中小機構について >  情報提供活動 >  中小企業施策普及紙「中小企業振興」 >  にっぽん元気カンパニー >  いい食材は全国から 【(株)北辰フーズ(北海道江別市)】

いい食材は全国から 【(株)北辰フーズ(北海道江別市)】

来年は中部・関西へも商圏拡大

 

にっぽん元気カンパニー

(株)北辰フーズ
【事業内容】 農産物、畜産物、水産物の食品加工・販売及び冷凍・冷蔵食品並びに菓子類の製造・販売
【設立】 平成16(2004)年2月
【資本金】 7000万円
【従業員数】 58人

9期連続増収益

シャーベリアス
主力商品の夕張メロンゼリー「シャーベリアス」シリーズ

  夕張メロンゼリー「シャーベリアス」シリーズを主力商品に、設立以来、9期連続増収益の北辰フーズ。今期(平成25年12月期)も前期比30%増の12億8000万円の売上高を見込み、快進撃は続く。「素材の良さとニーズに見合った商品開発を常に心掛けている。おいしいものを作れば売れる」と宮谷将徳・代表取締役社長は自信を示す。
 整理対象となっていた乳業メーカーの子会社を引き取り、東京の食品会社を退職して平成16(2004)年に27歳で北辰フーズを立ち上げた。「初めて訪問した時の社員たちの対応が見事で、この人たちとなら一緒に仕事ができる」と思ったのが会社設立の決め手になった。事業として残っていたデザート部門を継承、その後の相次ぐ商品開発で今や商圏は北海道から東北、関東に広がり、「来年からは中部、関西地域への拡大を目指す」計画だ。

ニーズ対応重視

 同社の商品開発のコンセプトは、夕張メロンゼリーがそうであるように、食材の未利用部分をいかに活用するかにある。生産者が出荷時期を逸した食材などを買い取り、これを原料にゼリー製品として商品化する。メロン、さくらんぼなど北海道産の果物から、3年前からは「いい食材探しに全国を対象に広げた」。青森県のりんご、沖縄県のパイナップルやマンゴー、シークワサーのほか、今年7月には山梨県のももを原料にしたフルーツゼリーの販売を開始する。「会社にいるのは1カ月のうち10日ほど。あとは今年に開設した東京事務所などを拠点に、いい食材探しに全国を奔走している」という。
 同時に重視しているのが消費者ニーズへの対応。百貨店、食品スーパーを中心にした売り場とともに、土産用あるいはギフト用など用途に見合うパッケージデザインの見直しを常時行っている。今年度は、一口サイズの「ミニシリーズ」を前面に打ち出す方針。また、味覚についても研究し、時代のトレンドに即した味を商品に取り込むようにしている。

野菜ゼリー販売

 これらフルーツゼリーに加え、中小機構北海道本部などの支援を受けて開発に取り組んでいるのが、野菜を原料にした「ベジタブルゼリー」と、かぼちゃの種から摂取する「シードオイル」の2種類。同社では次代を担う事業の柱づくりとして、栄養素の高いアスパラガスに着目、「擬葉(ぎよう)」と呼ぶ茎の未利用部分を活用したアスパラ擬葉粉末を添加して製品化、農商工連携として平成22年2月に事業認定を受けた。中小機構のアドバイザーからゼリー製品としての採用を提案され、昨年3月に生産ラインを新設、ベジタブルゼリーの第1弾を発売した。
 ベジタブルゼリーとしての市場評価を検討し、今年6月からは「赤」「緑」「黄」のカラーバリエーションで本格販売に踏み切ることにしている。アスパラ擬葉パウダーを添加しトマトやかぼちゃ、トウモロコシなどを使用、カラーバリエーションを徐々に増やしていく考えだ。
 シードオイルは、かぼちゃの未利用部分である殻を取り除いたむき身の種から搾り取る油。海外では医療系の健康食品などに使われたりするが、コストがかさみ、日本ではほとんどが廃棄されていた。「アスパラのように価値観を変えて何かに活用できないか」。この発想のもとに2年前に製品化にチャレンジ、北海道商工会連合会の農商工連携ファンド(中小機構が出資)で事業化への取り組みが採択され、試行錯誤のうえ瓶入りのシードオイルの製品化を目指している。「付加価値を高めるため、ドレッシングメーカーや健康食品としての原料に売り込みを図っている。まだ販路を模索している段階。本年度中には商売に結びつけたい」という。

 

新工場も視野に

宮谷社長
「来年は関西圏にも市場を広げたい」と抱負を語る宮谷社長

 宮谷社長は「中小機構の存在は以前から知っていた。未利用資源の活用で中小機構にアドバイスを受けようと思った。そのシナジー効果は大きい。他の企業も積極的に相談すべき」と話す。
 生産の拡大に伴い、2年後には新工場の建設も視野に入れる宮谷社長、「創業して10年。そして次の10年に何をするか。その答えは現場にある」と将来を見据える。

中小企業施策普及紙「中小企業振興」/平成25年6月15日発行 第1098号