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海鮮食堂・やま登(しおがま・みなと復興市場)

仮設からの報告【第2回】─宮城県塩竈市2─
笑顔を取り戻した海鮮食堂店主

海鮮食堂・やま登(しおがま・みなと復興市場)

悩みながらも、仮設入居を決断

「海鮮食堂・やま登」店主の畑中さん(右)「海鮮食堂・やま登」
店主の畑中さん(右)
 塩釜は、”マグロ“の街として有名で、松島観光のお客さんも” マグロ料理 “が、お目当ての人が多い。 “しおがま・みなと復興市場“ に入居した海鮮食堂「やま登」は、松島に行く途中の国道45号に面した杉の入地区で20年の実績を持つ老舗。もちろん看板は、「マグロ料理」で、テーブルとカウンター、座敷席を持ち、マイクロバスで乗り付ける団体にも人気の大型店だった。しかし3月11日の津波で被災、その後の台風で、自宅兼店舗は浸水、使いものにならなくなった。店主の畑中眞由美さんは、修復するか、市の紹介で空き店舗に入居するか…など悩んだ末、「仮設店舗に入居を決断した」。このため出店が約1カ月遅れた。
 

「泣いたり、笑ったりしながら」歩みだす

 仮設店舗は「調理場が狭く、席数も限られているためメニューは、マグロ丼などの3分の1程度しか出せない」。しかし、「どんな形であれ、海鮮食堂”やま登”の看板を出すことができた。何よりも、常連のお客さんが訪ねて来ると、思わず涙が出る」。だから「悩んでいても仕方がない。働いている方が楽しい」。友人からは、「悩んでいた時の顔は怖くて声をかけることができなかった」と言われたが、ふっ切れたことで笑顔を取り戻した。家族とともに仙台市宮城野区の借り上げ住宅に住んでいる。「欲を言ったらきりがない。泣いたり、笑ったりしながら一歩ずつ歩み出した」と、新たな挑戦を開始した。

 

佐藤 昭・塩竈市長

「再び笑顔と活力あふれるまちに」

佐藤昭・塩釜市長塩竈市長
佐藤 昭 氏

 未曾有の震災から10か月余り。市民の皆さんとともに懸命に復旧、復興に取り組んでおります。津波被害が大きかった中心市街地は、危険建物の解体が進むも、道路や信号機などが復旧し、塩釜神社、水産物仲卸市場などでは、観光客の姿が見られるようになりました。
 この間、本市では震災復興計画を審議するため「震災復興計画検討委員会」を設立し、検討会議で毎回、熱心な議論を重ねました。その一方で、この計画に市民の皆さんのご意見を反映させるため、地区懇談会の開催、市民の皆さん、地元企業へのアンケートを行いました。その計画案が昨年11月、市に答申されました。計画では、復興を達成するまでの期間をおおむね10年間とし、復旧にとどまらず、より快適で活気あるまちへの復興を目指し、市民の皆さん、地元企業との協働で被災者の皆さんの生活再建に最優先で取り組んで参ります。
 震災後、「一日も早くもとの活気を」と、商店などの事業再開のため市はいち早く中小機構に仮設施設整備の支援をお願いしました。現在、市内2か所の仮設店舗には鮮魚店、食堂、洋品店などが随時開店し、新たな商店街、観光スポットとして話題を呼び、客足も少しずつ増えているようです。
 入居された皆さんは「自立できるまで、ここで頑張る」と、振興会を組織し、イベントを行うなど積極的に活動しています。さらに、仮設事務所・工場の入居が始まっており、心から感謝申し上げます。

 
 

【入居仮設施設】

平成24年2月1日発行 第1065号