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いわき ならは村ふれあい広場(平上荒川地区仮設施設(楢葉町避難先))

仮設からの報告【第3回】─福島県いわき市(楢葉町)2─
商工会の縁から共同経営で出店

いわき ならは村ふれあい広場(平上荒川地区仮設施設(楢葉町避難先))

採算面で厳しく、競争激化も

猪狩久市氏(右)と根本茂樹氏(左)猪狩久市氏(右)と
根本茂樹氏(左)
 もう一つの仮設店舗「いわき ならは村ふれあい広場」(楢葉町・上荒川仮設店舗)は、いわき市平荒川の新常磐交通車庫敷地内の、楢葉町避難仮設住宅に隣接する形で、昨年12月14日オープンした。楢葉町で2店舗のスーパーを経営する「ネモト」の根本茂樹代表取締役と鮮魚店「魚久」の猪狩久市社長が共同経営する生鮮食品、酒、煙草、日用品の小型スーパー。ネモトは震災後、広野町で火力発電所復旧工事の作業員向けの店舗を民宿に開店、その後は、Jヴィレッジ内に仮設店舗の小型スーパーを出店して事業を再開した。
 猪狩氏は商工会副会長、根本氏も商工会の有力メンバーで、商工会の縁から共同経営で出店を決めた。同地区には楢葉町からの避難の仮設住宅250戸があり、「避難している楢葉町の方々にお役に立ちたい。また従業員を一人でも雇用したい」というのが出店を決めた最大の理由。まだ開業から一カ月、「一日の来客数は平均100人前後。採算面ではかなり厳しいが、仮設は高齢者が多いので暖かくなれば来客も増えるだろう」と今後に期待している。また「地元産の食料品を扱いたいが、風評被害で使えない」という悩みもある。仮設住宅には、トラックでの移動販売、スーパーのネット販売などが押し寄せ「競合が激化している」という。
 

第2のふるさと「いわき ならは村に」

 しかし、「仮設住宅に住む高齢者の表情は暗い。ふれあい広場に来て、明るくなって欲しい」と店舗前には飲料メーカーの提供のベンチを置いた。店舗に隣接してラーメン屋など飲食棟も近く着工される。「楢葉町にいつ戻れるのか分らないが、町民がいる限り、ここで頑張りたい」と二人は決意を固めている。“ふれあい広場“は、文字通り第2のふるさと「いわき ならは村」となることだろう。

 

草野 孝・楢葉町長

複合災害を克服し、新しい楢葉の復興を

佐藤昭・塩釜市長楢葉町長
草野 孝 氏

 3月11日の東日本大震災から11カ月が経過しましたが、東京電力福島第1原発事故で半径20キロ圏内の楢葉町は、大半が未だ警戒区域内にあり全町民が避難を余儀なくされています。町としては、一日も早く楢葉に帰宅できるような施策を掲げ、取り組んでいるところです。そのための放射能除染は、町役場からテスト的に実施し、次いで町内の放射線量が高い地区から手がける予定です。除染により生じた除去物などの仮置き場の確保も大切な課題となっています。政府は、中間貯蔵施設を「双葉郡内に」という方針を打ち出したことから、双葉郡内は揺れていますが、「双葉は一つになって復興に取り組む」ことが大切です。
 今年1月策定した「楢葉町復興ビジョン」では、大震災から10年間を復興計画とし、「地震・津波災害と原子力災害を克服し、より健康で暮らしやすい、新しい楢葉の礎をつくる─住む人すべてが安心して健康に暮らす、先進モデルの町を目指す」ことを目標に掲げました。若い人たちが戻ってこないと町の復興などとても考えられません。とくに雇用の問題は、復興にとって欠かせないテーマです。
 今回、いわき市に整備された二つの仮設店舗と四倉中核工業団地に完成した楢葉町避難企業の仮設工場で事業を再開できたことは、楢葉町の産業復興の第一歩となるものと考えています。行政として、町民はもちろん、さまざまな人々の知恵と力を結集して、新しい楢葉町を目指し、「復興」に向けて全力で取り組んで参ります。