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佐良スタジオ(南三陸町)

佐良スタジオ・佐藤信一様佐良スタジオ・佐藤信一様

─被災前の営業はどちらで行われていましたか。

 古くから南三陸町志津川の市街地中心部にある五日町商店街で魚の販売や米穀店などの商売をしてきましたが、昭和47年から写真館として営業し、私で2代目になります。

 

─お取り扱いされていました商品・サービスやお仕事の内容をお聞かせください。

 記念写真や証明写真、町内の学校のアルバムの写真や商品撮影、イベントやまつり、町の風景写真など、写真と名のつくものはほとんどやっていました。「町の写真屋さん」という感じですね。

 

─被災の状況をお聞かせください。

 自宅兼店舗だった写真館は、すべて津波で流されてしまいました。ただ私は避難するときにカメラバックだけは持って避難していたんです。正直なところ、もしカメラバックを持たないで避難していたら、震災後にスタジオを再開しようとは思わなかったかもしれません。「カメラがあれば仕事ができる」そんな思いだけはありましたね。
 

 

─仮設施設の入居申し込みをされた時のお考え、希望などお聞かせください。

佐良スタジオ店内
 震災後は避難所生活となったのですが、私としてはすぐにでも仕事を始めたいという思いがありました。しかし、避難所にパソコンやプリンターを置いて仕事する訳にもいかないので、アパートを借りて仕事を再開したんです。
 当時は日中に被災地の現状を撮影していたのですが、その一方で、町の商工団地の通り沿いに、店の名前と携帯番号、「営業しています」と書いた看板を立てたのですが、すぐに古い写真の修復などの依頼の電話が入りました。
 お客さんにはアパートを探して持ってきてもらったりしていたので、それだけに、仮設商店街の話があったときには、ぜひ入りたいという気持ちでしたね。
 

 

─仮設施設に入居されて、希望、きっかけとなったお考えを実現出来ていますかお聞かせください。

 仕事を再開してから現在まで、震災によって仕事をなくした方や新たに資格を取得しようとする方から、いろいろな書類に使用するための証明写真の撮影依頼があったり、震災で亡くなった方の遺影や被災した古い写真の修復など、結構忙しい日々を送っています。
 仮設店舗に入る前のアパートで仕事を受けていたときと現在では、お客さんにとっても自分にとっても不便さや煩雑さがなくなりとてもよかったと思います。やはり店舗という店構えがあるのはとても助かりますね。

 

─今後の展望、将来に対するお考え等をお聞かせください。

佐良スタジオ店内
 現在の店舗はあくまで仮設ですから、5年間という期限の間に十分に資金を蓄えて、新たに店を開くためのプランをしっかりと立てておかなければいけないと思っています。
 また、個人の店ということだけでなく町全体として考えた場合、南三陸町は今回の震災で全国的に有名になって、日本各地からいろいろな人が来てくれています。この状態を今後も継続できるようにしていきたいですよね。幸いなことに町には良いホテルも良い温泉もありますし、多くの人に訪れてもらいたいです。
 私は写真を通して南三陸の町を伝えるのが自分の役目でもあると思っていますので、かろうじて残った震災前の南三陸町の風景をポストカードやクリアファイル、写真集にして販売しています。こうしたものをボランティアなどで来られた人たちに買っていただき、自宅に持ち帰ってもらって、また南三陸に行きたいと思ってもらえたらいいですね。
 

 

【入居仮設施設】

平成24年3月12日取材

企業データ

住所:宮城県本吉郡南三陸町志津川字御前下59番1
名称:佐良スタジオ

 

熊谷板金店