強調する。それともう一つ力を入れるブランドがある。それは自分たちの強みを全社員が共有すること。インナーブランディングだ。
 重視するのは社内コミュニケーションの円滑化。全社員に創業の精神を伝え、全国の支店をつないだビデオ朝礼、入社年別のランチミーティングなど、あらゆる場面で会社の方針を伝える努力を怠らない。さらに近隣に所有する社有林では社員と家族で植樹を行う。植えた苗木は総計1万本に達しているという。
 社内研修も充実させている。製造部門では先輩社員がコーチとなって技術伝承するマイスター制度があるほか、中小企業大学校旭川校にも社員を派遣し、管理職研修などを受講させている。
 これらの総合的な展開が強いブランド力を醸成していく。旭川から全国へ世界へとカンディハウスの家具が行き渡る。それを加速させていくのは、社員たちが抱く情熱と誇りだろう。そこに企業価値がある。

中小企業施策普及紙「中小企業振興」/平成26年8月1日発行 第1125号