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平成28年 年頭所感

独立行政法人中小企業基盤整備機構 理事長挨拶

 

 新年、明けましておめでとうございます。平成28年の新春を迎えるにあたり、年頭の御挨拶を申し上げます。旧年中は中小機構の諸事業につきまして、中小企業の皆様や地域の皆様、関係機関の皆様の多大なるご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げる次第であります。

理事長 高田 坦史

 理事長 高田 坦史

 

 我が国経済は、中国経済減速などによる影響もありますが、全体的にはアベノミクス効果で緩やかに景気回復の方向に向かっております。しかし、円安や原油安による恩恵を受ける企業が主導する形となっており、多くの中小企業においては、依然として原材料価格の高騰や消費税増税、人手不足などが経営に影響を及ぼしており、未だ回復の実感がつかめていないのが実状であります。

 我が国では、労働力人口が1998年にピークアウトし、その10年後の2008年には総人口がピークとなり、以降減少傾向にあります。人口減少に伴う国内市場の縮小が見込まれる中、中小企業は新たな販路開拓に向けて海外市場へ進出して行くという姿勢が必要となっております。

 昨年10月に環太平洋パートナーシップ(TPP)協定が大筋合意に至りました。このTPPの動きは、今後の日本の中小企業の海外展開を飛躍的に促進する「最大のチャンス」だと思っております。TPP参加12ヶ国の市場規模は、人口8億人、世界のGDPの4割を占めます。その巨大経済圏の中で、関税撤廃のみならず投資や知的財産、政府調達、労働、環境など幅広い分野で包括的な取り決めがなされています。これにより、日本の中小企業は、国内市場とほぼ同じ条件でビジネスができるようになります。幸い、日本の技術やサービスは海外から高い評価を受けていますから、今後は今まで海外市場に縁のなかった中小企業も「攻めの姿勢」で海外需要をつかむ努力をしていくことが肝要だと考えております。

 また、海外展開を図っていくには、インターネットなどのITの活用が不可欠となっております。インターネットによる商取引(eコマース)の市場規模はますます拡大しており、海外市場への販売も、国境を越えて商取引を行うeコマース(越境EC)により、多大なコストと手間をかけず、リスクを抑えた取引が可能となります。

 現在、当機構では、eコマースの推進を図るため、イベント・セミナーやオンライン講座などを開催しておりますが、今後は、これらをさらに拡充し、多くの中小企業がITを活用して、越境ECに取り組むことができる環境整備を図っていくこととしております。

  また、中小企業が海外展開をしようとする場合、海外で信頼できるパートナー企業を見つけることが重要ですが、容易なことではありません。当機構では、BtoBのマッチングサイト「J-GoodTech(ジェグテック)」を立ち上げ、優れた技術や製品を有する日本の中小企業と国内外の企業とのマッチング支援を展開しており、これまで、国内大手企業とのマッチングでは一定の成果を出してきております。今後は海外企業とのマッチングをより一層強化するべく、海外政府機関の協力も得て、優良な海外企業の情報登録に取り組んでまいります。

 なお、TPPに関しては、昨年11月に全国10ヶ所の当機構地域本部等に相談窓口を設置し、TPPの活用方策に関する情報提供や海外展開を目指す中小企業の皆様のご相談に対応しております。

 また、中小企業大学校での研修や各種セミナーのほか、当機構で運営しているビジネス支援サイト「J-Net21」等を通じて施策情報の提供をさせていただいております。是非、TPPを今後のビジネスの戦略を見直す契機として、捉えていただきたいと思っております。 また、中小企業にとって大きな課題の1つとして後継者不在の方の事業承継問題が挙げられます。当機構では、これに対応するため、各都道府県に設置された「事業引継ぎ支援センター」の全国本部として県域を越えたデータベースを整備してサポートを行っています。

 さらに「東日本大震災の復興支援」「創業・新事業展開支援」「専門家派遣」「人材育成支援」「小規模企業共済」等についても、全国の支援機関と当機構地域本部との連携を強化し、これまで以上に中小企業の皆様のご期待に応えられるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 最後になりましたが、当機構は、中小企業の皆様にとっての「チャレンジ・チャンス・チェンジ」を最大限バックアップしていけるよう努力してまいる所存です。皆様方におかれましては、この一年がさらなる飛躍の年になりますよう心からお祈り申し上げ、年頭の御挨拶とさせていただきます。