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保育業界のナンバーワンめざす 【アイグラン(広島市)】

大都市での事業加速へ 売上高目標将来100億円

 

にっぽん元気カンパニー

アイグラン
【事業内容】 企業内・病院内保育施設および認可保育園の運営、旅行用品のレンタル
【創業】 昭和41(1966)年
【資本金】 5000万円
【従業員数】 本社スタッフ51人、保育スタッフ1407人

まだまだ民間運営が少ない保育事業で

 「夢は保育業界のナンバーワン企業。当社の成長が結果的に待機児童の解消に繋がり、ひいては日本のお役に立てることになる。広島から東京そして全国を目標に事業展開を図っていく」
 アイグランの重道泰造代表取締役は、力強くこう語る。企業内・病院内保育施設および認可保育園の運営を手がける同社は、昨年11月現在で事業所内保育園146園、認可保育園22園の合計173園を運営する実績を持つ。その範囲は35都府県に及び、さらに広がり続けている。全国に約2万3000カ所ある認可保育園の場合、同社のような株式会社の事業形態で運営されている保育園はまだ300カ所程度。圧倒的多くが公立または社会福祉法人による運営で、民間企業にとってこの有望な市場の開拓で保育業界のトップを目指そうというわけだ。

質の高い保育サービスで安全・安心を提供

重道社長
「利用者の顧客満足をいかに高めるかが大事」と語る重道社長

 平成12(2000)年の小泉内閣による規制緩和政策で、認可保育園の民間委託が進められてきたが、保育園運営を株式会社の事業対象とすることに、保育の質の低下や安心・安全の確保などの点で批判的な声があったのも事実。重道社長は、「相手の立場に立った保育サービスの徹底」でそうした不安の解消に努めてきた。
 事業所内保育園では、保育士が全体の3分の1いれば運営できる規定だが、職員全員を保育士の有資格者にした。また認可保育園のすべての教室にWebカメラを設置し、保護者が携帯電話から子供の様子を知ることができるシステムの導入や、食事でも加工済冷凍食品や化学調味料は極力使わず、天然だしによる手づくりの食事とおやつにこだわり、食器も磁器製品を使用するなど、公立保育園にも見られないような先駆的な取り組みを実現させている。
 「保育は広い意味のサービス業であり、利用者の顧客満足をいかに高めるかが大事。その分コストはかかるが、質の高い保育サービスで安心・安全を提供し、保護者の立場に立った保育ニーズにどう応えていくか、そこが問われてくる」と重道社長は強調する。

参入のきっかけは病院職員向けの保育園に関するニュース

 創業は昭和41(1966)年。父親が始めたテレビレンタル事業を受け継ぎ、平成8年に前身の「アイレンタル」の社長に就任。テレビレンタルのほか、勤めていた食品商社での海外出張の経験から、旅行スーツケースのレンタル業も開始した。しかし米ニューヨークの同時多発テロにより、「スーツケースのレンタル需要がほぼゼロ」という大きな痛手を被ることに。
 「海外旅行に依存しないビジネスの発掘を」と考えていた矢先、東京で病院職員向けの保育園がスタートしたとの新聞記事が目にとまった。病院内のテレビレンタル事業を継続していたことから、病院内保育施設の運営に着目したのが、保育サービス事業に参入するきっかけになった。24時間態勢の病院での保育ニーズに応えることは、単に病院の福利厚生事業としての保育園の設置ということだけではなく、医師、看護師の確保という意味を持つ。「一つの病院しかない地域では、病院職員の確保は医療機関の存続を左右する問題でもあり、病院内保育施設の運営は、地域全体を支える大事な仕事でもある」と重道社長は話す。

平成23年にニュービジネス大賞を受賞

保育園児と重道社長
保育の質の向上にも徹底した取り組みが(広島市認可保育園のあい保育園で)

 3年前に「アイグラン」に社名変更、今年は待機児童を多く抱える東京、大阪など大都市圏での保育事業を加速させる計画だ。そのためにも保育事業の実績を積み重ね、信頼される受け皿としての保育園運営をより強化することで「来るべき保育の質を競う時代」に対応する考えだ。
 中小機構中国本部とは、平成23年に中国地域ニュービジネス協議会からニュービジネス大賞のグランプリを受賞したのを契機に、経理、財務など業務全般についてアドバイスを受けている。「企業として存続し成長していくうえで、未熟な部分を指摘し正してくれる存在は大切。中小機構の支援にはたいへん感謝しており、その期待に応えることが中小機構への恩返し」という。
 同社の25年12月期の売上高は36億円の見通し。うちテレビ、スーツケースのレンタル事業は2億円弱と、ほとんどが保育事業の売り上げ。「利を追求することではなく、適正な利潤を確保しなければ企業として存続できない。存続しなければ、待機児童解消のお役に立てず、社員の幸せも実現できない」と重道社長、2年後に売上高50億円、将来は100億円を目標に掲げ、保育業界のリーディングカンパニーとしての地位を視座に置いている。

中小企業施策普及紙「中小企業振興」/平成26年1月15日発行 第1112号